Vol.20 日本最大級女装イベント「プロパガンダ」今月で終了!SNS時代のイベントの未来を考える

 

本連載の2回目でもご紹介した、日本最大規模女装ニューハーフイベント「プロパガンダ」が3月12日(土)の次回開催をもって最終回となることが開催2週間前に突如主宰のさつきさんモカさんからTwitter上で告知されました。

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創設者モカさん

「今月のプロパ行く?」がもはや挨拶として浸透していたほど、女装文化の中心に根差していたイベントが終了することは誰もが予想できなかったこと。

女装クラスタの反応はまさに青天の霹靂といった様相でTwitterではこんな声が聞こえてきました。

  • 「あたしの社交的な女装経験は、プロパガンダから始まりました、といっても間違いありません」
  • 「プロパ終了かー。トランスするかしないかの頃、情報求めて何回か行ったわ」
  • 「プロパガンダが終わるのって、結局特定の上位女装エリートだけが楽しめるだけで、その他の汚女装が惨めな思いをするから衰退していったっていう予想。」
  • 「私が女装デビューしたのは、5年前のプロパでした。あの日のことは今でもよく覚えています。ただの趣味の女装だと思いたかった。 女装しても自分は男だと思いたかった。一夜にして崩れ去ったケドね(笑)でも、そのときの「出会い」があったからこそ、今の自分がいる」

全く女装をしたことがない人、ちょっと突飛な格好が好きな人、自分自身を探してきた人、出会いを求めてきた人などプロパガンダはとにかく誰でも受け入れてきてきました。

女装イベントという軸がありながらも、柔軟性に富んだ定期イベントの役割は今振り返ってもとても大きいものだったと思います。

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主な会場となった風林会館「ニュージャパン」

プロパガンダは、9年前の始動以来小さい会場をいくつか渡り歩き、新宿の風林会館のニュージャパンで定着しました。

その後、ニュージャパンの閉館に伴い、わずか1年あまりの間に表参道のクラブ→新宿三丁目のアミューズメントレストラン→新宿2丁目のクラブと会場を変えることになりましたが形を変えても毎月開催し続ける様子は、私たちの心のどこかで、イベントがいつまでもあるものだと思わせるには十分でした。

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プロパにわたしが出展していたメイクブース

それだけに、突然の終了宣言は衝撃的でした。女装者が毎月集まれる場所がなくなることになる今、今後の女装イベントはどうなっていくのでしょうか。

わたしはプロパガンダに出展側で関わったり、イベントありきで開催日にお客様へのサービスを展開したりとして継続的に見てきて、感じたことが一つあります。

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プロパの企画から生まれた女装アイドル「最先端ガールズ」

<今が時代の変わり目>

昭和時代、女装がアングラ趣味の変態行為だと偏見を持たれていた頃は女装の情報を得るには新聞の三行広告に目を凝らし、女装クラブに入会しなければいけませんでした。女装をして外出することなど論外。2000年代も、女装で出かけられる場所は夜の街かイベントくらいでした。

それが先達の努力やトランスジェンダーのメディア露出によって、ファッション感覚での女装が一般に広く認識され、日中街中で女装者を見かけることもけして珍しいことではなくなりました。

インターネットの進化で、必要な情報はすぐに手に入り、メイク道具や衣装も通販で難なく購入できるようになりました。イベントに出かけなければ出会えなかった女装の仲間も、ブログを巡ったりTwitterを追えば簡単に交流できます。

「特別な場所に行かなければできなかった」ことが、今や「自分の気持ち一つで、いつでもできるように」なったと言えます。

盛れる写真はセルフィーで撮れるし、自宅で結構カワイくなれて、友達もネットで出来るとあればイベントに行く理由が薄くなっていきます。

そうして、女装において「イベントという場所ありきで人間関係が動いていた」のが、これからは「人間関係ありきでイベントが出来ていく」と予想しています。つまり、TwitterなどのSNSなどネット上で個々人が繋がった気の合う人と自由にオフ会を開いていくのが主流になるのではないでしょうか。

実際に、最近わたしのスタジオを利用される方のTwitter活用率がとても高くなっていることがフォロワーの推移やRTされてくる画像で感じられます。以前もT’sLOVEという招待会員限定の女装特化型SNSはありましたが、Twitterは拡散性と双方向性に富んでいます。女装用のアカウントで自分の女の子ライフを発信することがより手軽で身近な女装の楽しみ方となっています。

女装という行為にとらわれず、女装した自分をもう一人の自分自身と受け止めた上で街に出ていく人が増えるでしょう。

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異人種交流会「すごい晩餐会」

そうしてこれから増えていくのは、個人の女子会のような気の置けない仲間とのお茶会から、「魔女会」や「すごい晩餐会」のように女装で参加できるボーダーレスな催しだと思います。

その一方で、疑似体験レズビアンイベント「カマレズないと」のように特定の趣向に特化したもので二極化していくかもしれませんね。

これからどのように女装業界まわりが動いていくのか、目が離せません! 気になるプロパガンダ終了の裏事情は、3月12日(土)のトークショーで明かされる予定とのこと。

プロパの創設から運営の裏話・売上事情・会場話・人間関係などを女装業界の中心に君臨し続けた2人が話すとあっては、聞き逃せないですね。

懐かしい人との再会、思いもよらなかった新しい出会いがあるかもしれないのは大型イベントのメリット! 最近ご無沙汰だった人も、初めての方も、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか!

プロパガンダ
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http://propaganda-party.com/

3月12日(土)午後8時~午前5時@新宿二丁目ArcH

 

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