映画レビュー:『EDEN』

 Comment  レビュー   EDEN  映画              

I am free to be, what I want to be ‘N all what I want to be, is a …
ひとりのニューハーフの死、その遺体の家族の引取拒否、そしてニューハーフの同僚たちがもう一度遺体を家族の元へ送り届ける…って大変局所的な(って我々ですけども)マーケットを狙った映画『EDEN』が完成!私たちLGBTにとっては、有り難いテーマを取り上げて頂いたのですが、興収がとっても心配…だけど大成功して欲しい作品!ということで2CHOPOでも盛り上げちゃいますよ〜っ!

290_1

まずはキャストからご紹介。主人公のショー演出家・ミロ役には、過去にもゲイ役を何度かこなされてきた山本太郎(相変わらずの筋肉美!メロリンQ〜ッ!最近は、脱原発アクティビストからの衆院選立候補!)さん、そしてどっからどう見てもDJ MONDO先生にしか見えなかった、ヒゲ女装のエルメス役には高橋和也(タイムゾーン!)さん、この二人が働くショーパブのオーナーに高岡早紀(おさらばえ〜)さん、死んじゃったニューハーフのノリピー(贖罪ではなく)の母親役には藤田弓子さん!と皆様ご存知の俳優さんたちが、私たちの新宿2丁目を舞台にした物語を展開してくれるのです!もちろん新宿2丁目でのロケも行っており、劇中にはお馴染みの場所がチラホラ登場!(※『EDEN』の店内、どっかで見た事あるな〜と思ったら、先日惜しまれつつも閉店されたショーパブ「ラ・セゾン」さんでした…。ちなみに店外のシーンは「mf」さんのビルでした。)

290_2

さてさて肝心なお話の方は…『EDEN』に勤めるゲイたちが、それぞれのゲイデビューにまつわるエピソードを語りあったり、一台の車に乗り込んで旅をするという…さながら和製「プリシラ」なのです!更にはゲイたちが小学生にセクシュアリティや人生についての授業を行ったり、ゲイが大好き♡な石原慎太郎氏に対しては、現在問題となっている風営法を絡めてメッセージを発信!したりと、当事者目線でスカっとする演出もてんこ盛り!維新の会代表のお爺ちゃんにも是非見て欲しいわっ…!

実際に新宿2丁目で舞台に立たせて頂いている私なんぞは、感情移入できるシーンが満載でした!ショー練習の場面では、俳優さんたちもリップシンクの練習したんだ〜私もやってるやってる!(そこ?)とか、ミロが警察に取り調べを受けるシーンでは、出会い系で家に連れ込んだ男に財布の中身を抜かれて警察行って、マッポに興味本位でどういう行為に及んだかを根掘り葉掘り聞かれたのを思い出しちゃった!(そこ?)

290_3

じゃなく!私も歳を重ねる毎にゲイの友人を見送る機会も増えてきまして、亡くなってしまったノリピーに『EDEN』の仲間たちがおくりびとしているシーンや、性転換手術をしてこれまでと違う容姿でも、自分の子供に変わりないと現実を受け入れた母親が号泣するシーンや、親にカミングアウト出来ず、なかなか実家にも帰りたがらないミロが久々に母親に電話して、泣くのを堪えているシーンなんて、涙なくして見れませんでした…。おかあさん、こんな息子でごめんなさい…。あれ?これは現実…?映画…?

当事者の私たちからすると細かいところでツッコミたくなったりもしますが、「セクシャルマイノリティが、いざ死んじゃったら…?」なんて大変重めで、一般にはなかなか受け入れ難い題材を作品として世に送り出してくれる事に敬意を表したいっ!まずは当事者の私たちから、応援しましょ〜よ〜?

I am free to be, what I want to be ‘N all what I want to be, is a …
(劇中歌「♪Modern Girl/Sheena Easton 」より)
(バブリーナ編集長)
_______________________________

“あなたにとってのEDEN(楽園)はどこ?”
この秋、大切な人を思い出させてくれる映画。それが「EDEN」。

去る11月12日(月)、新宿2丁目AisotopeLoungeにて行われた「EDEN」試写会に行って参りました!平日にも関わらず会場には沢山の男性、女性が集まり、この映画への関心の高さがうかがえました。

290_7

上映終了後には、なんとキャストの齊賀正和さんがペペロンチーノ役のまま女装姿でご登場!完璧に演じ切っていたオネエ役が板についてのしゃべりはさすがの域w。また、ニューハーフのノリピー役として劇中に見事な お っ ぱ い を披露されていたNoripyさん(芸名も同じです!とのことw)もご登場されてのご挨拶あり、エグゼクティブプロデューサーである李 鳳宇さんも壇上で「この映画をより多くの2丁目の人達に観て欲しい」、とお話されているご様子からも、「EDEN」チームのみなさんが2丁目を愛し、大切にしている気持ちが伝わってくる試写会でした!

290_4

このお話は2丁目のショーパブ「EDEN」が舞台。そこで共に働く仲間達は喧嘩し合いながらも、個性的な家族のような繋がりの中で日々を生きてるの。そんなある日、ニューハーフのノリピーが急逝。亡くなった彼女を田舎の家族のもとに連れて行ってあげよう、と計画を立てる仲間達。手術をして家族が知らない姿になり、亡くなったノリピーが最期に求めていた“EDEN”とは。。。ここからは書きたいけども、ネタバレしちゃうので割愛します。(←劇場で観なさいよ~!w)

自分らしく生きて行きたい。だから今はこうするしかない。と、家族や周囲の人達に背を向けてしまった経験。乗り越えられないほど辛いトラウマを抱えたままの気持ち。挫折感やコンプレックス。人は誰でも大なり小なり、どこかでそういう傷を抱えて生きてると思うの。セクシャルマイノリティ当事者も周囲の人も、またそうでない人でも。

290_5

劇中で山本太郎さん演じる主人公ミロが、過去のトラウマを告白した仲里アカネ(EDENの常連客)に言った台詞。

「忘れられないことは、無理に忘れなくていいのよ。」

シンプルなこの台詞に表わされている何とも言えない優しさ。温かさ。こうした場面が物語るのは、この2丁目という街の包容力。そこに生きる人の温かさ。弱さを知っているからこそ出てくる優しさ。。。この街はもちろん色恋が生まれる場所でもあるけれど、同時にそこで知り合った人と人が繋がり、友情を見つけられる場所でもある。そんな2丁目が持つ魅力が、随所に感じられる作品でした。

宣伝フライヤーにも書かれている「必ずウォータープルーフ・マスカラで観にいらっしゃいよ!」が端的に表してますけども、あたしも観ていて何度もほろっと来ちゃって、そのたびマスカラを気にしたわ!w(後の祭り)。

そしてもれなく、この映画はゲイムービーらしいツボもしっかり押さえていて愉しめるポイントが沢山♪

例えばドラァグクイーンのエルメスを演じる高橋和也さん(男闘呼組!)の完璧な所作、一癖も二癖もあるインテリジェンスな台詞まわしだとか、松田聖子の「赤いスイートピー」、シーナ・イーストンの「Modern Girl」が挿入歌で使われている所もリアルな2丁目感が出てるし、「ねえ、ペペロンチーノって女装さん知ってた?」とつい言ってしまいそうになる、毒舌だけどカワイイキャラクターもアゲ(ゴリ押し)♪女優・高岡早紀さんの美貌と色香は、ゲイの皆さんもレズビアンの皆さんも色んな意味で必見ですし♪あと実際に2丁目の街で撮影されているシーンが多く登場するので、知っているあなたには「あ、あのビルだ!」と内心ひとりごちも出来るし、まだ知らないあなたでも2丁目の街並みが見られてどっちも楽しいわよ♪

人は「愛」を求め、「愛」によって傷つき、それでも「愛」に還っていく。生があれば死があり、今生きている場所に必死に立ちながら、最後に辿り着きたいEDEN(楽園)をみんなどこかで探してる。詰まる所そこには、セクシャリティ(性別・性意識)も人種もおちこぼれもエリートもなくて、ひとりの人間として親や家族、仲間や恋人を思う素直な気持ちがあるだけなんだよね。

きっと観終わったら、大事な人に会いたくなる。連絡したくなる。「EDEN」はそんな映画です。

みんなこの秋はぜひ劇場に足を運んでみて!
その時女子のみなさんは是非ウォータープルーフマスカラで!w。
(キムビアンカ編集長)
_______________________________

290_6

EDEN
2012年11月17日(土)より 新宿http://sumomo.co.jp/eden/
監督:武 正晴『カフェソウル』
出演:山本太郎、中村ゆり、高橋和也、齋賀正和、池原 猛、小野賢章、大橋一三、入口夕布
高岡早紀、浜田 晃、藤田弓子
脚本:羽原大介、李 鳳宇
原作:船戸与一「夏の渦」(『新宿・夏の死』 文春文庫より)
エグゼクティブ・プロデューサー:李 鳳宇 企画:原田芳雄
プロデューサー:成 宏基  アソシエイト・プロデューサー:豊田 剛
撮影:鍋島淳裕 照明:三重野聖一郎 録音:小宮 元 編集:木村 悦子
装飾:松田 光畝 スタイリスト:浜井貴子 ヘアメイク:鷲田知樹
音楽:MOWG スチール:石井孝典
製作:映画『EDEN』フィルムパートナーズ 企画・制作プロダクション:SUMOMO
配給協力:Spring has come 配給:SUMOMO
©2012映画『EDEN』フィルムパートナーズ/日本/HD/DolbySR/16:9/101分

 2012/12/05 00:00    Comment  レビュー   EDEN  映画              
Top