第45回 パリに住んでる恋人たちは いつでも表通りで普通にくちづけるって

コマンタレブゥー。

「ごきげんよう」って意味です。

シャワ浣を失敗して、最中に水漏れ事故が起こった時などに、

ぜひフランスの貴婦人風に囁いてみてください。

きっと気まずい雰囲気が和みますよ。

さて、今回はそんなおフランスの話題。(どんなおフランスや)

当連載オバザレでは、

2012年に考えてみたカミングアウト問題に続き、

今年は世界じゅうでホットなトピックになっている「同性婚」について書いてみる予定だとお伝えしましたが、

フランスでは最近、まさにその件で国が大揺れになっていたのです。

フランスで同性婚反対デモ、数十万人参加

http://www.cnn.co.jp/world/35026850.html

シェーッ!!

おフランスのシンボル、エッフェル塔周辺に数十万人が集まって

同性婚への「反対」デモざんすよ!

日本では、万人単位の反対デモってそうそう起こりませんよね。

同性婚が放射能でも出すっていうのかしら…。

これだけ聞くと、まるでフランスは、日本より同性愛者への権利が認められてない国なのかと思ってしまいますが、そういうわけではないんです。

今から14年も前の、とっくのとうに、

パックス(PACS 連帯民事契約)

とよばれるパートナー法が成立してるんですね。

実は、「同性婚」って言葉がややこしいのは、

既存の男女の婚姻を、同性にもできるようにしてしまうタイプのものと、

それとは別に、同性パートナーに必要な保障を法的に認めるタイプのもの、

どちらをも含んで使われがちなところ。

タチって言葉が、

能動的に相手を攻めるって意味と、挿入する側って意味と、両方あるせいで、「おら! お前のチ○ポ、俺のマ○コに入れちまうぞ!」などと能動的に挿入される人はなんて言えばいいのか分からないように(死語オラネコ)、

その意味の広さが、混乱や誤解を招いている面があります。

歴史ある婚姻制度を破壊するなんてもってのほかだと思われたり、

逆に既存の婚姻制度自体に疑問を持つ人々にとっては「そんな制度に乗っかる必要はない」と思われたりして、

「同性婚」という言葉への拒否反応を生んだりもしていますが、

世界には婚姻とは別立ての同性パートナー法もとても多いんです。

さらに、パックスがおもしろいのは、

婚姻ほど堅苦しくないパートナー関係の保障として、

同性・異性問わずに利用できるものであるところ。

その結果、もともと作られた動機は、主に同性パートナーへの保障だったのに、

異性の事実婚カップルにも人気の契約となって、

最近では、フランスの男女カップルは、婚姻を選ぶ人とパックスを選ぶ人がほぼ「半々」という事態にまでなっていたのでした。

ちなみに、全パックスカップルにおける同性カップルの割合はたったの5%弱という状態。嗚呼。

「ゲイが使ってる軽めのカップル法のほうが、うちらのカジュアルな関係には向いてね?」くらいに思う、ストレートカップルがそんなに多かったなんて、フランスのノンケたちったら、おユルいのねぇ。

余談ですが、「フレンチ・キス」って単語。

あれ、なぜか日本では、唇と唇が触れ合うくらいのかわいいキスだと勘違いしてる人がすごく多いですね。

全然違うわよ!

フレンチ・キスってのは、舌と舌を絡め合う濃厚でディープなキスですからね。

そう、アタシが大好きなやつだよ!(聞いてない)

イケズな英国人が「フランスのやつらって、ネットリしたエグいキスしそうだよねー」ってんで、生まれた言葉なんだとか。いい由来…。

というわけで、ゆきりん率いるAKB48の派生アイドル・ユニット「フレンチ・キス」も、

本当はジュップジュプなかんじだってことです。

 

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先日、バビ江さんのお店で、酔って隣の客にキスをするアタシを観て、

バビ江さんに「うわっ、ブルさんのキス顔、汚い!」と言われたので、すかさず

「気取ったキスなんてしてられねえんだよッ!」と言い返したのを思い出します。

ゆきりん、アタシもこんな顔してフレンス・キスやってるからね!

閑話休題。

というわけで、フランスの同性パートナーは、パックスによって、ある程度の保障を受けていたわけです。

ただしライト版なだけに、相続や保護がじゅうぶんではなく、養子縁組もできなかったため、その権利を欲する同性カップルからの要求で、周辺諸国にも増えている、婚姻と同等の権利も求める声が高まっていたというわけです。

14年前のパックス法制定の時にも、宗教団体をはじめとする保守派の反発はすさまじかったようですが、今回はそれ以上でした。

しかし、法案を提出したフランスのトビラ法務大臣は、「平等」と「自由」の精神を強調。結婚制度は大革命中の1791年憲法以来、宗教儀式とは関係のない「民事契約」であると、30分近くの演説を行ったのです。

結果、

同性婚の権利認める法案、フランス下院を通過

http://www.cnn.co.jp/world/35028163.html

と、反対派も根強い中で、進みつつあるフランスの同性婚事情なのでした。

対して、日本では、婚姻と同等どころか、パートナー法案が提出されることもなく、

それらがまともな論争にすらなっていないのが現状。

先日のオバマさんの同性愛に関するスピーチですら、大手メディアでは黙殺ぎみでしたしね。

フランスと日本は、映画の好みなどをはじめ、文化的に通じていると言われることも多い関係ですが、

こと同性パートナーの法的保障に関しては、15年以上の遅れがあるようです。

んー。

まずは、フレンチ・キスから初めてみますか。

アタシがおフランスの風を口からジュルジュル送り込んでやるよ!

(ひどい締め)

パリに住んでる恋人たちは

いつでも愛の言葉を

照れずに甘く囁く

とても無口なあなたは

Uh 私を見つめるだけ

それはそれで嬉しいけどね

『パリの恋人/トーキョーの恋人』

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