第8回 ウォッカを捨てろ!ロシア反同性愛法への、国際社会の反応

 

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飾りじゃないのよ涙は。

まきむらよ。

世界のニュースから性を考える「まきむぅの虹色NEWSサテライト」、お陰様で第8回を迎えることができました。いつもありがとうございます!

さて、前回は「

“同性愛を宣伝することなんか許したら、私達ロシア人は、私達の国のことが心配でなりません。だって私達ロシア人は、ごく普通の、スタンダードな人々なんだもの。男性は女性と、女性は男性と暮らします。わかるでしょ? そうあるべきなんです。そういう歴史を歩んできているのだから”
“If we allow to promote and do all this stuff on the street, we are very afraid about our nation because we consider ourselves like normal, standard people. We just live, boys with woman, woman with boys, you know…everything must be fine. It comes from history.”

イシンバエワ選手にとってはロシア語が母国語であり、英語は得意でないようです。ところどころに不自然な表現があり、彼女の意図を伝えきれていない可能性は高いですが……それでも、

「ロシア人=異性愛者=普通の人達」
「ヨーロッパ人=同性愛も認める=ロシア的な“普通”とは違う人達」

という考え方が透けて見える発言です。

★国際社会はロシアに対してどう行動すべきなの?

イシンバエワ選手の言うとおり、「ロシアの政治のことは、ロシア国民の意見を尊重すべきだ」という意見も大いにあるでしょう。しかし、ロシア国民の声というものが、どの程度政治に反映されているかというのは疑問です。

たとえば、ロシアにおいて、政府から独立した調査機関Levada Centerが今年行った調査によれば、ロシア国民の39%が「同性愛者は異性愛者と同じ権利を付与されるべき」と答えています。にもかかわらず、ロシアの下院において同性愛宣伝行為規制法が議論された際、議員たちの投票結果は

ちょっと日本、アンタたち女性とか婚外子とか同性カップルに対する差別的法規をいいかげんなんとかしなさいよね」って言われちゃってるので、もうぶっちゃけ日本「えっとえっとー、アメリカくんに合わせて『性的少数者の権利は人権です』決議案に賛成してはみたけど、特になにもしないよ>< だってアメリカくんに一応合わせただけだもん><」感丸出しでほんと筋通せてません。

まあ、性的少数者を弾圧するロシアと、性的少数者の権利は人権だって言ってるアメリカとの間で、外交上どっちにもつきづらくて日本政府として「国技:とりあえずYESともNOとも言わず曖昧に微笑んどく」をかましちゃう気持ちはすっごくよくわかります。また、日本という国としての立場ははっきりしないまでも、日本には個人として性的少数者の権利を法的にサポートしようと頑張っている方々がいらっしゃいますから、長い目で見るとしましょう。

最後に、ロシアの性的少数者弾圧に対する各国の反応をリストにしておきます。マネしろっていうんじゃないのよ。けれど、日本政府として行動していなくても、ひとりの日本国民として行動できることはあります。そのための参考に、また議論の種になればと思います。

★実際、国際社会はロシアに対して何をやったの?

1.ウォッカをボイコットするもロシアじゃなくてラトビアが困るの巻

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アメリカ「ちくしょうロシアめ! 反同性愛的な法律をガンガン作ったり、性的少数者への暴力を黙認するなんて酷い国だ!」
イギリス「(ピコーン)ロシアといえばウォッカだね!!」
EU諸国「よーし、ロシアの商品なんか買わないぞ! ボイコットしちゃうぞ!」
イギリス「むしろウチの国では
ソース:GayStarNews.com

2.アメリカの新ゲイポルノスタジオ、収益の100%をロシアの“ゲイ難民”に寄付

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ロシア「うちの国じゃもう、同性愛者は生きていけない……カナダに逃げるか、アメリカに逃げるか……」
アメリカ「ゲイポルノは世界を変える!!」
ロシア「!?」
アメリカ「うちの国には優秀な起業家がいっぱいいるよ! ね、マイクさん!!」
マイクさん「世界をよりよく変えるため、私にできること……それは、ハイクオリティなゲイポルノを作ること。美少年系からクマさん系、レザーやニッチなフェチズムまで、あなたのニーズにお応えします。このたび創設した『ボーイズ・タウン・スタジオ』では、ロシアを追われてアメリカ・カナダに安住の地を探す性的少数者の皆さんの為に、収益の100%を使わせていただくことをお約束します」
アメリカ「でもでもぉ、不法移民はやめてね☆ 実際ロシアの性的少数者はまだ難民認定されてるわけじゃないし、いきなりアメリカ来る奴多すぎてもういっぱいいっぱいだから☆」
ロシア「こ……これがアメリカか……ッ!!」

ロシア大使館の前の横断歩道が虹色に塗られたりなんてことも起こってます」

ということで、経済に働きかけようとしてみたり、自分の意見をファッションやSNSで表明してみたり、ロシア国外のみなさんが個人としてやっているいろんなことを紹介しました。

国政レベルでは、アメリカのオバマ大統領や、ドイツのヴェスターヴェレ外務大臣が公式にロシアを非難する声明を出しています。しかし両者とも、抗議のためにソチ五輪をボイコットすることには反対しています。

国際オリンピック委員会は、「ロシアにおける一連の反同性愛法が、五輪の観客や選手に影響しない」ことを確認したと述べています。それでもロシアにおいては、外国籍者にまで及ぶ反同性愛法が定められていることは事実です。ロシア国外にいるわたしたちは、自分のためにも、また、暴力にさらされるロシアの性的少数者のためにも、それぞれ何ができるのかを考えるべきなのではないでしょうか。

「うちの国に同性愛者はいない」と言った旧イラン大統領。「うちの国の伝統に同性愛はない」とするロシア大統領。どんな物言いで「いないこと」にしようとしても、わたしたちの存在それ自体は消せないのです。

てことで、今回も読んでくださってありがとうございました! また来週月曜日にね。まきむぅでした◎

 

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