Vol.5 セクシャルマイノリティという『個性』を『武器』に

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2016年、夏の残暑を超えつつ台風に耐えながら秋の紅葉への道をたどる今日この頃、私はオリンピックの熱が抜けて、来るハロウィンに思いを馳せています。みなさんはいかがでしょうか?
さて、今回はそんな秋の季節に誕生日を迎える一人の可憐なアイドルをご紹介します。
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メンバー全員がニューハーフという、アイドル界に新たな旋風を巻き起こしているアイドルグループ「カマちゃん倶楽部」のキャプテンにしてソロでの活動にも精を出す、話題沸騰のこの人……美広まりなさんです。
今回は彼女のルーツやアイドル活動の原動力の源などをお届けしますのでファンの皆さん、更にはこれからアイドルを目指すニューハーフのアイドルの卵ちゃん達は要チェックです!
そんな彼女とのインタビューをご覧ください。
ヘス:改めまして、まりなさんこんにちわ!
美広まりな(以下まりな):よろしくヘス〜! この前はごちそうさまでした〜!
ヘス:いえいえ、とても貴重なお食事会でした!またよろしくお願いします。本日は打って変わって、真面目な打ち合わせなんです。まりなさんの生い立ちや人生観などをお聞かせいただいて、世のセクシャルマイノリティの方々へ何かアウトプットできればと今日は期待しております。
まりな:光栄です! 自分に何ができるのかわからないのですが、よろしくお願いします!
ヘス:ではまず、まりなさんの生い立ちを聞かせていただけますか?
まりな:私は東京生まれで、育ちも東京でした! 自分の性別違和の視点からお話するのであれば、昔から男の子の集団には溶け込めなかったです。何て言えばいいのか……自然に、ごくごく単純に女の子と遊んでるのが違和感なくて。でもそんな風に何も感じなかったのは小学生ぐらいまでした。中高生ぐらいになってからは成長も著しく、精神的にも肉体的にも男女に分けられていく中で違和感を感じていきましたねー。
ヘス:まりなさんの性別における位置付けはどこだったんでしょうか?
まりな:自分の性別への疑問は解消されなくて……でもなんとなく感じていたのは、その時テレビで活躍していたオネェタレントさんを見る時でした。自分は「この人たちと同じ選別なんじゃなのかな?」とかやんわり感じて、でも断定もできなくて。
ヘス:家族との関わりはどうだったんでしょうか?
まりな:親にも言えなかったです。「私どっちもいけるかも〜!」とか、おどけてごまかしてましたね(笑)。その時自分自身には女の子っぽくなっちゃだめ!男っぽく生きるんだ! とか言い聞かせて、見た目も髪を短髪にしたり……。
ヘス:そうまでして無理をすると精神的にも辛かったんじゃないですか?
まりな:そうなんですー! やれるところまではやったんですけど隠してることにも限界があって……学校行けなくなっちゃいましたね。人間関係がうまくいかなくて高校もたくさん転校したんです。さっき話したみたいに無理して合わせるのは上手かったんですけどね……私、背が高いこともあってモテてしまうこともあったんですけど、やっぱり女の子と恋愛が絡むと疲れるから、そこから逃げるようにコミュニティを変えることが、結局高校を転校することに繋がっちゃっていましたね。
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ヘス:その後は?
まりな:高校卒業後は大好きな音楽にもっともっと夢中になって、シンガーソングライターとフリーターの掛け持ちでした。仕事に音楽とバタバタいろいろやってたある日、はるな愛さんがテレビで松浦亜弥さんのモノマネでテレビに出てたのを見て衝撃が走ったんです。今までの何かわからない欲求が弾けたんです。今でも覚えてるんですけど、その次の日にバイトを辞めました。
ヘス:相当な衝撃だったんでしょうね……。バイトを辞めたのは理由があったんですか?
まりな:バイトを辞めたその次の日にエクステつけてお化粧をして、それまでに生きてきた人間関係を全て断ち切って新宿の水商売のお店に面接に来ました。
ヘス:つまり女性として生きる決意をした日なんですね。音楽とはどのように関わって今に至るんですか?
まりな:今のアイドル活動のルーツは大好きなモーニング娘。さんです。その時に同じく思ったのが、どうせ音楽活動するなら自分のやりたい音楽をとことんやりたい!そう思ってそこからはアイドルを始めるべく、「地下5Fアイドル」と自分を名乗って活動してました。
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ヘス:ソロ活動が先だったんですね。
まりな:そうですよ! カマちゃん倶楽部が始まったのもここ1、2年で、きっかけはたけうち亜美ちゃんから相談されたことですね。「アイドルグループの話があるんだけど、アイドルやったことないし、まりにゃんもカマちゃん倶楽部に加入して、みんなで力を合わせて活動しない?」私も「これはチャレンジ……だけど、やりたいことだからやってみよう!」って思えたで快く引き受けました!
ヘス:まりなさんや亜美ちゃんたちのパーソナリティが混じりあって大きく動き出したんですね。アイドル活動と言ってもとても過酷なことも多いかと思いますが、苦労話なんかも聞かせていただけませんか?
まりな:アイドルをやらせてもらえるなんで、光栄でしたがすごく気負っちゃってメンバーと衝突しまくりました(笑)。でも最初はライブの怖さとか、それに向ける熱の入れ方とか……それぞれのメンバーの目指すアイドル像の違いだったり思ったよりも課題が多くて歯がゆかったです。
ヘス:特にどういった所が歯がゆかったのでしょう?
まりな:振り付けも全員の息が合わなかったり、歌詞覚えてないとか……充実していた反面見えていなかった問題点が浮き彫りになりました! 確かにニューハーフにもプライドがあって、急にアイドルの切り替えなんてできないでしょうけど、そこでかなりメンバーと衝突しましたね。
ヘス:それを乗り越えて今のメンバーはまりなさんをはじめ、みなさんで一致団結して頑張っているんですね。
まりな:みんなもそれを乗り越える事が大変だったと思います。仕事柄、水商売されているニューハーフさんは恵まれてたり金銭的に余裕がある方も多いし、メディアとしての世間からの認知があるからだと思うのですが、ニューハーフの働くお店でも、お客さんがニューハーフを求めて来てくれださる方がたくさんいて…今までやってきた先輩方のおかげなんです。でも地下アイドル業界は別で、汚い場所で急いで着替えたり、扱いも決して良いものだとは言えません。それに、本当にアイドル活動はお金にならないし、出演するイベントでも認知を広めるために日々日々PR活動に奔走する毎日で……。今のニューハーフが働いている環境に比べて地下アイドル業界ってまだまだ認めてもらいずらいのが現状なんです。
ヘス:アイドルと言う、いばらの道を歩いているところですが、いろいろな経験をしていく中で特に印象的だった瞬間を教えて下さい。
まりな:どうしてもアイドルを続けてて「これでいいのかな?」みたいな瞬間が、やっぱりふとした時にやってくるんです。活動を続けていく中で結果が伴わない時とか、歯痒さもありますが何よりそれでも応援してくれるファンの方にいつか「応援してよかった!」って思ってもらえるために今もこうして頑張っています。辛い時、負けそうな時、観客の中にいる自分のカラーの黄色のサイリウムを振って「まりなー!」って声をかけてくれるファンの方を見る…まさにその瞬間が、自分にファンの方がいることを実感できて、それのために頑張れる! って感じですね。あと、心の狭い私を許してほしいのですが、キャプテンとして一生懸命他のメンバーを引っ張る中でみんなが輝いてくれるのも嬉しいんだけど、私もやっぱり褒められたいところがあって。他のメンバーのファンの方の数の方がたくさんいる時は嬉しい気持ちと、「私も見てー!」って悔しい気持ちの時もあります。(笑)
ヘス:影で支えてる部分もまりなさんには多くあると思いますが、ファンの方は絶対見てくれていると思いますよ。それをひっくるめてまりなさんなんですから!そんなまりなさんのアイドルとしての夢を教えて下さい。
まりな:地下アイドルとして現在、活動できている時点で幸せということがまず夢の土台にあります。それ以上を求めるのも大事ですが、目の前にファンの方がいて、そのファンの方を悲しませない存在でいたいです。欲張りな夢も一つあって、日比谷野外音楽堂というライブ会場があるのですが、私にとって昔から憧れている場所なんです。そこでアイドルとしてワンマンライブができたら、美広まりなが地下アイドルとして自分を成り立たせたんじゃないかなと思うので、何があってもそこでライブをやる夢を叶えたいです。
ヘス:夢に向かっていく姿勢はきっとこれをご覧になっているファンの方や興味を持ってくださっている方に勇気を与えます。最後に、まりなさんからファンや悩みを抱えるLGBTの皆さんにメッセージをどうぞ。
まりな:はい、私はアイドルとして、毎日一生懸命やっていきます。なんでやるのかというと、アイドル業界にもニューハーフのアイデンティティーを残すことで、後輩…つまりこれからのニューハーフ達がアイドルを目指すことができる勇気やきっかけを与えられるように、まだあまり存在しないニューハーフアイドルというジャンルが、ニューハーフの活躍する場として確立していければいいなとこれからも努力したいです。応援よろしくお願いします。
ヘス:素晴らしいです。これからもまりなさんの活動と成功をひたすら願っております!
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10月10日は彼女主催のビッグイベント「美広まりな地獄生誕祭」が開催されます。私ももちろん見に行くのですが、大盛り上がり間違いナシですので、気になる方はチケットをまりなさんのHPなどからご購入ください!チケットはなんと彼女の手作りで愛情たっぷりです!
そんなソロ活動でも精を出す彼女の、グループとしての活動であるカマちゃん倶楽部も現在新メンバーを募集しており、新たな風を取り入れて更に大きな台風になるでしょう!メンバーである如月リリアちゃん、たけうち亜美ちゃんと3人が繰り広げるステージにもぜひ足を運んでください!
彼女の言葉ですごく感銘を受けた言葉があります。
「ニューハーフって実はアイドルとしてオイシイんです。ニューハーフがアイドルの時点で面白くて、みんな興味持ってくれるし強みになるんです。しかも40歳を迎えても、40のニューハーフがアイドルやってるなんて更に面白いですよね……私は歳を重ねても進化できるだ! って思えるんです。これは女の子のアイドルでは持てない強み。ニューハーフは悩みではなくて、武器にもなるんです」
私はLGBTで悩んでいる方々にこの言葉を捧げたいです。武器にもなりうる私たちのセクシャルマイノリティという『個性』を『武器』として考えるのも自分を勇気づけることができるのではないしょうか?
 2016/10/02 02:09    Comment  コラム   ヘス サロン              
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