第6回 LGBTと住宅購入 〜永遠の愛を誓っても〜

みなさん、こんにちは。ファイナンシャル・プランナーのTです。

東南アジアやハワイやらの海外から帰ってきた方たちは声をそろえて「日本の方が暑いわ〜」と言うくらいの猛暑猛暑の連日ですが、皆様っ!このあっつ〜い夏を楽しんでいますか〜っ?私の友人達も皆様と同じように、ビーチパーティーやら、プールパーティーやら、BBQやら、夏を大満喫中。そしてひと夏の恋?にも、精を出して思う存分堪能しているようです。

そんな中、私はと言いますと…これといった夏らしいこともせず…。いつの間にか9月を迎えようとしているので、残りの夏をちょっぴり大人に楽しみたいと思っています。

さて!今回のテーマも前回に引き続き『LGBTと住宅』です。

前回は、購入と賃貸ってどちらが良いんだ!?でしたね。その答えは、それぞれのライフスタイルや目的によって変わってくるんだ〜ということでした。忘れてしまった方は前回のコラムで復習してみてくださいね。

今回は『LGBTの住宅購入』を掘り下げて考えてみたいと思います。

私くらいの年齢(私は37歳です。)になると、LGBTの友人、知人、クライアントさんで住宅を購入している人はかなりの割合で多くなってきます。ざっくりですが半数近くは住宅購入しているイメージです。働き盛りで定年までまだまだ時間がある!という30代の時に買う方が多いようです。

では、LGBTが住宅を購入する時にどんなポイントをおさえておかなければならないかを考えてみましょう。(※”LGBT”の中には結婚して配偶者、子供がいる方もいらっしゃいますが、ここでの ”LGBT” は日本在住の独身(法的な配偶者なし)であることを前提として、お話させていただきますのでご了承ください。)

住宅購入をするにあたり、現金一括でボ〜ンと買うのと銀行などで購入資金を借りて住宅ローンを組むのとでは、全く性質が違います。住宅購入の際に、住宅ローンを組む人の割合は全体で見て95%位と言われていますので、住宅購入は“住宅ローン”を組むという設定で考えていきましょう。

住宅ローンを組むということは「負債を抱える。借金をする。」ということです。借金をして一番怖いことは、返済が出来ない状況になった時じゃないでしょうか。ぽっくり死んでしまえば良いのでしょうが、大きな病気などにかかってしまい収入が目減りしたり、途絶えてしまった時の返済はとても大変だと思います。住宅ローンがある、ないに関わらず、不測の事態に備えて、半年位は何もせずに暮らすことが出来るだけの貯蓄は最低限作っておくことはとても大切と私は常日頃お客様にアドバイスしております。

では、こういった不測の事態の際に、結婚しているストレートの方たちとLGBTの方たちとの違いはどこにあるか考えたいと思います。

ストレートの方たちの場合、大きな病気にかかり住宅ローンの返済が難しくなった時、配偶者がいれば返済の援助をしてくれる(かも)ということがあります。

これがLGBT方たちの場合だったらどうでしょうか?パートナーと一緒に暮らしていれば、何かしらの助けは得られるかもしれませんが、通常パートナーから住宅ローン返済の助けを得ることって、難しくないでしょうか?自分の彼氏、彼女がそんな時、援助してくれるかな~?よ~く考えてみてください。年齢や収入にもよるかもしれませんが、そのような状況になった時にパートナーから助けてもらうというのは、現実的に容易なことではないと思われます。私たちのように結婚制度がない関係性での経済的な協力というのはとても難しいことだと思います。

昨今では、結婚しているストレートの方は共働きが多くなってきており、夫婦2人で助け合って住宅購入をしましょう!というスタイルが増えてきています。 住宅ローンを組む時にも、ストレートの方たちだと『夫婦ペアローン』というものもあります。これも法律上婚姻関係にないと組めないローンになります。

そのため、永遠の愛を誓った LGBTカップルでさえも、住宅ローンを組む時はどちらか一人の名義で組まなければなりません。このどちらかの一人の名義というところに問題が生じてきます。それは…

● 名義人が亡くなってしまった時、残されたパートナーが住み続けることは難しい。

ということです。この他にも細かい問題はたくさんありますが、今回はこの問題に焦点をあてて考えてみましょう。

どうして、名義人がなくなってしまった時、残されたパートナーはその家に住み続けることがどうして難しいのでしょうか?それは、もし名義人が亡くなった場合、通常であれば残された財産は法定相続人が相続します。通常であれば配偶者、子供、親、兄妹が法定相続人になりますね。
※法定相続人とは、被相続人(=相続される人)が亡くなったときに、相続する権利がある人をいいます。

私の場合で見てみると、配偶者も子供もいないので親が相続することになります。もし親がいなければ兄妹が相続することになります。法定相続人がいなかった場合は国庫に納められることになります。国に献上するようなものですね。名義人が亡くなってしまった時、生前に何の準備もしていないと残された愛するパートナーは、家を追い出され路頭に迷うことになってしまうわけです。路頭に迷うのは大げさだとしても、2人の愛の巣に住み続けることは難しいのです。

では、どうすれば永遠の愛を誓ったパートナーが自分名義で購入した2人の愛の巣であった家に住み続けることが出来るのでしょうか?

実際、私がお手伝いしたゲイカップルの事例をご紹介いたします。タケシ(仮名)さん&コウタ(仮名)さん。付き合って6年のとても仲の良い素敵なカップルからご相談を受けました。「数年前にタケシ名義でマンションを購入したが、もしタケシが死んだ場合でも、コウタがそのマンションに住み続けられるようにしてほしい」という内容でした。

お二人の要望を叶える方法としてとった方法は、「遺言」です。

こちらのカップルは状況や予算を考慮して、自筆証書遺言を採用しました。タケシさんが亡くなった場合、コウタさんがマンションに住み続けられるように遺言を用意しました。そして、万が一タケシさんが亡くなった時に、遺言だけでは不安が残るので、遺言書の内容をきっちり実現するために、私が遺言執行人をお受けしました。他にも方法はありますが、こちらのカップルにはこの方法がベストだったのです。

ただ遺言を書けば安心というわけではありません。「遺留分」「相続税」というものも考慮しなくてはなりません。こちらについてはまたどこかの回で詳しくやりたいと思います。

このようにLGBTカップルでの住宅購入は、法律上婚姻関係があるストレートの方たちと違い、将来的にいろいろな問題が発生するということを頭に入れておく必要があります。もちろん住宅購入の際の問題点も解決する方法はありますので、落ち込まないでくださいね。これからもLGBTの悩める方たちのために、様々な問題の解決方法を見つけていきたいと思っています!

皆様、素敵なお家を良い方法で購入して、すばらしい未来を築いてください♪

今回はこのへんで!また、お会いしましょう。

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