第62回「惚れたら負け」という落とし穴にはまる

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年下の男の子に告白されて交際を始めた友人は二週間もしないうちに破局を迎えた。そんな失恋の後は友達とワインを持ち寄って反省会をするのだが、なぜか毎回同じ結論にたどり着いてしまう。告白されたはいいものの、別に相手のことが好きなわけではない。それでも、特別嫌いなわけでもないから流れに任せて付き合ってしまう。恋愛しているうちにどんどんギャップが広がって、そのまま流れに任せて別れてしまう。その繰り返しである。しかし、それがわかっていてもなかなか抜け出せない。次の朝にひどい頭痛になるのはわかっていても、勢いでワインをゴクゴク飲んでしまう心理に近いのかもしれない。

 

恋愛をしたい人は山ほどいる。出会いがどんどんインスタントになっていく時代、多くの人は様々な手段を尽くして愛し合える誰かを求めている。しかし、大多数の人は心のどこかできっと傷付きたくないと考えているだろう。痛みを前にすれば誰だって少しはビビる。痛い思いをしないで済むならそっちを選びたくなる。その痛みをよく知っている人なら尚更自分を守りたくなる。それはとても人間的な考え方だ。そして、その恐怖心のせいで動けずにいれば、安全な範囲内でできる恋愛だけを選ぶようになる。つまり、楽な恋愛をどんどん求めてしまう。

 

「惚れたら負け!」

 

そんな恋の駆け引きはもしかしたら恐怖心の産物なのかもしれない。相手に惚れて主導権を失いたくない。好きになりすぎて傷付きたくない。そうやって、目先の痛みばかり気にして受け身な恋愛に落ち着いてしまう。一方的に愛される恋愛は楽に見えるかもしれないが、結局は何もかも自分に返ってくる。相手がどんなに自分に惚れていても、自分が相手に惚れていないなら元も子もない。好きでもない人と交際すればお互いの時間を無駄にして、結局同じように傷付いてしまう。深い落とし穴にはまってさらに深い傷を負うこともある。

 

叶わない恋が続いて落ち込んでいた頃、同じように独身にうんざりしている人と出会った。一緒にいれば楽しかったが、彼に惚れていないのは明らかだった。きっと彼も同じように自分を思っていたのだろう。そんな友達以上恋人未満な関係を続けながら、駆け引きばかりに夢中になっていた。居心地の良さという誘惑に負けて、彼と交際することも真剣に考えた日もあった。恋をして楽になりたかったのだろう。そうすれば幸せになれると本気で勘違いしていた。彼も同じように流れに押されて、好きでもないのに自分と恋人になるところだった。

 

ラッキーなことに、その人は急に運命の人と出会って自分はフラれた。いきなりのことに頭に来たが、ホッとした部分もあった。あのまま交際をしていたら、きっとお互いに苦しい思いをするとわかっていた。その経験から学んで、周りに流されて好きでもない人と恋愛をしないと心に決めた。見え見えの落とし穴にはまるくらいなら、素直に当たって砕けた方が後悔がないし、傷も浅くて済む。それを忘れそうになった日は、「愛されるより愛したい真剣(マジ)で」というKinKi Kidsのナウい名言を思い出すことにしている。

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