思い出

 Comment  コラム   真崎航              

前回の原稿を書いてから、1か月も間が空いてしまったわ……。

実はアタシ、本業はライターなんだけど(女装は副業)、5月末~6月頭に締切が重なりまくってて、しゃれにならないくらい忙しかったのよ……。ここ2、3週間、まともに寝た記憶がないくらいに。
というわけで、心優しいバブリーナ&キムビアンカ編集長、休ませてくださって、本当にありがとうございました……。

でもね。そんな毎日ではありましたが、故・真崎航くんの告別式とお別れ会には、参列・参加させていただきました。
バブリーナさんやキムビアンカさん、ホッシーさんやブルボンヌさんらと比べると、航くんとの接点はあまり多くはなかったんだけど、月命日を過ぎたばかりということもあり、今回はアタシなりに、彼の思い出を。

アタシが航くんと初めて会ったのは、今から9年前。
イベントに出演するため、札幌に行った時、飲みに行ったお店でお話ししたのが、当時大学生だった航くんだったの。その頃の航くんは本当に「かわいらしい男の子」といった感じだったわ。

それから、接点がないままに月日が過ぎ……。
いつしか「真崎航」が、多くのゲイに知られる存在となり、アタシも雑誌やDVDで彼を見かけるたびに、「この、むせかえるようなフェロモンを発している殿方は、いったい何者?」と思っていたんだけど、「真崎航」と「札幌でお話しした男の子」は、アタシの頭の中で、全然結びつかなかったの。
確かに「札幌でお話しした男の子」も、顔立ちが整っていて、意思の強さを感じさせる部分はあったけど、頬のあたりはもう少しふっくらしていたし、「ほんわかした子」という印象が強くて、「真崎航」のように「フェロモンを発している」感じではなかったから。

ところが数年前のある日、二丁目の「ココロカフェ」の前でバッタリ遭遇した航くんから「エスムさん、お久しぶりです。覚えてますか?」と話しかけられたの。
あの時の衝撃は、今でも忘れられないわ。「あのいたいけな(?)男の子が、いつの間にかすっかり『男』になっちゃって」という驚きと、「大人になった甥や姪と久しぶりに再会した、親戚のおばさん」が抱くような(?)、嬉しいような切ないような感情が入り混じり……。さらに、自分の信じる道を、あまりにもまっしぐらに進んでいくその姿に、眩しさと、なぜか少し、怖さのようなものを感じてしまったの。

で、その後、GOGOとしても活躍するようになった航くんと、何度かイベントでご一緒させていただいたんだけど、がっつり絡んだのは、昨年3月に行われた「DQ Express 2012 in HATOYA 男だらけの大宴会」(航くんとドラァグクイーンが、ゲイのお客さんと伊東のハトヤに泊まるというツアー)と、11月に行われた「JaNP+トークショー」の2つ。

ちなみにハトヤツアーの時、航くんは、大宴会の後、ツアー参加者が泊まっている部屋の番号が書かれたメモを持って(確か、10部屋以上はあったはず)、一部屋一部屋、挨拶に回っていたの! アタシは「航くん、律義で真面目でファン思い!」と感心&感動。一方、アタシたち女装チームは、女装好きなお客さん(?)の部屋で、朝の5時まで人狼ゲーム……。部屋に戻った時、同室の航くんはすでに眠っていたわ。
そして、翌朝8時。3時間しか寝ていないにもかかわらず(自業自得)、アタシは「朝ですよー。ごはん食べましょう」と言いながら、容赦なくカーテンをシャッと開ける航くんに、無理やり叩き起こされる羽目に。おかげでハトヤの大ホールと朝ごはんを堪能できて、結果的には良かったんだけど、起こされた瞬間、「鬼だ。この人、鬼だ」と思ったことを、ここに懺悔します。

そして「JaNP+トークショー」の本番前には、航くんと楽屋でお話。少し踏み込んだ話も聞き、「この人は本当に、何事に対しても一生懸命だなあ」と再確認。トークショーでは、航くんの頭の回転の良さに助けてもらいつつ、相手の目をまっすぐ見て話す、航くんの瞳の輝きと強さに、「ああ、この人の吸引力、やっぱりハンパない」と思ったわ。

というわけで、アタシにとって航くんは「真面目すぎて、なんだかおかしなことになっちゃってる人(褒め言葉)」「仕事に対してもエロに対しても一生懸命で、いつだって全力投球な人」というイメージ。そのために大変な思いをしたこともあるかもしれないけど、彼にはその生き方しか考えられなかっただろうし、あまりにも急なお別れではあったけど、彼は彼なりの人生を生ききったんじゃないかと、アタシは勝手に思っているの。

ただね、できれば航くんと、もっとゆっくりお話ししたかった。特に、札幌で出会った後の9年間に、お互いどんなことがあったのか、一度二人でちゃんと語り合いたかった。
なんかね、身近な誰かが亡くなるたびに、いつも同じような後悔をするんだけど、人間って(てかアタシって)ほんとダメね。もっといろんな人と会ったり話したりしたいのに、ついつい日々の忙しさに流されてしまうんだもの。
人生ってほんと、良くも悪くも、明日何が起こるかわからない。できるだけ身の周りの人たちや一つ一つの出会いを大事にしつつ生きていきたいな、と改めて思うわ。

 2013/06/25 06:00    Comment  コラム   真崎航              
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