Vol.2 傷ついても強く生きる

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TVや雑誌でも数多く取り上げられているニューハーフ達。メディアに露出する彼女達は人々に笑顔を与えているように見える。しかし、必ずしもその姿が彼女達の真実の姿ではないだろう。

数々の苦難を乗り越えてきた彼女達だからこそ今の輝きがある。目を奪われるような美貌の持ち主、彼女もまた傷ついて生きてきました。それでもなお輝きを増す美女・つかささんのインタビューです。

ヘス:今回はつかささんへインタビューさせていただきます、よろしくお願いします。普段はミラージュで働きながら、その他にもツイキャスを始めとする様々なお仕事に取り組んでいらっしゃいますが、今回はつかささんの生い立ちから根掘り葉掘り聞いちゃいますのでよろしくお願いします。まず、今現在東京にいらっしゃいますがご出身も東京なんでしょうか?

つかさ:出身は田舎です。何もないところでした。10代の若いころから何としても東京に出たい気持ちがありましたね。
ヘス:きっかけがあって東京に来たんですか?
つかさ:田舎が嫌だったというのもありますが、何より私のセクシュアリティを受け入れてくれる環境がそこになかったというのがあります。東京なら自分を受け入れてくれる場所があるって言い聞かせていました。でもきっかけは芸能関係の養成所に通い始めたのがきっかけですね。そのタイミングで東京に通い始めました。
ヘス:その時は芸能関係のお仕事を?
つかさ:男性の姿でですが、養成所で大した仕事では無いですが、少しだけドラマなどに出させていただて、そこそこ売れてファンもいましたが、結局男性の姿で自分が理想としていた、自分がありたい姿ではない現状に違和感を大きく感じていました。その頃は、水商売と芸能関係、アパレル、三足の草鞋を履いての生活でしたが水商売であるゲイバーで働いていた自分が何よりも気分が楽でしたね。心が休まるというか……。
ヘス:ゲイとしての自分が居心地が良かったということでしたか?
つかさ:一番しっくりきてたんだと思います。その時に働いていた時にニューハーフのお友達がいて、そのお友達のおかげでニューハーフへの道へ行くきっかけができました。その時「これだ!」って自分で隠していた気持ちが爆発しました。
ヘス:幼い頃からの違和感のパズルが解けたような感じだったんでしょう。しかしそうだとしてもニューハーフの道へ行こう! と決断する事は簡単な事ではないのではないでしょう。実際一度始めたら後戻りはできないわけですから……。
つかさ:そうですね。昔から感じていた容姿への違和感など、押し殺してきた感情が溢れてきたんです。そしてニューハーフになろうと最終的に決断した所は、何十年経った時に自分がおじいちゃんになっていたいか? おばあちゃんになっていたいか? そう考えた時におばあちゃんになりたいと思って決めました。

 

ヘス:そしてホルモンとの戦いが始まるんですね……。
つかさ:あっ私の場合は、最初ちょっとホルモン注射の影響で情緒不安定になったけど、割とすんなりいけました(笑)。でも辛かった時期も重なっていて、周りの人には助けてもらいましたね。特に当時働いていたお店のオーナーには本当にお世話になりました。当時はたくさん泣きましたし。でもそれで良かったって今思えてるのが幸せです。泣くことは恥ずかしくない!って言ってもらえたことが大きかったんだと思います。今でもそう思います。
ヘス:そこからニューハーフの道へ進んだとおっしゃっていましたが、お化粧もそこから学び始めたんですか? 女性でもここまで映えるお化粧ができる人は少ないと思います。
つかさ:独学ですね。もちろん美容の専門学校に行っていた経験でグラデーションの作り方ぐらいは活かせてると思いますが、その他のお化粧の技術は独学で一生懸命勉強しました。でもすっごく大変だったのでみんなには私の経験を知ってもらって自分なりに消化して、各自のお化粧に生かしてもらいたいなぁ……って思いながらツイキャスって言うライブ配信を毎日やってみたりしています。
ヘス:お化粧で一番大事なことはズバリ?
つかさ:思い込み! です。本当にずっと男性で、お化粧なんてしたことなかった自分が突然お化粧を始めるんだから1から10まで違和感しかないんです。街を歩けば……特に歌舞伎町なんてたくさんの人がいる中でいろいろな人にジロジロ見られるし、黒人には「レディーボーイ!」とか馬鹿にされたりしました。でもバレても、お化粧がうまくいかなくても自分に自信を持ってどんなん道も一歩目があってから遠い所に辿り着けるんだから。自信がなくて下向いて歩いてると、前見てないから全然違う場所に歩いて行っちゃうきがするんです。前を向いて歩いて、自分はかわいいんだ! って思い込むんです。
ヘス:経験がそうやって今の前向きなつかささんを作り上げているのがわかるような言葉ですね。駆け足で過ぎた数年間だったと以前おっしゃっていましたが、現在の環境に満足感はありますか?
つかさ:はい、幸せです。ちょうど先日実家にニューハーフになってから初めて帰ったんですけど、両親をはじめ家族全員に理解してもらいました。電話では言えていたのですが、ニューハーフの姿で会ったのは初めてで……兄の手助けもあり上手くいきました。友達ともたくさん遊んで、悩みも相談したり恋愛も時にしながら目標に向かって頑張れています。
ヘス:ニューハーフならではの悩みはありますか?
つかさ:んー。結局ニューハーフの業界に言えることなんでしょうけど、全体的に賃金も低いし昼間の仕事も少ないんです。いわゆるマイノリティなセクシュアリティですので、そういった事情もあるんですが、みんな性転換の目標があるため、夜の仕事をやらざるをえないんです。私なんて全然夜のお仕事向いてなくて……面白いことも言えないしお客様に満足してもらってるのか毎晩心配で……(笑)。面白さや怖いもの見たさで来店される人がほとんどですから、みんながみんな向いているとは思わないです。でも現状ニューハーフの働き先としては夜の仕事が大半なので健気にみんな頑張っていると思います。
ヘス:僕もいつも思います。一昔、女性は専業主婦が当たり前だった日本が今やいろいろな職種で女性の進出を見かける事があります。そのようにニューハーフさんが他の業界で様々な活躍ができるように! なんて思っています。今も、実際にニューハーフさんが働ける環境づくりに奔走しております。近い将来実現したいです。さて、そろそろインタビューも名残惜しいところですが、終わりを迎えようとしております。最後にですが、つかささんがこれからニューハーフを目指す方や、同じように性別の悩みを抱えている方に送りたい言葉をつかささんなりに読者に伝えていただけますか?
つかさ:私は今まですごく後悔して生きていました。原因は言いたいことを言えなかった事です。自分に自信がないから結局相手を納得させられないだろうを斜に構えていたのもあります。昔それを言えずにいた為、故郷のお友達とは今は交流すらないです。もしもあの時、傷ついてでもみんなに自分の事を言えていれば、今も友達のままなのかなぁ……なんて思うと、こみ上げて来る切なさもあります。逃げて逃げて生きる事も大事ですが、今の私が思う事は泣いても傷ついてもいいから素直に生きる事。人は傷ついてナンボだと思います。言わない後悔より、言う後悔の方が吹っ切れますし、自分が真剣だと相手も答えがどうであれ真剣に答えてくださいます。他のニューハーフのみなさん言いますが、なんで早く言えなかったんだろう?って。私もそう思います。みなさんの辛い気持ちもわかります。それでもそばにいてくれる人を大事にしてください。
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ダリアという僕の好きな花……つかささんはまさにダリアのような花の美しさを、容姿はさることながら心の中にも咲かせています。健気に咲く花のように傷つきやすい心を奮い起たせては人々を魅了しているのでしょう。
今までの彼女が生きてきた人生がその儚さを形成したと思うと、少し短絡的かもしれないが私はそんな彼女が今もこうして楽しそうに過ごせているのは、今まで負った心の傷がそれに負けないと強く成長しているかのように思える。

ダリアの花言葉は「華麗」「気品」……今もこのコラムを書きながら思い出すのは彼女の「華麗」や「気品」。この花のもう一つの花言葉、「不安定」さも、彼女たらしめているのでしょう。

今回、垣間見せた少しの彼女の私生活を背景に彼女を見てみると、より一層彼女が愛おしく見えるだろう。駆け足で終わったインタビューだったが、今後も彼女を見ていたいと思わせる煌びやかな女性だった。

 

 2016/03/04 20:15    Comment  コラム   ヘス サロン              
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