第9回 東欧のドラァグクイーンがマツコっぽいと一部マニアの間で話題!?

 

皆さんドラァグクイーンは好きですか? 日常生活のゲイライフを送っていても、なかなかお目にかかれない彼らの斬新かつ驚愕のパフォーマンス。それは秀逸なダンシングアイドルであり、そしてアート作品でもある。夜な夜な新宿二丁目や大阪は堂山でクネクネと妖艶に舞うドラァグクイーンの御姿は、現代21世紀の混沌とした世の中に生きる新進気鋭の表現者とも言えるだろう。

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日本においては伝統的に歌舞伎役者が女形を演じる芸能文化として受け入れられてきたが、昨今のドラァグクイーンは伝統と言うよりはまさにサブカル文化の賜物と言えよう。世間にLGBTの存在を誇示するがごとく、毒舌に踊り狂う姿はまさにゲイの代弁者でもあり、そして華やかな夜蝶のような存在だと感じている。

日々ゲイ能人や女装家の方々の活躍を目にすることは少なくありませんが、まだまだドラァグクイーンの社会的認知度は高くないのが現状。しかしそんな彼らドラァグクイーンの豪華絢爛、卑猥そして可憐、三拍子揃った生態系は世界に共通している事象であり、その存在感と衝撃度はピカイチです。さて今回もまたまた海を飛び越えて、世界の誰かさんについてのお話し。今回の主役は東欧のブルガリアのゲイマスコットであり、愛する男性の夫そして父、はたまた偉大な歌手でもある“Васил Троянов Боянов”さんです!

えっ、何語? なんて読むの? ロシア語をかじった私も、正直自信がありません。彼の名はヴァシル・トロヤノフ・ボヤノフ、通称アジス。ブルガリアでは誰もが認めるトップシンガーであり、そしてドラァグクイーンでもあります。東欧の小国ブルガリアの保守体制を覆すような艶かしい肢体エロチカ、そしてキレのある身体の動き。伸びのある美性に、よくよく見るとなかなか目鼻立ちが整った造顔が印象的なアジスさん。

ブルガリアは勿論同性婚だとかLGBTなんていうものは、社会的にはまだまだ認められていない風当たりの強い国。ベラルーシと同様旧ソ連に近い国々というものは、どうしてこうも時代の流れと逆向する風潮に向かっていくんですかね? スペインなんて超適当な国でラテンという穏やかな波に流されていると、どうしてもこれらの国のLGBTに対する固定概念にうんざりしてしまいます。まあブルガリア批判は差し置いても、アジスさんの性表現の豊かさには正直驚かされます。肉ドレスだとか泡まみれの過激で、突拍子もない出で立ちで話題を集めたLADY GAGAとも対等をいくようなアジスさんのファッションセンス、なかなかのものです。

ブルガリアやセルビア、ルーマニアなどの東欧圏を巻き込んでメディアを驚愕させてきたアジスさんですが、一応ブルガリア全土で21番目に偉大なブルガリア人としても認定されたそう(すごい微妙な順位ですがww)。いちドラァグクイーンとして夜街道でダンサブルに活動するだけでなく、政治家を目指してみたりブルガリアのトップシンガー達と共演したりと色々忙しそうな彼。元々ジプシーの血を引く彼ですが、彼の紡ぐ音楽のバックグラウンドにもジプシーの影響は色濃く残っています。チャルガと呼ばれる伝統的ブルガリアンミュージックを軸に歌う彼の音楽は時に、ジプシー差別が半端ない堅物には到底歓迎されないもの。まあ私もトラディショナルとフォーク、そしてクラブミュージックの融合形で心地よく腰をクネらせる程、チャルガに耳慣れはしていませんど……とりあえずガチムチ、ヒゲマッチョに色黒兄貴が好みの兄さん方は、あれこれ言う前に一度MVを見て欲しいです。

何と言えばいいのか迷ってしまいますが、より身体の線をエロティックに強調、そしてよりアーティスティック。なによりLGBT不毛の地ブルガリアで身体、音楽、ダンス三種の神器を武器に啓蒙活動に精を出すアジスさんには完敗です。私生活ではパートナーの男性と同性結婚(ブルガリアでは認められていませんが)、そして親友の女性と人工授精に励み子どもを授かった波乱万丈人生。だけれどゲイとして人として、幸せすぎる人生を歩む彼。東欧を巻き込んで一大フィーバーを引き起こしたアジスさんですが、遠く離れた日本ではやっぱりまだまだ知られていません。一部のワールドミュージック愛好家が熱心にアジスさんを信仰していたりするけれど、もっともっと日本でも人気が出て欲しいものです。だってこんなツイートも見られるのですから。


あぁ、確かに言われてみれば下膨れしたお顔のラインだとか、デラックスな雰囲気が似ているかもしれませんね! でもまあどうでしょう、アジスさんは外国人だけあって、もっとゴージャスで凛々しいマスクですけどね。鋭い眼光と浅黒い肌にピンクのルージュ、フサフサの便器カバーなんかを被って微笑む姿には、クマ好きじゃなくても思わずニンマリしてしまいます。個人的にアジスさんのような強い自我と卓越したパフォーマンスを備えるドラァグクイーンこそが、LGBTへの差別そして偏見という海の荒波を沈めるパイオニアになっていくのだろうと感じている今日この頃。平和な国で暮らしていると見失う人となり、アジスさんを通し改めて認識して頂ければなと思っています。

東欧の男マドンナと揶揄されて、色んな業界人と比較されてしまいがちなアジスさんですが、これからも東欧LGBTの発展に貢献する為、頑張って欲しいものです。気になる方がいましたら、彼のインスタグラムをチェキラッ! いやあアジスさん、もう少し痩せればリッキー・マーティンに似ていると思うんですけど、皆さんどう思いますか?


でもやっぱり今は、どちらかというとこの方が優勢かもしれません……(しつこい)。

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