第81回 人の性癖を笑うな

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セックスの最中に馴染みのないリクエストをされることがたまにある。オムツを履いておもらしをしてほしい。寝たふりをしてほしい。洗ってない下着を履いてほしい。全身ツルツルになってほしい。思いっきり殴ってほしい。そんな唐突なリクエストたちにショックを受けることもあるが、もう焦ることはなくなった。応えられるリクエストなら「YES」、応えられないリクエストなら「NO」、応えられるかどうかわからないなら「NO」と言えばいいだけである。無理して相手の性癖に合わせる必要はない。

 

一方で、「セックスの最中の変なリクエスト」は人気の高い話題でもある。週末に友達とカフェで集まれば、奇抜な経験談をシェアすることに夢中になって笑いが絶えない。「うそーっ!」「気持ち悪い!」「最悪!」そんな言葉たちが飛び交う中で、ノーマルなセックスとアブノーマルなセックスの間にある溝がどんどん深くなっていく。そんな空間にいると、自分のセックスもノーマルでなければならないというプレッシャーを感じる。ただの雑談にも関わらず、ちょっと違うとされるセックスにネガティブなレッテルを山ほど貼ってしまった。

 

友達の間に限らず、そんなネガティブなレッテルは社会に溢れている。例えば、アブノーマルとされるセックスはメディアの中で奇怪なものや危険なものとして描かれることが多い。変質者や殺人鬼はなぜか決まってアブノーマルな性癖を持つ設定になっている。この陳腐なステレオタイプは今でも繰り返し使われている。そんな描写を目にする度に、多様な性癖の居場所がどんどん狭くなっていくのを身を以て感じる。そんなレッテルによって生じる圧力のせいで、自分の好きなセックスに素直になれない人ばかりが増えていく。

 

今まで様々なセックスを経験してきたが、自信を持って言えるのはまったく同じセックスはないということだ。セックスをどう経験するかは人によって大きく異なってくる。物理的な刺激でセックスを楽しむ人もいれば、妄想やファンタジーの中でセックスを感じる人もいる。ビジュアルなことで興奮する人もいれば、他の感覚を使ってセックスを体感する人もいる。もちろん、白黒ハッキリ分かれているシンプルなものではなくて、複雑に入り組んだものだ。そこにノーマルとアブノーマル、善と悪、気持ちいいと気持ち悪いというものさしを押し付ける意味はない。

 

セックスをしている最中、自分のしたいセックスがノーマルの域をはみ出すことを心配せずに、好きなことを好きだと素直に言いたい。そんな簡単なことをできるようになるまで随分時間と労力がかかった。この広い世界には多様なセックスを受け入れるスペースが有り余るほどある。自分のセックスを否定する必要はないし、他人の性癖を否定する必要もない。だから、最近変わった性癖をからかう友人を冷静に注意するようになった。

 

「人の性癖を笑うな!」

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