第2回 ゲイ人生=彼氏イナイ歴の男に訪れた1つの奇跡~僕のロメオを探して~

 

30ウン年間ゲイとして生きてきた。自身の性の嗜好に悩んだ青春時代、悩んでも仕方ないとあっさり童貞を捨てた20の夏。今となれば懐かしくもあり、そんな怖いものしらずな言動はまさに若気の至り。若さとは実に素晴らしく、そして時に危なっかしい。最近ふとそんな風に思い始めたのは、肌だけでなく精神も老化してきたからだろうか?

さて私コンチータ今でこそ頼りない旦那のドサ袋に、スッポリ収まり愛されておりますが、日本ではとにかくモテなかった。(そりゃエルメスみたいな高級カバンにも、憧れるけどさ)20代と言えばまさに人生の花盛り、働き盛りそしてモテ盛りのはず! だのに流刑地のような大学に入学し、そのストレスで鬱を発症後、肌はニキビでボロボロという最悪の大学デビュー。田舎、肌荒れ時々鬱じゃ、そりゃモテないのは当前だ。

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大学卒業後は大都会東京に華々しくカムバックし(まだ肌汚い)、ふとしたきっかけで新宿二丁目で働くことになるのだが、彼氏は勿論出来ず……今でこそゲイ用アプリなどで男漁りが簡単に出来る世の中であるが、10年以上前はそうもいかなかった。ひたすら出会い掲示板でマチコになって、スタンバイする日々。メールが来るのはウリ専の勧誘や、汚いおっさんからの卑猥なメッセージばかり。つくづく自分の不甲斐なさと、肌荒れを恨んだものだ。

そんなこんなで学ロン詐欺に引っかかったり、怪しい女占い師にありがたい菩薩様の絵を頂戴したり(10万円払った)、ホスト相手に貢いだりしたのも、今となればいい思い出。皆さんもこんな思い出ありませんか?だがしかし幸運の女神は、私を見捨てたりはしなかった。

そうロマンと夢を探しに、海外留学という大海原の旅に出たのだ! 留学を決意したのはそれは遅く、20半ば過ぎ。お肌の曲がり角を実感するかしないかの頃には、日本から遠く離れたベラルーシの大学で、10代の同級生達と机を並べる日々。夢への一歩を踏み出した喜びと、治安も景気も悪い国で勉学を納めることの困難さにアタフタ。大雪の中食材を買い込み、野犬に足を噛まれ(そのまま放置)、そしてスキンヘッドに暴行を受ける。さすが人生はアドベンチャー。夢というトレジャーを手にするまでは、敵もなかなか手ごわいという訳だ。

そんな私の唯一の楽しみは、そう学業の合間の男探しin ベラルーシ!ベラルーシの男はイケメンだけどタカられて、ボコボコにされるのがオチなので、そこはスルー。今も現役の出会い系サイトGay Romeoに相当入れ込んだのだ。知らない方もいると思うので、一応解説。2002年にドイツはベルリンで開設されたゲイ向けソーシャルメディアのパイオニア的存在。現在はオランダのアムステルダムでサイトは運営され、まさにEUというビッグアップルでは最大規模の出会い系サイトである。

EUといってもドイツで始まったサービスが故、利用者の多くはドイツ、スイス、オーストリアのドイツ語圏のゲイが大半を占めている。得意の英語(読み書きだけ)と、肌荒れが収まった美肌(しつこい)で自撮り、そして魅惑的かつ挑発的はメッセージをプロファイルにサラッと書き込み。居住地は勿論ドイツのベルリンに設定!(ベラルーシはちょっとパス)

そしてプロファイルを作り終える頃には、もうメールボックスは満杯。こんなうれしい瞬間は人生で初めてであった。美味しそうな同世代のイケメンに、日本ではアウトオブ眼中の40過ぎのオヤジでさえダンディーだ! そして聞きなれない称賛の言葉の数々……

「君はまるでひまわりのようだ、Will you marry me?」 64歳 ブカレスト

「ワオ、君超若く見えるね?しかもスレンダーだし、今からヤラナイカ?」 25歳 ハイデルベルグ 

「僕はチョメチョメ大学の医学部教授だ。妾にしてあげてもいいよ?」 55歳 ニース (このドクターにはお世話になりました

「OMG、君エスコートをしても絶対売れるよ!」 33歳 ウィーン (二番目の彼氏)

読んでいて、こちらまで恥ずかしくなるようなお世辞文句に、一人ニヤける間抜けな日本人。勉強そっちのけでレディーファーストを心得ている外国人の魅力に、ズルズルはまったのは言うまでもなく……多分外国人から見たら相当若く見える、痩せていて髭が薄いから? これくらいしか思い浮かばないし、確証はないのだがドイツ語圏ではこんなナヨ系アジア人が、少なくともモテなくはないのだろう、多分。普通海外では白人>ラテン系>黒人>アジア人の序列で人気が高くなるのだけれど。

日本では全くと言って、見向きもされなかった私が掴んだ幸せ。というかきっかけ。それはゲイ向けソーシャルネットワーク。Gay Romeoを通じてお付き合いした男性はブラピ似のドイツ人、そしてカナディアンスケータージェフリーバトル似のオーストリア人。甘くて切なくて辛い恋愛ごっこは、点が線になる前に終わりを告げたけど、今でも人生を変えてくれたこの留学と、Gay Romeoには感謝感謝。

ゲイとかレズビアンって街ですれ違って運命の出会いとか、社内恋愛ってあまりというか殆どありません。普段からLGBTコミュニティーに出入りする人を除けば、ゲイの恋愛事情はやっぱりまだまだ厳しい。だからこそ発達してきたのが、ソーシャルメディア。自分はもう恋愛は諦めた。全然彼氏ができない、そんなあなたに是非Gay Romeoをおすすめしたい。日本がダメなら海の向こうに目を向けるくらいの、フットワークの軽さも時には必要。

きっと白馬に乗った王子様は、待っているだけじゃ来てくれない……どんなに魅力がない自分でも、魅力的に見せる努力(お金も時間もかかるが)、そしてちょっぴりの勇気と英語力が、あなたの人生をがらっと変えてしまうかも! つくづくそう感じます。

因みに初彼ヘイコ(ドイツ人)は超絶イケメンの金髪、碧眼だったのですが、ロサンゼルスの空港で銃の密輸がバレて、アメリカ当局にお縄頂戴になりました泣。今でも忘れられないヘイコとのあんな思い出、こんな思い出。結婚した今も、時々懐かしさに涙が出そうになる時がある。ぬくぬくとオタッキーなホセと幸せに暮らしているけれど、やっぱり初恋は特別なのかなあ。今頃彼はそのダークブルーな瞳で新しい彼と見つめ合い、ベッドの中を泳いでいるのか。それともロスの刑務所で脱獄も兼ね、いろんなアナを掘っているのか……それは謎のまま、知りたいけれど、きっと知らない方が幸せなことだってあるのかもしれない。人より随分遅く訪れた淡い初恋の思い出は、やっぱりポケットの中にしまっておこう。

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今日もスペインは冷えるので、私とウサギはブランケットに包まっています。

本日のつぶやき 虫歯が疼いて痛いけど、スペインは歯科に保険が効かないので、しばらく我慢我慢。

 

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