エスム流、ミュージカル「RENT」の楽しみ方!

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今、2CHOPOでは総力を挙げて、東宝ミュージカル「RENT」を応援!
というわけで、アタシも先日、バブリーナ&キムビアンカ編集長をはじめとした2CHOPOメンバーと共に、観劇してきたわ。

この日の詳細な感想やレポートは、他のみなさんにお任せするとして、アタシは、「RENT」というミュージカル自体への、勝手な想いを書かせていただくわね。

実はアタシは、かなりの「RENT」ファン。
舞台は20回近く観ているし、映画・舞台のDVDやサントラ、楽譜やオフィシャル本(英語だから読めない)といった関連グッズも、大事に保管してあるわ。

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キャプション:アタシの「RENT」コレクションの一部

そんなアタシが初めて「RENT」と出会ったのは、1998年。
もともとミュージカルは大好きなんだけど、中学生の頃から応援している歌手・森川美穂さんが、日本人キャスト版の「RENT」に出演(モーリーン役)すると聞き、「絶対行かなければ!」とチケットをとったの。
ただ、当時「RENT」について何も知らなかったアタシは、チラシに書かれた「麻薬」だの「ロック」だのといった言葉に「無軌道な若者たちが、ヘビメタみたいな激しい音楽にのって叫びまくるような内容だったら、どうしよう……」と不安を抱きつつ、会場へ向かったわ。

ところが!
実際に観た「RENT」は、そんな予想とはまったく違ったの。

まず、楽曲が名曲ぞろい。
有名な「Seasons Of Love」をはじめ、「Another Day」とか「Will I?」とか「Christmas Bells」とか、とにかくキャッチーで、かつ聴いているだけでパワーがもらえるようなナンバーばかり。
さらに、無機質でありながらオシャレな舞台セットには、そこはかとなく「ニューヨークっぽさ」が漂っていて、当時26歳だったアタシの心を鷲づかみに。
おかげでアタシ、「『RENT』を、どうしても現地で観たい!」という強い衝動にかられ、2か月後、無理矢理休みをとって、本当にニューヨークに行ってしまったの(初渡米)。
「RENT」の影響力、恐るべし……。

しかし、何よりもアタシの心を強く惹きつけたのは、「RENT」の作者、ジョナサン・ラーソンの人生だったわ。
ジョナサンは、「アメリカ発のロック・ミュージカルを作って、世間をあっと言わせたい」(当時のブロードウェイでは、「CATS」や「オペラ座の怪人」、「レ・ミゼラブル」など、ロンドン発のミュージカルが幅をきかせていた)という夢を抱き、ウェイターの仕事でお金を稼ぎながら、苦労して「RENT」を作り上げたんだけど、なんとプレビュー公演の初日の朝に亡くなったの。

アタシ、(特に会社勤めをしていた頃は)仕事等で大変なことがあると、「RENT」のサントラを聴いて元気をもらっていたんだけど、「RENT」の曲たちにあれだけのパワーがあるのは、作者が命を削って作ったからこそじゃないか……と勝手に思っているわ。

とまあ、「RENT」への熱い想いを語ったところで、以下、アタシなりの「RENT」の楽しみ方を、みなさんにお伝えするわね。

■必ず予習していくべし。
海外のミュージカルの歌詞の日本語訳って、すごく難しいのよね。
英語の場合、1つの音符に1つの単語を入れられたりするけど、日本語だと、1つの音符に1~2つ程度の音しか入れられないじゃない?
だから、どうしても情報が間引かれてしまったり、無理に言葉をつめこんだ結果、歌詞が聴き取りづらくなったりするのよね。
特に「RENT」はテンポの早い曲が多いので、何の予備知識もなく初めて観た人は、「何歌ってるか、全然聴きとれねえよ!」ってストレスを感じてしまう恐れあり。
というわけで、観劇の前に公式サイトやパンフレット、映画等をチェックし、おおまかなストーリーだけでも頭に入れておくことをお勧めするわ!

■積極的に参加するべし。
「Seasons Of Love」中盤の手拍子など、「RENT」には、随所に観客が参加できるポイントが用意されているんだけど、もっとも重要なのは、第1幕終盤のモーリーンのパフォーマンス「Over The Moon」。
最後に、モーリーンが客席に「『ムー!』と鳴いて!」と呼びかけるところがあるので、恥ずかしさをかなぐり捨て、積極的に「ムー!」と叫んでちょうだい!
なお、このシーンは、モーリーンを演じる役者さんのアドリブが楽しめる箇所でもあるの。
森川美穂さんの場合は、恥ずかしがってなかなか鳴かない観客たちに「無心になって!」とか「……大丈夫?」とか「メーじゃねえよ!」とか言ってたんだけど……。
今回モーリーンを演じるソニンちゃんや上木彩矢ちゃんが、果たしてどんな煽り方をするのか、お楽しみに!

■謎を楽しむべし。
おそらく、作者が急に亡くなったせいもあって、「RENT」にはたくさんの謎が残されているの。
たとえば、「Today 4 You」や「Over The Moon」の歌詞なんて比喩だらけだし、「Contact」が何を意味しているのかも、正確なところはわからないまま。
でもそれだけに、「この歌詞や動きはもしかして、こういう意味なのかな」といった想像が広がるし、観るたび、聴くたびに新しい発見があって、飽きないのよね。
あと、「謎」とは違うけど、全キャストがステージ上のあちこちでそれぞれのドラマを展開する、第1幕終盤の「Christmas Bells」も見どころ。
もし何度も観る機会があるなら、毎回別の人に注目して、その人の動きや歌を追うと、楽しめると思うわ!
さらに、顔を隠した警官役を、その場に出ていないメインキャストがやっていたりすることもあるので、「今は、誰が警官を演っているのか」を推理しながら観るのも面白いわよ!

■レズビアンカップル、ゲイカップルのアツアツぶりに注目すべし。
作者のジョナサンはノンケだったんだけど、身の回りにはレズビアンやゲイの友だちがたくさんいたみたい(ミュージカル好きなニューヨーカーなら、当然よね……?)。
ジョナサンの初期の作品「tick,tick…BOOM!」の主人公の親友はゲイだし、「RENT」にはジョアンヌとモーリーンという女性同士のカップルと、コリンズとエンジェルという男性同士のカップルが登場するわ。
愛しあいながらもぶつかりあってしまうジョアンヌ・モーリーンカップル、深く愛しあいいたわりあうコリンズ・エンジェルカップル……。
身につまされたり共感を覚えたりする人は、きっと多いはず!

■新演出を楽しむべし。
今回の「RENT」の売りは、なんといっても、オリジナル版の演出を担当したマイケル・グライフさんによる新演出!
めちゃくちゃシンプルなオリジナル版に比べて、舞台セットは少しごっちゃりした感じになっていたけど、それがなんとなくマンハッタンの高層ビル街っぽい雰囲気を醸し出していて、面白いと思ったわ(ってアタシ、超偉そう)。
あと、「I’ll Cover You」でのマント(エンジェルの衣装)の使い方も、歌詞にハマっていて、アタシ的にはツボ。
オリジナルの舞台版は、DVDで観ることができるので、演出の違いを比べてみるのも面白いんじゃないかしら。

■最後に。
「RENT」が作られたのは、今から15年以上も前。
その間に、世の中の状況もHIVをめぐる状況も大きく変わったので、もしかしたら、ストーリーや設定を「古臭い」と感じる人がいるかもしれないし、作者の死によって改変を加えることができなくなったので、荒削りな部分や矛盾する部分がところどころ残っているのも否めないわ。
でも、「未来も過去もない。今日を精いっぱい生きるだけ」といったメッセージは、これからも時代を超えて、多くの人の心を揺さぶり続けるんじゃないかと、アタシは思っているの。
登場人物の誰かに自分を投影するもよし、ライブ感覚で楽曲を聴きに行くもよし、素敵女子orイケメン目当てに観るもよし。
みなさん、ぜひ自分なりの楽しみ方を見つけ、「RENT」にハマってちょうだい!

 2012/11/08 00:00    Comment  コラム   RENT  ミュージカル              
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