第20回 東小雪のクィア・ライブラリー「LGBT編1」

私が「私は女の子なのに、女の人が好きだ!」とはっきり気がついたのは、高校2年生の春でした。金沢市内の高校に通っていました。当時は、今のようにインターネットも自由に使うことができず、「自分はおかしいのではないか?」と悩んでしまったこともあります。

そんな高校生の頃、学校図書館にあった『同性愛がわかる本』(伊藤悟著/すこたん企画編集)を図書館の隅っこで隠れるようにして読みました。

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司書の方がいらっしゃる貸し出しカウンターには持っていけなかったのです。当時は書名を図書カードにえんぴつで記入する方式だったので、本を借りていることを誰かに見られたら大変! と、借りることができなかったのでした。この本のおかげで、16歳だった私は初めて「そうかぁ…性別ってグラデーションなのかぁ…」と知りました。そのときの衝撃が今でも強く残っています。

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『「好き」のハテナがわかる本』

こちらは、ゲイであることを公表して初めて当選した豊島区議会議員の石川大我さんの本です。とてもわかりやすい、優しい語り口でLGBTについて書かれています。初めてセクシュアル・マイノリティに関する本を読まれる方には、特にオススメです。イラストが多く、ルビもふってあるので、学校図書館にもぜひ加えていただきたい一冊です。

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『ダブルハッピネス』

こちらは、性同一性障害であることをカミングアウトして活動している、杉山文野さんの自伝です。若い頃の杉山さんが「男? 女? どっち!?」そんな問いに悩まされながら生きる姿が描かれています。

私自身は、身体が女性で、自分のことを女性だと思っている人です。(シスジェンダーと言ったりします。)杉山さんは、生まれたときの身体が女性で、自分のことを男性だと思っている人です。(トランスジェンダーと言ったりします。)LGBT/セクシュアル・マイノリティであっても、シスジェンダーとトランスジェンダーでは、直面する問題は違うところもたくさんあります。

…この本のオススメポイントはたくさんあるのですが、ぜひ手に取っていただきたいので今回はこちらをご紹介!

本のカバーを外してみると…!!?

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ぜひチェックしてみてください!

そして最後にご紹介するのは、こちら。

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『LGBTQってなに?』

この本は若い人にも読みやすく、かつ、一歩先を行く、踏み込んだ内容の本だと思います。著者はアメリカ・ワシントンDC在住のケリー・ヒューゲルさん。私がこの本を強くおすすめしたいのは、セックスについて、性感染症について、またアルコールや薬物などへの依存症についても書かれているからです。特に依存症の問題。今、この問題を抱えて苦しんでいる人は、目に見えないだけで非常に多いのに、情報は少なく、当事者たちは強い偏見にさらされているように思います。

LGBTの人たちは自殺率が高く、自殺未遂や自傷行為の経験率も高いという調査結果があります。強烈な社会的な生きづらさの中で、依存の問題は語ることを避けては通れません。
ただし、「LGBTの人は薬物乱用をしている」というのは、とんでもない誤解・偏見です。薬物依存などの依存症の問題はそんなに単純な問題ではありません。しかしながら自己肯定感を得にくく、環境的なストレスがかかりやすいLGBTにとって、依存症はとても重要な問題のひとつだとは思います。また別の機会に詳しく書きたいと思いますが、属性によって依存症になるのではなく、様々な原因が複雑に絡み合って依存の問題が起こるのです。

依存症ではなくても、心が苦しい状態が続くことがあると思います。ぜひ本を読み、情報を得て、支援につながってほしいと思います。

次回は「LGBT編2」をお届けしたいと思います。お楽しみに!

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