ボーダーライン 第7話

“I wanna eat you.”
この語幹はJが教えてくれたんだ。
“君を食べたい。”
心を溶け合わせたなら、体も溶け合わせたい。
SEXは食べることに似ている。
快楽って素直で愉しいものなんだ。
だからアタシは初めて味わう触感に真剣に心を砕く。
“アタシは彼女を食べたい。”

33_1

パンツを下げられて優しくスイッチを撫で回されているだけで、
濡れた滴が太ももを下りて行く。
クルマのハンドルを握っていた彼女の手、
ワイングラスを優雅に弄んでいたあの指先が卑猥に蠢いている。

そう想った瞬間、ひざを揺らして痙攣した。
尖ったスイッチが痺れている。

「良い子ね。」
そう言って微笑む彼女のシャツを脱がせる。
「早くこうしたかった。」
海と太陽のにおい。それはどんな香水よりもアタシを狂わせる。

唇を離す度、ふたりのため息が洩れる。
切ない。この時ほど切ないと感じたことは他にない。
快楽のインターバル。

上質のシルクのブラが均整の取れたデコルテラインを際立たせている。
「マユさん綺麗。このままずっと見ていたい。」
そんな熱心な生徒を挑発するように見つめながら、彼女はブラを外した。
釣鐘型をしている形の良い乳房に見惚れた。
「本当に綺麗…。」舌を這わせながら彼女を押し倒す。

「ウフフ。」
彼女は近くの椅子にかかっていた大判のブランケットに手を伸ばしてそれを広げ、
上になっているアタシごと包み込んだ。
唇を重ね合わせては笑い、床を転がるとブランケットが敷かれた。

彼女が麻のパンツを脱ぎながら脚を絡ませて来た。
肩甲骨、首筋、背骨、その美しい骨をなぞる。
下着の上からでも分かる程、彼女の脚の間も濡れていた。

そこに直接触れようとして、一瞬躊躇した。

どうやったら彼女を気持ち良く出来るんだ?
まさに初体験。でも引く気なんてない。

33_2

「やってみて。」
それを察したように彼女はその小さな下着を脱ぎ捨て、アタシの手を取りそこに導いた。
彼女の脚の間を慎重に撫でながら、気持ち良い場所を探り当てて行くことに没頭する。
アタシはいつも男の子を相手に同じことをしてきた。
ピストルのように解りやすく起立した性器に欲情するのと何が違うのか良く解らない。

ただ解るのは、アタシは馴染みのある性器に欲情しているということ。

「直接舐めてごらん…。」彼女がため息交じりに言った。
目の前に広げられたそれをマジマジと見る。

曼荼羅みたい。

Top