第10回 Last dance, Last Chance for LOVE

5月17日に「ディスコの女王」、ドナ・サマー姐さんが永眠されました。合掌。

東郷健さんに続いての、しんみり追悼記事になっちゃいそうですが、やっぱり年増のクラブ好きオカマにとっては、ドナはスルーできないの。
そうよね、BBAの皆さん!

そうよ、『Hot Stuff』がかかれば、どんな場所でもフロア入り気分でウォーキング!
10年くらい前、『Hot Stuff』をBGMに、銭湯にどや顔で入っていく梅宮アンナさんのCMがあったでしょ。
今もお風呂好きのネエさん方が毎晩のように全国のソレ系浴場で再演してる光景でしょうが、まさにディスコ好きのオカマがご満悦しちゃうアゲ曲を多数生み出してくれた、元祖クラブ系ディーヴァなんです。

そもそも、ゲイシーン出身の女装たちというのは、「Drag Queen(ドラァグ・クイーン)」と呼ばれる、クラブで踊ったりショウをする「ディスコの女装」として育ちました。

アタシやサセコさんも、クラブのドラァグクイーンというよりは、ほったて小屋のお笑い女装芸人というかんじですが、一応「出」はクラブなんです。
90年代はクラバーだったのッ!GOLDとかYELLOWとかさッ!(年増オカマが大好きな、もう無いハコばっかしの夜遊び武勇伝)

女装系クラブパーティの締めではドナの『Last Dance』がかかり、バビエさんやナジャさんがひらひら踊るというのも、もう何度も観すぎていつのデジャヴなのか分からないくらいです。

世界中のクラブシーンで、とくにオカマたちを大いに狂喜乱舞させてくれたドナ姐さん‥。ありがとうございました。

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※ちなみに今回の訃報で、ふたたび話題になった「ドナ・サマーは一番ゲイに支持されていたのに、HIVはゲイへの天罰だと言って、バッシングを受けた」というネタ。
この件の詳細はこちらのサイトで読んでいただければと思います。

死後もデマを流布され続ける歌姫ドナ・サマー
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さて、そんな「ディスコの女王」が盛り上げてくれたディスコ/クラブ業界が、今えらいことになってるのは皆さんご存知かしら?
風営法とやらを根拠に、日本じゅうのクラブが摘発されたり、営業方針変更を余儀なくされてるのよ。

大阪のクラブで「客を踊らせていた」って理由で、経営者ら8人が逮捕されたってニュースはネットでも話題になったわよね。

実は、アタシとサセコさんもゴールデンウィークの頃に、大阪の巨大ゲイナイトに出演の予定だったんだけど、直前に指導が入ったとかで、イベント自体がキャンセルになっちゃったの。
女装ババアのお楽しみ、どさ回り仕事が奪われるなんて‥。ちきしょーGWは大阪弁で責められたかったのにギギギ(それ仕事じゃない)。

その後、大阪の老舗常設ゲイバコさんから「当店ではお客様のダンスはできなくなりました。またショータイムも12時までとなりました」という悲しいお知らせまで。笑えないギャグのようだわ。

ちなみに、風営法ができたのは1948年!
アタシがまだ、「ザギンのおブル」として1アワー、2ダラーズで日銭を稼いでた頃にできた化石みたいな法律なんですよ。

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※今回のクラブ取締りと風営法に関しては、弁護士さんによる見解なども読めるコチラのサイトが分かりやすいので、ぜひご一読を。

弁護士に聞く、クラブと風営法 – club culture magazine FLOOR net
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そんな64年前の時代錯誤な法律を、2012年にいきなり厳密解釈して、逮捕までしちゃうなんて‥。おじいちゃーん、しっかりしてー!!

クラブはさ、サウンド、ビジュアル、インテリア、パフォーマー、いろんなエッジなクリエイティビティが集結する、カルチャーのファクトリーなんだよ!(カタカナだらけのキナ臭い人)
不倫が文化なら、クラブはもっともっとあからさまに文化でしょーが!

世界にPerfumeや、きゃりーぱみゅぱみゅ(言いにくいだけじゃなく打ちにくい)を送り出した、旬のナカタヤスタカワールドはもちろん、世界に賞賛されるクラブベースの日本文化っていーっぱいあるもの。

工業的に弱ってる今だからこそ、日本はカルチャーやセンスを、むしろ保護すべき時だと思うんだけど、なぜか締め付けまくってるような現実。それって、経済も文化も全然いいことないと思うんですけどね。アタシたちのどさ回り仕事だって消えてるくらいで!(すごいみみっちい例)

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さすがに、これはヤバいと思った方も多いようで、5月16日の朝日新聞朝刊では、この問題を扱った記事が掲載され、世界の坂本龍一教授らが呼びかけ人となって、風営法の改正を求める署名運動が展開されています。

風営法改正を目指し10万人を目標とした署名運動開始へ、坂本龍一らが呼びかけ人に
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ルールってのは、ただ守るためにあるんじゃないのよ。
いまだ同性愛者が死刑になる国もあれば、現役のアメリカ大統領が同性婚を支持したりもする。
おかしいと思うルールは、変えてよって言っていかないとね。
クラブパーティを楽しみたい人は、そんな法律の日本を捨てるか、日本を「クラブで朝まで踊ってもいい国」に変えてもらわないと、正式には踊れないってこと。

マイケル、ホイットニー、そしてドナ。
踊り子ババアたちの心に刻まれたダンスミュージックの大御所たちが、次々に世界を去っていくわ‥。(そして、彼らの生気を吸ってるかのように一人元気なマドンナ姐さん)

でも、人の命は終わっても、人が作った音楽やダンス、パーティ文化の楽しさは終わらせちゃいけないんじゃないかしら。
クラブで笑って踊り明かす夜があるから、昼のお仕事も頑張れるって人、いっぱいいるはずよ。
本当に最後の『Last Dance』なんてしたくないもん!

ほら、天照大神様が岩戸にひっこんじゃって、世界が真っ暗になった時のこと、覚えてる?(ババアにも程があるわ)

あの時、世界に光を取り戻してくれたのは、芸能の女神、アメノウズメ様の踊りなのよ。

そう、
エロくて笑えるダンスを踊った女こそが、
世界を明るく戻してくれたんだからね!

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