第22回 つらい気持ちになったときには PART2

梅雨の頃に、「つらい気持ちになったときには」というタイトルで書かせていただきました。今回はもう少し具体的に、特に若いLGBTの人に伝えたいことを書きたいと思います。

どうしてもつらいときや、本当に困ったときは、どうか助けを求めてほしい。「助けて!」と声に出して言ってみてほしい。なんらかのハラスメントや暴力にあっている人は、支援があることを知ってほしい。そして支援につながってほしい。

もし、困っているのが子どもだったら、若い人だったら、信頼できる大人に助けを求めてほしい。助けたいと思っている大人は社会にちゃんといるからと、心からそう思っています。
しかし、困っている人ほどまわりに信頼できる大人がいない状態にある場合が多いこともまた現実。

私にできることは本当に限られていて、「どうやって信頼できる大人を探せばいいの?」と問われれば、自分の子どもの頃を思い出して、そして深いため息が出ます。信頼できる大人が周りにいないからこそ困った状況になっているわけですから…。

LGBT支援活動をしていく中で、「生きづらさ」を抱える若いセクシュアル・マイノリティの人に、たくさん出会います。私にできることなんて本当にあるんだろうか? 私は専門家ではないし、私にできることなんて何もないのではないか。そんなふうに考えることもあります。

私には本当に生きるのがつらくて、リストカットしていた時期があります。その原因は複雑で、私の場合はセクシュアリティのことだけではありませんでした。今リストカットしている人に、私が「切るな」というのは、意味がないことだと思います。切らずにはいられない、どうしようもないつらさがあるんだから。だから切っているんだから。つらさの原因が私のそれとは違ったとしても、本当に苦しくて困っているということはわかるから。

私には何もできないかもしれない。でも、それでも私が言えることは、私は「あのとき、死んでしまわなくてよかった」と、今は本気で思っているということです。そして必ず、生き延びてよかったと言える日が来るということです。

少し具体的なことを書くと、どうしても自分を傷つけずにはいられない気持ちがおそってきたら、背筋を伸ばして、どうか深呼吸してみてください。できれば鼻から、深く深く吐きます。息を吐いて吐いて、なんにもなくなるくらい吐ききったら、また鼻から少しずつゆっくりと息を吸います。これをしばらく繰り返してみてください。

…どうでしょう? 少しマシになっていませんか?

それでもどうしてもどうしても切りたい気持ちだったら、冷凍庫にある保冷剤をギューっと握ってみてください。リストカットと似たような刺激(痛み)がありますが、保冷剤は溶けるので、出血せず、傷にもなりにくいからです。そして心の中の嵐が過ぎるのを待ってみてください。つらい気持ちは必ず去って、落ち着いている自分に戻れるということをしっかり思い出すことが大切です。

私は今、リストカットやさまざまなアディクションなしに、生き続けています。生き延びるには別の方法があることに、別の方法を選択してもいいということに、どうか気づいてほしい。

私には私を助けてくれた大人がいました。今、私が生きているのは、私がちゃんと愛されていることを教えてくれた人たちがいてくれたからです。今度は私がそんな大人になりたいと、いつも思っています。

566_1

もし、「自分には価値がない」「自分なんか愛されるわけがない」、そんなふうに考えているとしたら、それはまだまだ出会いや経験が少ないだけ。まだ広い世界に出ていないだけです。
つらくてつらくてどうしようもないときは、とてもそんなふうには思えないかもしれない。それでもどうか、死なないでほしい。そしてできれば、自分を傷つけないでほしい。

必ずよくなっていく。

そう信じて生き延びてほしいと心から思っています。

【IT GETS BETTER】

Top