第74回 クリスマスのサバイバル術

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クリスマスはキラキラして綺麗だが、残酷な季節でもある。外を歩けばラブラブなカップルだらけで、テレビをつければ幸せそうな家族の映像ばかり。この時期は一人で出歩くのも恐ろしい。薄暗い部屋でカップラーメンを一人で食べながら、嫌でも幸せそうな他人と自分を比べてしまう。イルミネーションの美しい輝きでさえ鬱陶しく感じる。下手すれば12月はずっとそんな調子なので、身にも心にもダメージが募る。

 

「こんな辛い季節をどう乗り切ればいいの?」

 

もちろん、サバイバル術がないわけではない。例えば、自分と他人を比べないというシンプルな生き方がある。しかし、それを実行に移すのは難しい。いくら比べないように努めても、目の前に他人の幸せを四六時中ちらつかせれば比較をしてしまう。目を逸らそうと思ってもなかなかできない。そんな時はできるだけ自分の好きなことに時間を費やすようにしている。美味しそうなレシピに挑戦するのもいい。忙しくて読めずにいた本を読むのもいい。ど変態なポルノを大音量で見てもいい。人生を充実させてくれることに夢中になれば、自然と周りの雑音は聞こえなくなる。自分を他人を比べる暇さえなくなるはずだ。

 

それでもなかなか孤独感から逃げられないという人もいる。ところが、恋人や家族がその孤独感を消し去ってくれるわけではない。どんなに周りに人がいようと人間は寂しがりな生き物だ。生まれてから死ぬまで、その孤独感は付きまとう。手を繋いで歩くカップルも、テーブルを囲んで楽しそうな家族も、みんな心の中に孤独感を抱えている。恋愛をすることでその寂しさが和らぐと期待しては、現実に裏切られてもっと寂しくなる。孤独感から逃げられないならば、逃げることをやめて、その感情と友達になった方がずっと楽である。

 

そして、忙しい師走だからこそ自分に優しくなりたい。厳しい社会の中でタフに生きていると自分を思いやることをつい忘れてしまう。クリスマスだからって無理に楽しくなることはない。周りに合わせるために自分の感情をかき消す必要もない。過去の失敗や後悔を思い出して自分を責めてもいいが、ここまで頑張ってこれた自分も祝福しよう。疲れたなら休んで、もっと時間が必要ならゆっくり前に進めばいい。いつも周りばかり気にかけているなら、ちょっとわがままになったってバチには当たらない。いっそのこと罪悪感とも仲良くなればいい。そうやって自分だけのバランスを見つけることができれば、クリスマスもへっちゃらだ。

 

北米に住んでいるとクリスマスは特大セールの季節だ。ウィンドウショッピングしつつ無い物ねだりばかりしてしまう。必要なものはもう既に揃っているのに、セール価格の新製品が欲しくなる。そんな時は深呼吸をして、自分自身にとって何が大切か今一度考えることにしている。そうすることで、喉から手が出るほど欲しいと思っていたものにそこまでの価値がないと気付く。不思議だ。この季節は自分を見失いやすい時期なのかもしれない。降り積もる雪でも眺めながら初心に帰りたい。

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