エスムの裁判傍聴記

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突然だけどみなさんは、裁判の傍聴をしたことがあるかしら?
裁判員制度が始まった2009年頃に、ちょっとした裁判傍聴ブーム(?)が起こって、裁判傍聴本が出版されたり、裁判傍聴ドラマや映画が作られたりしたけど……。
最近はあまり、話題に上がらなくなっているわね。

でも、ただのブームで終わらせてしまうにはもったいないくらい、裁判の傍聴って勉強になるし、興味深いのよ。
もちろん、当事者にとっては人生がかかっているわけだし、それを見て「勉強になる」とか「興味深い」とかいうのは不謹慎かもしれないけど、さまざまな人の思いや経験を知るというのは、とても大事なことなんじゃないかしら(って、きれいに言い過ぎ?)。

ちなみにアタシは、数年前に仕事で初めて傍聴して以来、何回か霞が関にある東京地方裁判所に行っているんだけど、今のところ、殺人とかヘビーな事件の裁判を見たことは一度もナシ。
実は先日も、ふと時間が空いたので裁判所に行ったんだけど、その時傍聴したのは、釣り銭詐欺と万引きで捕まった、60代後半くらいのおっさんの裁判だったわ。

なお「釣り銭詐欺」というのは、「コンビニなどで1000円以下のものを買って、1万円札を出し、お釣りの5000円札をとっさに1000円札にすりかえて、店員さんに『お釣り、間違えてるよ』と言い、お釣りを多くもらう」詐欺の手口、とのこと。
アタシ、そんな詐欺がある(しかも「釣り銭詐欺」って名前がついてる)なんて、今まで知らなかったわ。
また一つ、勉強になっちゃった……。
サービス業に従事しているみなさん、くれぐれも気をつけて!

それにしても、その被告のおっさん、なかなかの食わせ者だったわ。
まずは検事からの審問の際、被告人席に紙(おそらく弁護士に渡された、「この質問にはこう答えろ」とか書かれているであろうカンペ)を堂々と持ち込もうとしてみんなから止められ、弁護士も思わず苦笑い。
さらにおっさん、「問題となっている釣り銭詐欺3件のうち、1件はつい出来心でやったけど、他はやってない」と主張していたんだけど、

・「確かに、お釣りでもらった5000円札がカウンターに落ちたのに気付かず、『あれ? (お釣りが)ちょっとおかしくない?』とは言いました。ただの勘違いだったのに、その直後、万引きがバレて事務所に連れて行かれた際、『釣り銭詐欺も働こうとした』と疑いをかけられました(←いずれにせよ万引きはしてた)」
・「(検事に店内の防犯カメラの映像をつきつけられ、『ここに映っているのは、あなたですよね』と尋ねられて)いやー、違うと思うんだけどなあ。世の中には似た人間が3人いるっていうじゃないですか。そのうちの一人なんじゃないですかねえ」
・「(『あなたはひどい取り調べを受け、やってもいないことをやったと証言させられた、と言っていますが、当然、その刑事の名前は覚えていますよね?』と訊かれて)いやー、この間まで覚えてたんだけどねえ。忘れちゃったなあ」

とか、ネタとしか思えないような発言を連発。
おそらくあの場にいた全員が、心の中で「嘘つけッ」と突っ込みを入れたはず。
一応おっさん、「耳が悪くて質問がよく聞こえない」「理解力がなくて、質問の意味がよくわかってない」風を装ってはいたけど、アタシ、8割は演技だと思うわ(勝手な邪推)。

しかもおっさん、元々は結構お金を持っていて、親の遺産も1億円くらいもらったらしいんだけど、騙されたりサウナですられたりして、ほとんど全部使ってしまったとか(あくまでも本人談)。
なんかもう、一から十まで、すべてが香ばしかったわ……。

というわけで、人の心の機微や人生模様から犯罪の手口、都合の悪い質問をされた時のしらばっくれ方まで、さまざまなことが学べる裁判傍聴。
平日の昼間に自由に動ける人限定だけど、興味のある方は、ぜひ一度、足を運んでみてはいかがかしら。

ところで、前々回お約束した、アタシの花粉症レポートだけど、結局今年も、ほとんど薬を飲まない(花見の日に、念のため一錠だけ飲んだ)まま、シーズンが終わりそう。
アタシ、本当に花粉症を克服しつつあるのかしら?

 2013/03/28 00:00    Comment  コラム   裁判傍聴              
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