自分の人生をバッドエンドにしないで

 Comment  コラム   となりのさつきぽん              

 

トランスジェンダーとして生きていると、どうしても苦労話とか不幸なエピソードが多くなってしまう。メディアの取材なんかでもそうだ。なかにはやたらと悲劇の人物のように描きたがる媒体もある。

そういうのは一切お断りしている。理由は簡単、不幸なことを語ったところで何も生まれないからだ。

bd180e4735a8eb9c4b0a51f61928ab5f

それに実際、正直に言うと不幸なエピソードなんてたくさんある。身体の悩みだったり、家族関係の問題だったり、人並みに失恋もしている。就職だってハードルだらけだし、対人関係だって人一倍気を使う。

そんなのは、当たり前。それに自分でこの道を選んだのだから、多少ハードになっても文句は言えない。周りや環境のせいにしても、でもそれってただ自分のプライドを保ちたいだけのような気がして。自分がつまずいて転んだことを、道のせいにして何か変わる? その道を選んだ自分が悪い。

と、偉そうに、なかば自分に言い聞かせるように書いている私だけれど、心折れそうになる時がある。人間だからね。

一人で部屋にこもって、頭が痛くなって目が腫れ上がるほど泣いている時もある。人に言えない失敗もたくさんしてきたし、何度も同じことで怒られたとこもある。結局、どんな時が一番辛いのかと考えた。人に裏切られた時? 仕事で失敗した時? お金がない時? まぁ、全部辛い。

でも一番辛いのは「自分で自分の可能性を信じられなくなった時」かな。そうなったらもう、何をやってもダメだと思う。それって一番、致命的。例え人に裏切られても、「この人なら裏切られてもいいや」って思えるほどの相手じゃないと、信じちゃいけないと思う。

人を信じるのって、すごく勇気がいる。そういう意味では、「自分の選んだ相手を信じきれるか」っていう、自分との戦いなのかもしれないね。仕事も恋愛も、人間みんな自分の弱さと戦っている。

私は、弱いなぁと思う。すぐ泣くし、寂しがりだ。些細な一言で一喜一憂する時もあるし、そんな自分が嫌いで無駄に強がったりもする。人が人を傷つける時って、色んな理由がある。でも本心はただ、自分が傷付きたくないからなんじゃないかな。みんな自分が可愛くて、守りたい。自分が傷つくのが、一番怖い。

でもそれに負けると、もう負のスパイラルに入ってしまう。

お涙頂戴の悲しいエピソードは、正直もう飽きたんだ。暗いし、古いし、その手のパターン多いし、あんまり見たいとも思わない。

私が見たいのはハッピーエンド。見せたいのもハッピーエンドなんだ。

泣いている姿が見たいんじゃない。そこから立ち上がる姿が見たいんだ。

5d4dba1b63c0e0298c553cd2bdad8079

何度だって立ち上がるし、諦めないよ。

私は生きるのが、好きだから。

 

 2016/08/30 19:00    Comment  コラム   となりのさつきぽん              
Top