第39回 ラブゲームが下手でもいいじゃない

 

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友達と集まればボードゲームで盛り上がるが、戦略を練るのが苦手な自分はいつもビリになる。行き当たりばったりで、当たって砕けろ的なプレイスタイルでは、先手を考えて練りに練ったプロアクティブな策には勝てない。何度ボロ負けしても、戦略を考えるのが面倒臭い性格なのでもう諦めている。相手の出方を読んで勝てるストラテジーを探すことに面白さを見出す人もいるが、個人的には少しランダムでサプライズの多い方が楽しいのだ。

恋愛もボードゲームのように、いろんなプレイスタイルが存在する。一生懸命にぶつかって落ちてくるものと恋に落ちる人もいれば、いろんなテクニックを駆使して目当ての相手を落とす人もいる。そんなラブゲームで勝ちたいなら、恋愛必勝法みたいなものを読めばいい。メールにはすぐに返信しないとか、初デートではセックスしないとか、こう振る舞えば相手をメロメロにできるとか、そういう類のものだ。それが本当に通用するのかはわからないが、こうしたラブゲーム攻略法は溢れている。

冷静になって考えてみると、こうしたアドバイスは相手を騙す行為である。しかし、ウソは必ずしも悪いことではない。誰にだって自分の良いところをできるだけアピールしたい気持ちはある。仕事の面接で本当にダメな自分をアピールする人がいないように、恋に落ちた相手にいきなり全部曝け出す人もなかなかいない。もし何も隠さなかったら、生涯誰にも見向きされない自信があるのは自分だけじゃないはずだ。最初はラブゲームを上手にプレイして、完璧な自分を演じて、徐々にダメな自分も紹介して、ゆっくりお互いを理解していく。その過程はとても人間的だ。

そのラブゲームが行き過ぎてしまうと、それはそれで問題となる。世間に出回っている恋愛必勝法は男性や女性を一元的に見ていて、ステレオタイプたっぷりで、勝ち負けという構図で恋愛を描くことが多い。先手を読んで、状況を分析しながら策を練って、偽りの自分を演出して、自分の思い通りに恋を操る。みんながそんな必勝法に沿って恋愛したら、そこにはもう人間味が残らない。そうやって実った恋はウソが重なって出来上がったもので、そこから先へ進めなくなってしまう。

勝つことがすべてではない。たまには素直に恋愛に向き合って、勝ち負けなんて忘れて自分らしくあればいい。思いっきり負けた方が、よりステキな結果になることだってある。思いがけない驚きに出会って、焦りながら解決策を探すのだって楽しい。しかし、残念ながらそのままぶつかっては何も落ちて来ない時もある。駆け引きなしでは同じ土俵に立てない場合は、適度にラブゲームをプレイすればいい。結局、そこへ落ちた恋に向き合うのは他でもない自分自身だ。ラブゲームに夢中になりすぎて自分を見失っては意味がない。そこのバランスが大事だ。

 

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