Vol.24 世界最大規模のドラァグクイーンの祭典AIDFレポート

ドラァグクイーンがアツい国といえば、やはりアメリカ!「ル・ポールのドラァグレース」をはじめとした番組が注目を集め、ドラァグクイーンがタレントとしても人気を集めています。

そんなアメリカの中でも特に保守的なテキサス州で、なんと世界最大規模のドラァグクイーンの祭典「Austin International Drag Festival (略称AIDF)
」が開催されていました。なんでも、州都であるオースティンだけは特別なんだそう。このイベントは2016年4月29日〜5月1日の3日間にわたって合計6会場+αで開催されました。

※AIDFオフィシャルマークがある画像はイベント公式より、それ以外は立花奈央子撮影

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公式サイト:https://austindragfest.org/

現地で4日間を過ごしましたが、実際に行ってみて驚いたのは、この4点。

1)とにかくドラァグクイーンの数が多い!
2)会場が多い!
3)レベルが高い!
4)催しが多い!

でした。

1)ドラァグクイーンの数について
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公式サイトで紹介されていた出演ドラァグクイーンの数はなんと200人以上。これに加えて、遊びに来たゲストなどもいますから、イベント期間中の会場近辺ではどこを見てもドラァグクイーンばかり。
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ゲストとして毎日センス抜群のコーディネートを披露していた彼女はドラァグ界隈では珍しい純女さん。
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レディビアードのファンサービスに来た、男装のゲスト。3人組で来ていて、みんなヒゲメイクが上手!

アメリカでの開催という地理的な事情もあって、8割ほどはアメリカからの参加。残り1.5割はヨーロッパ、0.5割がアジア、という様子でした。
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年に1度の祭典とあって気合が入るのか、「誇張した女性性」というドラァグクイーンの既成概念が打ち砕かれるような、突き抜けた装いの人が多かったです。

2)会場の数について、とにかく多い!
日本でも複数の近いエリアのライブハウスが同時にライブイベントを開催するサーキットタイプのフェスがありますが、このAIDFはドラァグショーを行うライブハウス5カ所+コンベンションホールを備えたAIDFオフィシャルホテルまるごと1棟。

ショーが行われるライブハウスは、キャパ100人程度のところから600人のところまで。
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AIDF会場となるライブハウスは繁華街に点在。新宿2丁目のようにゲイタウンとして固まっているわけではないので、並びにはへヴィメタルバー、おしゃれなラウンジバーなども。
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現地は日本の初夏くらいの気温で、気持ちよくオープンエア―で遊べます。オフィシャルホテルでは、ホテルの設備を余すことなく活用して、いたるところで催しが行われていました。

治安は少し悪いエリアなので、会場まわりでは出番を終えた出演者が道端の老人に絡まれる場面も。
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「くそビッチ!」という野次を飛ばされても、軽くいなして消えていきました。カッコよかったです!

3)レベルが高い!トップドラァグクイーンの登竜門である「ル・ポール」への出演者が続々登場。
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日本のドラァグクイーン事情については偉大なる先輩方のレポートにお任せするとして、ここAIDFでは地下アイドルレベルの初々しいものから、大御所感溢れるギミック満載のショーまで様々なレベルのショーを見ることができました。
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「ル・ポール」出演者が登場する時は満員!
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私が一番好きなDUO-RAWの淫靡な演出。研ぎ澄まされたセンスが眩しい独自の世界観に引き込まれました。

各出演者の標準的な持ち時間は10分〜15分程度。長い人で30分ほど。徒歩で回遊できる範囲に5つの会場が集まっているので、体力さえあれば一晩に20〜30のショーを見ることも難しくありません。
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全体的にゴージャスなドラァグが人気。2m超えは当たり前、メイクも強め!
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オフィシャル会場以外にも、ゲイフレンドリーなバーが多くありました。クラシックなリップシンクから、エアリアル(空中演技)を取り入れたダイナミックなものまで様々なパフォーマンスを満喫することができます。
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4)催しが多い!とにかく多かったです
運営がボランティア団体のため、商業イベントのようにきっちりとしたタイムテーブルや案内板をわかりやすく整備するところまでは行き届いておらず、全貌を把握するのに丸一日かかりましたが、一度見えてくるとあまりの層の厚さに驚愕。
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AIDFのフラッグが会場の目印。一覧表や会場マップは掲示されておらず、ウェブサイトにも文字情報がほとんどなので、至れり尽くせりのイベントに慣れていたら戸惑うかも。

ざっと挙げてみると、パフォーマンスを向上させるためのパネルディスカッションに、LGBT界隈のホットトピックスについての生配信トークショー。

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前回のパネルディスカッションの様子。
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生配信トークショー。両サイドのMC役は、オープニングでしっかりショーをしてくれました。サービス精神旺盛!

他にも、きれいになりたい人のためのメイクアップ&ビューティーセミナー、ドレスアップした人のためのプロカメラマンによる写真撮影ブース、ドラァグクイーンファンのための物販&ファンサービスエリア。
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写真撮影はホテルの客室エリアのラウンジで行っていました。ホテルがオフィシャルパートナーだからできることですが、日本だったら許可が下りなさそう!
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Tシャツは1点2000円程度とお手頃。
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ステージ衣装のための巨大ブラジャー&ヒップパッド&衣装小物売り場、同人誌売り場などなど。
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同人誌売り場。ホテルの一角に会期中ずっと商品とテーブルが出ていました。
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ホテルのロビーエリアは記念撮影会場。

興味深かったのは、ビューティーセミナーでLGBT界隈からは距離がありそうなおばさまたちがドラァグクイーンの指導のもと、エクササイズに勤しむ様子でした。イベント期間中は出演者と参加者の大半が同じホテルに泊まるので、ホテルエントランスからパーティー会場の雰囲気。
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ホテルエントランスでの写真撮影会はずっと行われてました。

ロビーエリアのバーカウンターでは様々な人種の人々が思い思いに交流を楽しんでいました。
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ちなみに会場となったホテルでは、AIDFの一週間前にはゲイ専門の同人誌即売会があったそう。日本のように公共のイベントホールがあまりないのか、広いアメリカではホテル併設のホールの方が都合がいいのかはわかりませんが、幅広い客層を持つチェーンホテルがイベント会場となっていることには驚きました。

日本で例えるなら、ホテルオークラの1棟がまるごとLGBTイベントの会場になり、エントランスにドラァグクイーンやダンサーが集まり、ロビーにブースが出て、客室の大半が仲間……と想像してみるといいかもしれません。
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世界最大級のドラァグクイーンフェスティバルを銘打つだけあって、ドラァグまみれ!な3日間でした。私は仕事で行ったので、ゲストとしてショーを楽しむ時間はあまりとれなかったのが残念でしたが、来年も11月2日~4日の3日間開催されるそうです。

出演者募集も随時受け付けているようなので、日本からもぜひ応募してみてはいかがでしょうか?

どこを向いてもドラァグだらけ、化粧と香水の匂いに包まれた街は一種の桃源郷のようで、すごい思い出になりました。アメリカ、それもテキサスというとちょっと遠いですが、遠出してみる価値はありますよ!
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公式サイトは情報があまりないので、Facebookのログを追うのがおすすめです。

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