性別を変えて14年が経ちました

 Comment  コラム   さつきぽん              

こんにちは、さつきぽんです。

 

実は最近、腰まで伸ばしていた髪の毛をバッサリ切りました。性別を女性へ変えて以来、ここまで短くしたのは初めてです。

 

仕事の変化とか、心境の変化とか、まぁ色々あるのですが今はとっても気分がサッパリしています。

 

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撮影:山岸悠太郎氏

 

性別を変え始めてから14年が経ちました。16歳から始めたホルモン治療。月日が流れるのは思っていた以上に早く、この14年間という人生の約半分の時間は、私にとってある意味貴重な時間でした。

 

性別を変え始めた14年前当時は、トランスジェンダーなんて言葉はなく、性同一性障害という概念もまだ浸透していなくて、私のような人種は「オカマ」と呼ばれて気味悪がられ、差別や偏見の対象となっていました。

 

差別と表現すると何だか被害妄想たっぷりな解釈のように取られてしまうかもしれませんね。ただ14年も前だと時代背景も全く違ったので、仕方がない事だったと今では理解しています。

 

差別というものは人間が存在する限り必ず起きてしまうというのが私の持論です。それは、人間が弱いから。人間は弱いから、「自分と違うもの」を恐れ差別するのです。もしそうでないと言うのであれば、いじめで自殺する子や、肌の色に苦しむ人もいないはずです。

 

もともと私の性格は、とても臆病者です。それは今でもあまり変わっていません。だから、性別を本気で変えようと決意した時は、毎晩ふとんの中で震えていた記憶があります。なぜこんなに涙が出てくるのかも理解できずに、外に出られず、とにかく人に怯えていました。

 

「もしかしたら私は生涯、皆に気味悪がられて人生を終えることになるかもしれない……」そんな考えが一時も頭から離れず、自分の今後の人生なんて全く想像できずにいました。

 

そんなに怖がるなら性別を変えなければいいのに、と思う方もいるかもしれませんね。ただ、理屈ではない何かに動かされて性別を変えたのだと思います。

 

あえて表現するなら、それは「心」かもしれません。

 

大学での専攻が心理学ということもあったせいか、私は人の心に人一倍敏感だと思います。また性同一性障害というのは「心と身体の性別が一致しない状態」ということもあり、私たちトランスジェンダーは自分たちの心と向き合う時間が通常の人よりもはるかに長いです。

 

私が長くこの業界にいて感じていることとして、トランスジェンダーの多くは、繊細で、傷つきやすく、弱く、通常の人では何とも思わないような言葉に深く傷ついてしまったりします。

 

ただ、そのぶん人の痛みにも敏感です。少なくとも人を見た目で判断することは少ないでしょう。自分たちがされて嫌なことは、しないのです。

 

この14年という時間は、自分にとっては大変有意義な時間だったと今では思えます。弱者の叫び、強者の慢心、何があっても貫き通す信念、そういったようなことを自分に教えてくれた気がします。

 

実はいま私、とっても幸せなんです。

 

生まれながらの女性じゃないからとか、人と違う身体だからとか、昔あれだけ悩んでいたのに不思議とそういう辛さがほとんど無くなったのです。

 

「生まれながらの普通の女性」にずっと憧れていたのですが、今では自身の「トランスジェンダーという性別」ですら何だか愛せるような気がします。

 

どうしてこんな心境になったのか、自分でも良くわかりません。昔は想像もしていませんでした。

 

ただ、ホルモン治療や性別適合手術などやれることは最大限やって、走りきって、気が付いたら周りに色んな仲間たちがいたからかもしれません。

 

どんなことにも意味がある、とよく聞きます。私もその考え方には賛成です。私のこの身体にも何か意味があったのでしょう。

 

もしこの文章を読んでいるあなたが「普通の人とは違う」ということに悩んでいたとしても、きっと大丈夫。

 

なぜならそれは、あなたが「普通の人とは違う幸せを持っている」ということに過ぎないのだから。

 

だから顔をあげましょう。前を向きましょう。夢を持ちましょう。

 

どんな人生でも、生きててよかったと思える日は必ず来ると思います。

 2016/10/25 07:00    Comment  コラム   さつきぽん              
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