実録! 新宿二丁目ヘルタースケルター ~街に溢れる、タフなタイガー・リリィたち~

夜遊びウィークも終了し、今は仕事で死にそうな私ですこんにちは。

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夜遊びの記憶を補完する1枚

もー、ほんっと、週末はワケわかんなくて面白かったです。
Archの周年ではなぜかマネージャーさん(元彼)がずっとほぼほぼ全裸でストリップ&キャットウォークしてたり……、本当に、楽しかった……

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※連名だけどドンペリだって入れました(そして今、貧乏)
っていうかこのシール、えぐいですね……

本当に楽しかったけど「こんなこと毎日してたら死んじゃう……」(小泉今日子「音楽」より)ってほど、先週末の夜遊びはしっちゃかめっちゃか……そう、ヘルタースケルター!!(強引な前フリ)

さくらんで蜷川実花作品には懲りてたのですが、
ほんとーーーーに、面白かったです!!!
もっかい劇場で見たいから誰かデートしてください……(公開募集)

今朝も転んだだけで精液が暴発しちゃいそうなニキビ面の高校生が電車内で話していましたよ。「今日ヘルタースケルター見に行こうぜ」と。
岡崎京子なんてひょっとしたらお母さん世代な彼らがこんな映画を見るってことはやはり、主演女優・沢尻さんの沢と尻、そしてエリカ本体が目当てなことは明らか。
さらにネットの書き込みで「湿ったザメテ(ザーメンティシュー)が席に落ちてた」という報告まであったりと、ノンケ男子にはもうポルノ扱いなこの映画。

だけどこれは、1人の女の子の戦いのお話。
弱かった女の子が一念発起して、全身に整形を施し、愛される存在になったのに、気づけば自分の欲望も、周りの欲望も止まらなくなっていた。
それでも戦い続けることを選んだ、たった1人の女の子の。

私たち(女の子とオカマの子)がこの作品を愛して止まないのは、
そんな勇敢なタイガー・リリィの姿は、二丁目でもたくさん見ることができるから。
そして、いつでもりりこになる可能性を持っているから。
例えばそう、映画内で軍服を着用し、バシバシりりこやこずえの姿を写真に収めていた超オネエな有名カメラマン・下村センセイだって九州男でよく会えましたものね?(クレームついたら消します)

というわけで今日は、二丁目の実話・ヘルタースケルターなお話を一つ。
先に言っておきますが、特にオチはございません。

<注意! ここから板についていない文体に変わります!!>

その子は、僕のよく行くショットバーで働いてた。
カラダはガチムチ、顔は男の子っぽくて、わりと人懐っこい印象で、結構モテてたな。
でも、ある日突然「ゲイ向けの美容サロン」を開くと言いだして、本当にお店を開いちゃったわけ。お金? どこから出てたんだろうね。
彼は確か、20代の終わり、くらいだったんじゃないかな。
ゲイバーって儲かるんだな、って思ってた。ただのミセコなのに。

最初はゲイ雑誌とかに露出してたと思うけど、ゲイ向けの商売ってエロ以外はけっこう難しいよね。たしか、すぐ潰れたんだと思う。

そして彼は二丁目から姿を消した。たぶん。
いや、通う店が変わっただけ、かもしれない。
お客や店員……新しい人が毎日やってくるそのショットバーのみんなは、彼のことをすぐに忘れた。少なくとも、僕は。

何年経って、たまに行くお店のママのお誕生日会に誘われた僕は、彼に再会する。

ガチムチだったカラダは、細くなっていて。
丸顔だったはずの顔は、アゴのとんがったすっきりフェイス。
そして、目には真っ青なカラーコンタクトレンズ。
さらに、着ている服は、エルヴィス感溢れる白くてピタっとした……ジャンプスーツ?

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「卒業旅行~ニホンから来ました」の織田裕二みたいだった。

人づてに名前を聞いても、彼だ、とすぐにはわからないくらい。
どうやら、その隣にいる体の大きなおじさまと付き合い始めてから
彼は「変わった」んだそうだ。

そのおじさまはいろんなお店(ハッテン場含む)を経営している、なんだかお金持ちっぽい人。相手が変わっていくのを見るのが好きだという、「マイ・フェア・レディ」な精神をお持ちだそうで、例えば出かける時は極力歩かせず、電車にも乗せないんだそうだ。
(その頃僕は「じゃあタクシーいつも使うんだーいいなー」って思ってた)

会ったのに「らしい」とか「そうだ」でしか彼を語れないのは、
地に足を着けることを許されない彼と、重力からはおそらく一生開放されない僕は垂直すぎて、斜向かいに座っていたのに話すことが一度もなかったから。

でも、周りへの声だけはよく聞こえてきた。
「今度、台湾(香港だったかもしれない)でCDデビューするんだ」

その後、8年くらい経った今。
台湾には一度行ったし、友達の女の子が香港に留学しているけれど、日本人歌手の噂は聞くことはなかったし、彼をその後二丁目で見かけることも会うこともない。

でも、彼のお相手だったおじさまの経営するお店は今でもあるし、
その頃彼が働いてたショットバーも、人が入れ替わったくらいで、変わらず賑やかだ。

彼は歩くための足を奪ってもらった代償に、異国を飛び回る翼を得ることができたのだろうか。南西の空を見上げながら「デビュー曲はやっぱり【ペッパー警部】のカヴァー(※1)……なわけねーよな」と思うばかりだ。(了)

(※1)「卒業旅行 ニホンから来ました」あらすじ参照

ほらーオチないって言ったじゃん!!
でもやっぱ「店を持たせる」「芸能界」っていうのは王道なんでしょうね~
次回は、もっと身近で、二丁目に最も多いタイプのタイガー・リリィの冒険を
書こうと思います……たぶん。

 

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