第10回 スポーツとLGBT

9月2日(月)
衝撃のお出迎えから二日目を迎えたオハイオ州シンシナティ。本日はLabor Dayということもあり、ホテルや24時間ドラッグストアなど以外、殆どのお店はお休み。IVLPの予定にもアポイントメント先は入っていません。この10日間、プログラム終了後も、休日も、夜のパトロールもいろいろ動き回り、食べ回り、ある意味突っ走ってきたので、貧乏性もいいとこ「やることがない」という状況に心が落ち着きません。。。と言っても、日本を出る時に、毎朝早く起きて訪問先の街を走るぞ!と気合いを入れて持って来たランニングシューズとジムウェアをいまさら取り出しても、たった一度のランでリセットできるカロリー数はゆうに超えて摂取してるし。と、うじうじダラダラとホテルのベッドに横たわりながらシンシナティのことやこれからの訪問地のことを調たりしてネットサーフィンしていると、「行政機関初!大阪市の淀川区役所がLGBT支援」というニュースが目に飛び込んできました。きっかけは、今年の3月末にゲイであることを公言しパートナーの男性と日本に駐在しているパトリック・ジョセフ・リネハン大阪・神戸アメリカ総領事が淀川区長と会談をし、協力の依頼をしたことだそうです。アメリカ政府がLGBT問題に相当力を入れていて、このILVPもその一環なんだということを改めて確認しました。それにしても、素晴らしい!東京都も2020年オリンピック開催もあるかもしれませんし、グローバル都市としてフレンドリー宣言して欲しいですね。

午後は14時にホテルのロビーに集合し、文化交流活動です。各所観光施設もLabor Day休館ということで、ほぼ唯一空いていた市内を流れるオハイオ川を1時間半かけて大型船で遊覧する、B&B Sightseeing Riverboat Cruiseに参加することに。オハイオ川を隔てて、北がシンシナティのあるオハイオ州、南がその名の通りケンタッキーフライドチキンの本拠地として有名なケンタッキー州。奴隷制の時代には、工業が発展していたシンシナティは奴隷よりも流動的な労働力を必要とし奴隷制に反対する「自由州」、農業が主な産業であり奴隷の労働力を必要としていたケンタッキーは「奴隷州」と呼ばれ、オハイオ川を挟んで南北戦争では敵対する関係だったとのこと。当時から最も栄えていたシンシナティは亡命の拠点になっていたそうです。そんな話を、絵に描いたような船の男!という風貌のおじいちゃんキャプテンが船内アナウンスで紹介しています。

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通訳Fredさんから、川下りをしにいきます、と聞いていたので、豪華遊覧船を見てびっくり。

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いざ、マークトゥエイン号に!船に乗り込む瞬間って、ワクワクします。

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川風が頬に心地いい!

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m & m チョコのアイスを売店で発見!

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4人で記念撮影。星条旗があると、景色がかっこ良く見えるのってなんでだろう。

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立派な吊り橋。ブルックリンブリッジと同じ人が設計したとのこと。

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おじいちゃんキャプテン。かっこいい。

乗客の8割は田舎から観光に出てきたであろう老夫婦、二人並んでデッキに腰掛け微動だにせず、起きているのか寝てるのかもわかりません。残りはホットドッグ片手にあちこち走り回っている子供とその親、50代くらいの男性と20代くらいのアジア系女性の多分不倫カップル、MLBのシンシナティ・レッズの試合観戦に来たであろう応援キャップとTシャツを来たお父さんたち。ああ、これがいわゆる一般的なアメリカなんだあ、という光景。ワシントンD.C.、ボルチモア、ニューヨークと都市ばかり見て来ましたが、アメリカを多様な角度から学ぶというIVLPの訪問地に加えられている理由がわかりました。ちなみに、シンシナティ・レッズは、その前身が全米最古のプロ野球チームであるシンシナティ・レッドストッキングスで、MLBの中でも最も歴史のあるチームだそうです。

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レッズの本拠地、Great American Ballpark。

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井戸ママが、息子さんにレッズのユニフォームをお土産に。ニューヨークでもいつの間にか仕入れてらっしゃいまいた。

日本以上に、アメリカの国民の生活の中に経済的にも精神的にも大きく組み込まれているスポーツ。「ビジネスランチでは、宗教と政治の話はするな。スポーツの話をしろ。」とよく言われるように、様々なバッググラウンドや経済格差を超えてスポーツが社交のツールとして機能していたり、親子三世代でいっしょにスポーツ観戦というように世代を超えて築く家族の絆のベースになっていたり。特に、MLB(ベースボール) NFL(フットボール) NBA(バスケットボール) NHL(アイスホッケー)がアメリカの国民的4大スポーツ、Big Fourとされています。そしてつい先日、そのひとつであるNBAのベテラン選手Jason CollinsがBig Four現役選手として初めてゲイであることをカミングアウトして、アメリカのメディアで大きく報じられました。現役引退後に告白する選手は過去にも数名いたそうですが、オバマ大統領がCollins選手に直接電話をして応援したり、著名人が自身のコラムやメディアでサポートを表明したりするほど、アメリカ国内にとっては大きな衝撃。Collins選手はスポーツイラストレーテッド誌への寄稿文にて、「私はNBAでプレーする34歳のセンター。私は黒人。そして私はゲイ」と書き出し、「誰もゲイであることを公表してこなかったから、自分が言うことにした。」と、マッチョで保守的なスポーツ界をもっとオープンにという願いを込めて語ったそうです。ロンドンオリンピックでもLGBTであることを公言していた選手は、パラリンピック出場選手も合わせて、世界でたった23名。英国のプロサッカー界では、カミングアウトしたのちに観客からの差別的な発言や選手内でのバッシングなどを受け、自殺してしまった現役選手もいます。子供たちに夢を与えるスポーツ選手による勇気あるカミングアウト、その影響力は非常に大きなものですが、まだまだ厳しい状況にあるのも確かです。

デッキにて心地よい川風を受けながら、怒濤の1週間についてアイスを片手に、4人であれこれ振り返り。のんびりした午後を過ごすことができました。停船所では、遊覧中に好意で撮影してくれていたと思っていたカメラマンが、全員で撮影した記念写真をちゃっかり一枚20ドルで販売していました。ディズニーランドしかり、高尾山しかり、どこの観光地も世界各国、同じビジネスモデルなんですね。「20ドルねぇ。。。」と迷っている僕に、「ちょっとこれ、持ってて」と、井戸ママがカメラマンから見せてもらっている写真を僕に手渡し。おもむろに、その写真をiPhoneにてパシャリ。「よし、これでオッケー!」と笑顔で高島忠夫ポーズです。ここシンシナティにて、久しぶりにオバタリアンという単語を思い出しました。。。

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問題のiPhone写真。よく撮れてます。

夕食は、Labor Dayの中で奇跡的にオープンしていた、ホテルの隣にあるシンシナティのDowntownで唯一というシーフードレストランにて。生牡蠣、クラムチャウダー、ロブスターのベーコン巻き、シーフードサラダと頼みましたが、本日も塩分過多な感じ。。。こんなにおじいちゃん、おばあちゃんが多い街で大丈夫なんでしょうか。。。汗。シンシナティ、二夜連続の塩対応に、明日からの研修への不安も覚えつつ、パトロールするお店も開いていないだろうということで、本日は早めに解散することになりました。

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オイスター。ちょっと小ぶり。

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クラムチャウダー。しょっぱい!

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ロブスター。しょっぱい!

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シーフードサラダ。しょっぱい!

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記念撮影さえ、手ぶれの塩対応。。。涙

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