第10回 「ホモォ…」「ゲーーイ!」世界のネットに見るゲイネタと対策

 

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キマシタワー。

まきむらよ。

世界のニュースから性を考える「まきむぅの虹色NEWSサテライト」、今回で第10回です!! いつも読んでくださる皆さんのおかげよ。ありがとうございます。

性のことはわいせつじゃなくて、たいせつ。(c)杉本彩

これからも、世界で起こっている出来事を通し、性のことを考える社会の窓的な記事を書いていきたいと思っています!! 毎週月曜日は、ぜひ読みに来てね!

さて、前回の記事

『ホモォ…』SNSに潜むインターネット・ミームと同性愛

に引き続き、今回もインターネット・ミーム特集です。

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インターネット上で広まる、画像や文字情報による「ネタ」のことを「インターネット・ミーム」と呼びます。

日本で同性愛が関係するインターネットミームといえば、前回記事に書いた「ホモォ」や2ちゃんねるにおける「淫夢ネタ」などが代表例ですね。(※リンク先はニコニコ大百科)

今回はちょっと視野を広げ、フランス・アメリカでのネタの実例を見てみたいと思います。

その上で、同性愛者や両性愛者、またその理解者がインターネットを使う際、悪意をはらんで独り歩きするインターネット・ミームとどう向き合えばよいのか? ということを考えてみたいと思います。

★各国のインターネット・ミームと同性愛

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「オバマにオカマがはさまっています」

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「っつーか誰がこんなクリーム食うんだよ」

虹色オレオの画像は基本的に、プライド月間を祝う形で使われました。けれども同時に同性愛を笑いものにする内容、また同性愛やそれを人権として認めるオバマ大統領に対する差別感情の表明として使われたりするケースもみられました。

同じ画像が、真逆の使われ方で広まっていったというわけです。オレオ公式ページの管理者にとっても予想外だったでしょうね。ある画像や文章がインターネット・ミーム化した時、それがいかに制御不可能なものになるか、またそれがいかに大衆の悪意をからめとっていくかということをよく表しています。

★フランス

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フランスでは今年春、同性婚が法制化されたことを受けて反同性愛感情が高まり、「#UnBonGay(良いゲイ)」「#UnGayMort(死んだゲイ)」というハッシュタグが流行しました。

「#UnBonGay est #UnGayMort(良いゲイとは死んだゲイである ≒ 良いゲイなんていない)」を基本形に、同性愛差別的なツイートが氾濫し、トレンド入りする事態に。しかしこちらのハッシュタグに、

「#良いゲイ でつぶやくみなさん、フランスではネット上でもヘイトスピーチが有罪になるのよ」
「#良いゲイ の差別発言を止めるために、このハッシュタグで繋がろう!#GaysEtHeterosContreLHomophobie(同性愛嫌悪に立ち向かうゲイとヘテロ)」
「#良いゲイ とは、少なくともこのタグを考えたやつより賢いやつである」

などと、マジレスから茶化しまで幅広い反応が集まるようにもなりました。あらまあ、グッジョブだわ。わたしだったら

「#良いゲイ、それはつまり俺」

ってつぶやいてやるところね。

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ちなみにこちらのタグは、他にも「#良いユダヤ人」「#良い黒人」のような形で、人を民族や人種単位で侮辱するのに使われています。そしてそのたび、真顔で反差別を訴えるツイートや、逆に差別主義者を笑いものにするようなジョーク、当事者の開き直りツイートなどが寄せられています。

検索したら、1ツイートだけ「#良い日本人(#unbonjaponais)」の形で日本人を侮辱するツイートも見つかったわ。これは、「ファッションのため、おでこにリング型の医療用シリコンを埋め込んで、まるでおでこにベーグルがついてるように見せる手術が日本で行われている」というニュースに対し「日本人ほんと頭おかしい」という反応として寄せられたツイートのようですが、

情弱ね。

そんな手術日本で全く流行ってないし、そういう手術をなさった日本人の方がいらしてもそんなことは勝手だし、その上それを国籍と結び付けて論じるにはなんの論理性もないわ! いまだに「子どもに同性愛がうつる」とかなんとか言ってる人にも似て、人を民族や国籍や性別や年齢や性的指向で侮辱する行為がいかに情報活用能力の低い行為であるかということを、あらためて思い知らされます。

まあ、そんなこと言ったって、人は信じたい情報しか信じないのよね。好きなものはひいき目に、イヤなものはイヤなものとして見ちゃうのよ。

それでも侮辱発言には革命戦士のように団結して立ち向かい、時にはウィットで流すことも忘れない反応はやっぱりフランスだわあって思ったわ。

★インターネット・ミームが歩けなくなる日

動画:英語圏で広まったインターネット・ミーム「Gay Seal(ゲイアザラシ)」。
ただひたすら「ゲーーーイ」「ウルトラゲーーーーイ」と叫ぶ。
音量注意

そんなこんなで、日本/フランス/アメリカにおける、同性愛関連のインターネット・ミームをご紹介しました。作った人の意図に関わらず、大衆の考え方によって独り歩きしていくさまは、どの国にもみられる特性みたいね。

使う人にとって悪意がなくても、同性愛を笑いものにするようなインターネット・ミームが広まるということは、そういう空気が世間にあるのだという証拠にもなります。

しかし、フランスの#UnBonGayがウィットで流されたように、アメリカの虹色オレオがプライド月間サポートにも使われたように、同じインターネット・ミームも人々の考え方によっては違う方向に歩いていくようすがみられます。

わたし個人、同性愛嫌悪自体はなくならないと思っています。けれども、インターネット・ミームが同性愛嫌悪的な方向に広まらなくなる日はいつか来ると思うの。誰かを笑いものにしなくっても笑える日が来るといいわあって、トレンド入りしたホモネタを見るたびに思います。

それでも傷つくという人は、ネタにされている「ホモ」を自分と切り離すといいかも。同性愛者に対する理解も、実在する実感もない人々は、実際の同性愛者自体ではなく、その人の頭の中の「ホモ」を笑いものにしているだけです。

ほとんどの場合、インターネット・ミームそれ自体に悪意があるわけじゃないの。だからそれを悪意ある方向に歩かせないよう、わたしたちひとりひとりが意識していく必要がありますね。

ということで、今週も読んでくださってありがとうございます! ちなみにわたしは、ゲイアザラシちゃんを交通系ICカードに仕込んで、改札タッチするたびに「ゲーーーーイ!」って言われたいわ!

ゲーーーーーーイ!
また来週月曜にね! まきむぅでした◎

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