祝✩ゲイが愛人デビューの巻

人生の岐路に立った時、輝かしい未来が待っているそんな瞬間が一瞬で崩れることがある。希望と夢で満ちていた小さな筆箱と、唯一の友達だったi Podが、しばし私を苦しめる。諦めたハズの夢だ。もうあんな路頭に迷った人生を送りたくない! と思いながらも、もしまだ自分が若かったら、もう1度チャンスに掛けてみるのだ! としばし眠れぬ夜に思ったりする。きっとこんな愚行に出るのは、現状に不安を抱えているからなのだろう。今なにをやるべきで、そしてどんな目標を今立てなければならないのか。目に見えぬ明日こそが不安の源な訳だが、そんな時に思い出すのが二丁目時代。

 

ただ若さと自分のルックスだけがあれば、お金を稼げた。一日15時間労働だって、毎日こなせた。ゲイだからこその仕事かも知れないが、夢を叶える為に必死だったあの頃。無我夢中でオッサンの相手をしながら、自分が描いた輝かしい未来を追いかけたあの瞬間はもう戻らない。

 

最近2丁目時代のゲイ友がある妙案を思いついたそう。彼とはもう長い付き合いになるが、イケメンで仕事も出来て、そして♀にもモテる。人が望む物を色々と兼ね備えた彼が、唯一手に入れることができないもの。それこそが男(彼氏)である。ただ単に運がなかっただけだよ、と肩を叩いても彼からはため息が溢れるばかり。なんでも彼は私の人生模様を覗きみたせいで、海外生活に憧れ外人彼氏を切望しているようだ。そんな年上ゲイ転がし、男娼もどきの人生を歩んだ自分を参考にされても困るのだが……。

 

留学したい! 海外に住みたい! カッコイイ男とセックスして、金持ちのゲイと結婚したい! これが彼の夢に見る海外生活だそう。まあ俗に言うグローバリズムや海外への好奇心が彼を突き動かしているのだろうが、海外で学校に行ったり、生活するのって意外とお金がかかるし大変なのよ。

 

知ってか知らずか、ある日得意気に海外のHPを見せつける彼。どれどれ、と思い腰を上げて見てみるとセクシーな半裸の男性が……なんだポルノサイトじゃん、と思ったけれど、よーく見てみるとSugar Daddyの2文字。ああ、つまり彼は愛人になるべく金持ちのおじさんを見つけて、留学費用に生活費を捻出したいようだ。あわよくば就職活動の斡旋や、ビザの手配も……とかなりのオネダリ上手。まあ私自身もルーマニアでタクシー強盗にあった時、優しいゲイに助けて貰ったことがあるので、彼の気持ちはナンダカンダ分かるけど。

 

しばし自称処女のパツキン美人が、学費援助を条件に自分に値段を付けてオークションに……などヤフーニュースの一面を飾る時代だ。いつも「よくこんなこと思いつくなあ」と関心しながら、もしかしたら幸せの片鱗は思いもよらぬアイデアの向こうに転がっているのかもね、なんて思う訳だ。

 

そういえばLady Gagaも売れない時代はストリップバーで歌ったり踊ったりしていたしなあ。あんな有名人にこんな芸能人が、若さに身体を武器にのし上がってきた事実がある。それなりの、いや多分誰もが想像を絶するような困難や葛藤が訪れては、それを乗り越える無骨な精神力も必要だったのだろう。しかしだ、もしそれを兼ね備えていなければ、日銭を稼ぐ娼婦にしかなりえない。言わばイチかバチかのギャンブルみたいなもの。

 

スペイン語で売春婦はPutaといい、人を中傷したりする言葉の第一優先単語として、それはそれは頻繁に利用される。彼が単なるPutaになるのか、それとも成功と夢を掴むことができるのかは未知数だ。

 

ゲイの寿命は短い。一瞬で散りゆく赤く、刺が刺さる一輪の薔薇のよう。五万といる超絶イケメンボーイと肩を合わせて写真をサイトに投稿する彼は、うーん……どちらかというと既に枯れかかったバラ。(でもまあ腐りかけが一番美味しいらしいので……)

 

彼は初海外留学と共に、愛人デビューする予定だ。ワクワクとドキドキでいっぱいの彼を見ていると、数年前の白線外して歩いた自分を見ているよう。不安定な毎日に不安になる日々、安定な毎日にあぐらをかく日々。どちらが幸せか……多分、きっと後者?でも不安定な毎日を賢明に手探りで生きる日々こそが、安定した未来に繋がる近道なんだと勝手に思ったりもするのだ。

 

彼が下したSugar Daddyを探すという旅路。不慣れで滅茶苦茶な文法の英文自己紹介を投稿した彼だが、なかなか理想の相手からはお誘いがこないそう。(イケメンで50代位の優しい人がいいらしい←絶対無理)30過ぎの彼が今更提案した妙案は、困難だが面白い挑戦になってくるのだろうと期待してワクワク。

 

人の価値観に倫理観、そんな足元を縛る呪縛に囚われない生き方、私は正直愛してやまない。ということで今月北米に向けて出発する彼へ花むけの言葉として、大量のコンドーム(スペイン製の超薄のやつ)とベッドで使用できるセクシー英単語帳をプレゼントするつもりである。ふう、類は友を呼ぶってヤツか。汗

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