第7回 今更これっすか?!

人種差別発言で残念な事に解雇になったジョン・ガリアーノのデザインによる1997年秋冬のDIOR・オートクチュールのグレーウールのスーツ。

本物はコレね。

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何故に今更14年も前のオートクチュール?!と怪訝に思われる方もいらっしゃると思われます。

実はこのスーツ、ワタシにとっては非常に思い入れあるもんなんですよ。

今でこそ、人様の依頼を受けて代金頂戴して製作するのが生業みたいになってますが、これが発表された当時、ワタシは洋裁を始めたばかり。

簡単なリメイクぐらいならまだしも、専門学校も行ってないワタシは基本的テクニックも用語もわからないような状態でしたので一から作るなんてことは無理な話で、それでも(着たい!作りたい!)の情熱のみで無茶も承知、通せば道理になるわい!ならしたる!の勢い任せに手掛け、当然思い通りになる訳なしの失敗を何度も繰り返した挙げ句、(たまに偶発的に思いもよらないオッサレデザイン発見もありましたが。)やっぱりちょっとは勉強しなきゃダメだわ、コリャ。とブティック社発行の「洋裁の基礎/製図の書き方から部分縫いまで」というホントに初心者向けの基本中の基本の教えが乗ってる分厚い一冊の本(かなーりボロボロですが今も活用。)でやっと基本を学んだんですね。(そこで初めて知らずとも、やってたことが、なんだ、あってんじゃん!とか、あー、だからなのねと失敗した原因を知ったり。)

でも、作りたいのは「日常着」ではなく非日常な「衣装」ですので、その本だけでは賄える訳もなく、立体裁断などのクチュールテクニックの教科書を買い、一人であーでもない、こーでもないと悪戦苦闘の末、自分なりの答えを出してましたが、それでもわからない時に随分とお世話になったのが、すっかり女装姿もお見限りの今ではセレブスタイリスト(笑)におなりになったクリスティーヌ★ダイコさん。(★抜かすと大変な事になります。←知ってる人は知っているぅぅ。笑)

当時はふざけて、当時お互いの住んでいた地域にちなんで

高円寺のアンナ・ピアッジェ 。
方南町のイザベラブロー。(逆かも。忘れた。つまりどっちでもいいのよ。)

とか呼び合ってたっけ。w (わからん人には誰だ?それ?!ですよね。いいの。わかるひとだけわかれば。←つまらんことにタカピシャ。)

いやはや、ホントにお世話になったの。
製作していて、どう頑張ってもわからない時にはいてもたってもいられず、夜中だろうがなんだろが迷惑も顧みず電話して「ここが、どーしたらいいかわかんない!!」と頻繁にヘルプミーしていたもんです。

実際イベント等でお会いした時などは質問の嵐。笑
彼をご存知の方々の中には信じられない人もいるかもしれませんが、(www)いつだって嫌な顔せず、ホントに懇切、丁寧に対応してくれましたよ。笑

そんなわたしが縫子ぺーぺーの頃にダイコさんが、この一目見たときから心奪われ、でも当時のワタシには作りたくても作れないこのスーツコピー作って着ているのを目の当たりにした時には軽く悲鳴あげました。
羨ましかったんだもん。ずるいっっって。(悔し紛れに、ウールのスーツなんて暑苦しすぎて全然クラブ向きぢゃないから、いいだもん。むーん。とか誤魔化したりして。笑  まー、それでも一度その頃TVのレギュラーだった番組でその他の衣装含め、これも一度借りた事ありました。笑)

それから何年か後に、いよいよ自分もコレに挑戦しました。
結果は・・・・

なんとか形になったものの・・・やっぱなんか違う・・・つか全然違う・・・

もうっっ!!
二度と手出すもんかっっっ!!!

んでも、それから更に数年経った時、人様からの注文も一段落した折に結局懲りずに14年越しの想いを形にの意気込みでまた挑戦しとのがコレ。

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つったって、コピー元はなんてったって恐れ多くもオートクチュール。
土俵違いも甚だしく、当然比ぶるべくもない。
当然パターンも全然違うんだろーし、見たところスカートだってウールのくせにきっとバイアス取りの贅沢さ。テクニックだって有り得ない想像もつかない事やってるんだろーし、素材だって、きっと一級品の高級素材。
そんな事抜きにした上でも、やっぱりモロモロ納得はいってないものの今回は、なんとか少しは形になったかなと。(ペプラムの丸みがどーにも苦手。普段やんない縫製前のアイロンでのくせとりもしたのにうまくいかん。)

と、まあそんな逸話、謂れもありで、コレは作りながら色んな事が思い出されました。
前述の通り、素材は糞暑いウール。

結局、着たのは1度きり。w

でも、作ってみてかったなぁーと思った訳です。
はい。

つかさ。
オートクチュールて当然、完全個人受注生産だよね?!
どっかの金持ちマダムでコレ、発注した人いるのかしらん?!
気になるるるるるるう。

という訳でまた。
ちゃお。

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