35周年のトロントプライドが凄い10の理由

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今年でトロントプライドに参加するのは9回目だ。どんなに素晴らしいイベントも、毎年行っているとさすがにマンネリになってくる。しかし、今年のトロントプライドは最初から最後まで自分をドキドキさせてくれた。そんなトロントプライドが最も輝いた瞬間をいくつか紹介したい。

1.カナダ首相ジャスティン・トルドーがプライドパレードに参加

ゲイフレンドリーで有名なジャスティン・トルドーがプライドパレードに参加するのは実は今回が初めてではない。昨年、カナダ首相になったことで、彼のプライドパレード参加は大きな話題となった。首相として誰かがプライドパレードに参加するのは、これが初めてだからである。「(首相がプライドパレードに参加するのは)そんなに大したことではないし、大げさにする必要もない」との彼の言葉は的を得ている。

2.一万人上が参加したトランスマーチは世界最大規模 

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キャシーさん(@torontogay69)が投稿した写真 –


トランスジェンダーのコミュニティが主役となるトランスマーチは、数年前まで非公式のイベントだった。同性婚成立を目指すことに夢中になっていたゲイコミュニティから取り残されたことで、トランスジェンダーのリーダーたちは団結して自分たちのためのマーチを始めた。最初は数百人だったマーチが、毎年人数を増やして、どんどん力強いものに育っていった。その成長をアライとして見守ってきた自分は、今年のトランスマーチの規模の大きさにただただ驚いた。

3.パワフルな女性たちによるダイクマーチ

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キャシーさん(@torontogay69)が投稿した写真 –


女性を中心に据えたダイクマーチはトランスマーチに次いで政治的なイベントである。性差別やフェミニズムを扱う団体が集まり、共に行進していく。男性はダイクマーチに参加せず、観客席から応援するのがエチケットである。マーチの最終地点はアレンガーデンズという大きな公園で、日陰にみんなで腰を下ろしてピクニックを楽しむ。ダイクマーチはコミュニティの結び付きや助け合いが感じられる素晴らしいイベントだ。

4.反差別の精神を忘れないナイトマーチ

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キャシーさん(@torontogay69)が投稿した写真 –


トロントプライドの非公式イベントの一つであるナイトマーチは、無許可でヤングストリートを乗っ取る大胆なデモ行進である。スポンサーはなしで、運営は全てボランティアによるもの。それだけに、メッセージ性の強いマーチである。誰でもメガホンを握って演説ができるのもステキなアイデアだ。公式のプライドがどんなに豪華になっても、このダイクマーチのおかげでプライドの本来の意味を再確認できる。

5.夜のLGBTアート展を照らしたライトパレード

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トロントはアートの街として有名で、LGBTアーティストもたくさん活躍している。このNuit Rose(訳:ピンク色の夜)というイベントでは、トロント各地にLGBTアーティストによる数々の現代アートが展示される。そして、そんなアーティストたちによって企画されたのが、このライトパレードである。暗闇の中で光るものを身に付けて参加するのがルール。先頭に立つファイアー・パフォーマーと一緒に、みんなで一緒にチャーチストリートを照らすのは美しい経験だった。

6.2000人がキャーキャー騒いだ『ミーンガールズ』上映会

今年のトロントプライドのスローガンである「You Can Sit With Us!(訳:私たちと一緒に座ってもいいよ)」は2004年の映画『ミーン・ガールズ』の名台詞のパロディである。リンジー・ローハンの出世作であるこの作品は未だにカルト的人気を誇る。トロントプライドがオンタリオ湖に面した屋外ステージで上映会を開いたところ、なんと2000人以上も集まった。「水曜日はピンク色を着ること」という映画の中のルールを守って、会場にいた多くの人たちがピンクを身に付けていた。トロントで撮影された本作の脇役キャストたちも登場し、主役のリンジー・ローハンもビデオ通話で挨拶をした。ここまで楽しい上映会に参加したことは未だかつてない。

7.初の試みとなったプライド月間は大成功

昨年まで10日間の祭典だったトロントプライドは、今年より6月全体をプライド月間と宣言し、例年以上に広がりのあるプライドとなった。そのおかげで、普段はスケジュールの問題で企画できないようなイベントも増えた。特に、人権問題を扱ったパネルディスカッションは人気で、プライドの歴史やLGBTコミュニティ内の差別にスポットライトを当てた回には数百人が集まった。こうした議論に対する需要はないとずっと思われていたが、どうやらまだまだ話し合う場所は必要みたいだ。

8.フロリダ州オーランドのゲイクラブ銃撃事件の被害者を想う気持ち


6月12日に起きたフロリダ州オーランドのゲイクラブ銃撃は、トロントのLGBTコミュニティに大きな影響を与えた。プライド月間の真っ只中だったこともあり、事件が起きた24時間のうちに追悼イベントが開かれ、急な知らせにも関わらず1000人以上が集まった。チャーチストリートのLGBTコミュニティセンターの前にはメモリアルが出来て、命を落とした49名の被害者の名前はチャーチストリートに白いペイントで刻まれた。この悲惨な事件はこれからも語り継がれていくだろう。

ブログ:フロリダのゲイクラブ銃撃について

9.LGBTとムスリムのコミュニティが一緒になったラマダンの断食明けの食事会

フロリダ州オーランドのゲイクラブ銃撃が起きたことで、トロントのLGBTコミュニティ、ムスリムコミュニティ、そして、LGBTムスリムコミュニティが一緒になって立ち上がった。多くのボランティアの助けを借りて、ラマダンの断食明けの食事会が開かれ、200人以上がテーブルを囲んだ。そして、お互いの違いを認め合いつつ、共に差別や偏見と立ち向かっていこうと誓った。多文化共生は簡単なことではないが、このイベントを目撃してなんだか少し希望が持てた気がした。

ブログ:LGBTとムスリムが一緒になってラマダンの朝食を食べた

10.Black Lives Matterの政治的なリーダーシップ

トロントプライド最終日のプライドパレードを率いたBlack Lives Matter(訳:黒人の命は重要だ)という反差別団体は、パレード中に座り込みデモを決行し、トロントプライドの主催者にコミュニティ側からの要求を突き付けた。その要求の内容は黒人LGBTコミュティに対する支援の充実やトロントプライドでの警察の参加禁止などである。25分後、トロントプライドの代表はその要求を受け入れて、プライドパレードは再び動き出した。この政治的なアクションを批判する人もいれば、評価する人もいるが、冷静に考えればこれがプライド本来の姿である。企業の広告塔と化したプライドパレードがここまで政治的になったのは久しぶりだ。そして、この出来事はトロントプライドのターニングポイントとなるだろう。Black Lives Matterの勇気ある行動に感謝したい。

ブログ:トロントのプライドパレードが25分間止まった理由

 2016/07/06 11:00    Comment  コラム   トロントプライド              
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