第67回 三度目のセックスは炭酸の抜けたソーダ

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誰かと初めてセックスをするのは新鮮でワクワクする。お互いのことをよく知らないからこそ味わえるスリルがあるから刺激的に味付けだ。相手の好き嫌いを見つけながら、いろんなことを試すこともできる。良いサプライズも、悪いサプライズも、思い出の一ページに刻まれる。このセックスは可能性に満ちている。相手との関係がどう発展するのかわからないことが何より素敵だ。もしかしたら親友になるかもしれないし、恋人になるかもしれない。赤の他人になることがほとんどだが、そこは都合良く忘れておこう。

 

その人と二度目のセックスをするのも悪くはない。相手の好みをある程度把握しているので、前回よりスムーズにセックスが進む。スリルは薄れたかもしれないが、安心感が増えたおかげでリラックスしてセックスを楽しめる。サプライズはもう残っていないと思えば、余裕ができたおかげでお互いの深い一面を垣間見れたりすることもある。既にセックスをした後だから、相手との将来的な関係もある程度予想できる。楽しめないわけではないが、二度目は記憶に残らないセックスになってしまうことが多い。

 

三度目のセックスはマンネリそのものである。自慢のテクニックは一通り披露したので、以前に通用した同じ工程をつい繰り返してしまう。サプライズに出会えば、喜ぶどころか予定が狂ったとイライラが募る。人間とは保守的な生き物だ。さらに安心できたおかげで、リラックスしすぎてまるで緊張感がなくなってしまう。相手が前回より盛り上がっていないのが伝わってくるから、自分のテンションも下がって、負のスパイラルに入ることもある。変態プレイやセクシーコスチュームを導入してもなかなか新鮮さを取り戻せない。そうやって炭酸の抜けたソーダみたいなセックスと化してしまう。

 

もちろん、これは自分の経験でしかない。三度目で飽きてしまう癖を友達に打ち明けると同意してくれる人が意外といる。二回目のセックスでマンネリ化する人もいれば、五回目のセックスまでワクワクを維持できる人もいる。しかし、セックスを重ねる度に情熱が冷めてしまうのはみんな同じようだ。常に新しい人を求めてしまうのは動物的な生殖本能の仕業なのだろうか。それとも、新商品ばかり発売するマテリアルワールドに生きているから乗り換えたい衝動に駆られるのだろうか。本当のところはわからないが、自分が飽きやすい性格なのは間違いない。ところが、皮肉なことに飽きてはいけないという圧力を感じることも珍しくない。

 

「取っ替え引っ替えにセックスしてたら、生涯のパートナーなんて見つからないよ」

 

こんな忠告をもらうと世間の価値観からちょっとズレていると実感させられる。運命の相手を見つけて、その人とずっと恋愛関係を維持して、家庭を築いて、セックスもし続けるなんて現実的だとは思えない。生涯のパートナーを見つけたとして、その人に全てを満たしてもらうつもりはない。長年連れ添ったパートナーにいつまでも刺激的で情熱的なセックスを期待するのは少し残酷である。自宅の冷蔵庫にある炭酸の抜けたソーダを飲みつつ、たまにはコンビニで買ったキンキンに冷えたシュワシュワーなソーダも飲みたい。どちらかがより優れているわけではない。炭酸の抜けたソーダだって喉に優しくて、違う魅力がある。それを選べる自由が大好きなのだ。

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