第14回 twitterでも話題、世界で祝われる「バイの日」とは

 

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チャイナじゃないのよ。アオザイよ。

まきむらよ。

世界のニュースから性を考える「まきむぅの虹色ニュースサテライト」、おかげさまで第14回目になりました!

前回の記事「『ホモ疑惑/レズ疑惑』に対する各国セレブの反応まとめ」も、たくさんリツイートしていただいてうれしく思っています。


この記事を書いていて、ちょっと、気が付いたことがあったのよね。

それは、「”バイ疑惑”ってあんまり見ないな」っていうこと。

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Google検索ヒット数を見てみても、

・ホモ疑惑....約228,000件
・ゲイ疑惑....約191,000件
・レズ疑惑.....約97,500件
・バイ疑惑......約8,210件

と、ケタ2つ違う少なさです。
※検索数は2013年9月28日時点のものです。また、引用符は表記ゆれ除外の為につけています。

いったい、これはなぜなのでしょうか?
ちょうど毎年9月23日は、世界的に「バイの日」として祝われる日でもあります。そこで今回は、バイセクシュアルおよびバイの日を特集。

「twitterでも話題、世界で祝われる「バイの日」って?」と題し、

★ バイセクシュアルとは?
★ バイセクシュアルとパンセクシュアルの違い
★ 世界で祝われる「バイの日」
★ なぜ、バイの日が必要なのか……バイ・プライド・メッセージ

という流れでお届けしたいと思います!

★ バイセクシュアルとは?

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バイセクシュアルの旗

バイセクシュアルとは、平たく言えば「男性でも女性でも恋愛対象となりうる人」のことです。日本語では「両性愛者」という訳語があてられています。

ですが、「男性とも女性とも恋愛したことがある人」というように経験で振り分けてしまう人や、「男性とも女性とも同時に恋愛関係を持つ人」というように状態で振り分けてしまう人もいます。

そのため、

Aさん「俺、ゲイなんだ」
Bさん「いやいや、おまえ女とも付き合ったことあるんだからバイだろ」
Aさん「(゚Д゚)」

とか

Cさん「私、バイなんです」
Dさん「マジか!! 男の夢だよね!! 女同士でセックスしてる時に俺も混ざりたい!!」
Cさん「(゚Д゚)」

みたいなことが起こってしまうわけですね。

バイセクシュアルであることには、経験も状態も必要材料となりません。バイセクシュアルであるかどうかということは、ただ本人が「自分はバイセクシュアルだ」と思うかどうか、「男性でも女性でも恋愛対象になりうる」と思うかどうかの問題です。

言い換えれば、「私はバイセクシュアルだ」とは言えるけれども、「お前はバイセクシュアルだ」とは言えないわけです。ましてや「バイセクシュアル=誰もが恋愛対象=誰とでも俺とでもセックスしてくれる」というのは、完全な誤解です

★ バイセクシュアルとパンセクシュアルの違い

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関連して、よく「バイセクシュアル(両性愛)とパンセクシュアル(全性愛)の違い」についても話題にのぼりますね。個人のアイデンティティとしてはそれぞれですが、言葉としての意味は以下の通りです。

▼バイセクシュアル
両性愛者。
「男/女」の両方が恋愛対象。
性別は男と女のふたつであるとする、男女二元論的な見方をする言葉。

▼パンセクシュアル(=オムニセクシュアル)
全性愛者(=汎性愛者)。
全ての性別が恋愛対象。恋愛に性別は関係ない。
性別は男と女のふたつであるとする、男女二元論的な見方をしない言葉。

現代日本には、「男/女」「同性愛/異性愛」という二元論で性をとらえる考え方が強くあります。冒頭で紹介したように「バイ疑惑」の件数が少なくなるのも、こういった「同性愛でなければ異性愛だ、異性愛でなければ同性愛だ」というような二元論的価値観のせいではないでしょうか。

★ 世界で祝われる「バイの日」

ということで、バイセクシュアルとは何か、ということについてお話してきました。

続いては、ついこの間の9月23日、世界で祝われた「バイの日」についてお伝えします。

「バイの日」は、バイセクシュアルを自認する人々、またそのあり方に理解を示す人々が、バイセクシュアルとして生きるプライドをお祝いする日です。

そもそも毎日生きてるだけでそれぞれ誰もがプライドパレードなんだけれども、特定の日を決めることによって、「バイはここにいるんだよー」という存在感を出していけるし、バイというアイデンティティを持つ人同士でも集まりやすい、という訳ね。

正式名称を「セレブレイト・バイセクシュアリティ・デー(Celebrate Bisexuality Day)」と言い、CBDと略されることもあります。他にも「バイセクシュアル・プライド」とか、「バイ・ビジビリティ・デー(バイの存在を見えるようにしよう、の日)」などと呼ばれています。

1999年アメリカで始まり、以降世界に広がっているムーブメントです。今年の各国での様子をみてみましょう。

▼日本
Twitterで以下ハッシュタグが出現。
(各項目をクリックすると、実際の書き込みが見られます)
#9月23日はバイの日
#バイセクシュアルの日

▼アメリカ/ワシントンDC
ワシントンDC初の公式「バイ・プライド・デー」。
バイセクシュアリティについて語り合う、全年齢対象のフォーラムを開催。
他にも、以下のような声明を発表。

「各自でクリエイティブに祝いましょう。プールパーティ、バーベキュー、ファンドレイジング、持ち寄りパーティ、仮面舞踏会、パネルディスカッション、展覧会、隠し芸大会、コンサート、キス・イン、フラッシュモブ……楽しんで、オンラインに配信して! ここにいるんだってこと、伝えましょう!」

▼アメリカ/ニューヨーク
「なぜバイであることを祝うのか?その5つの大きな理由」と題した講演会と質疑応答を開催。パーティや、バイセクシュアルが登場する映画「Something for Everyone」の上映、ディスカッションも。

▼アメリカ/ベイカーズフィールド
ベイカーズフィールド大学でゲームやパネルディスカッションを開催。公園でのバーベキューも。

▼フランス/パリ
「国際バイの日」と題し、バイについてのパネルディスカッションを開催。

▼イギリス/マンチェスター
22日、バイセクシュアルの権利活動団体・バイフォリアがイベントを主催。
バイの歴史に関するトークや、ポスター展示、飲食物の提供など。

▼イギリス/サウザンプトン
サウザンプトン・ソレント大学のマウントバッテン図書館にて、バイセクシュアルに関する展示。9月30日まで。

▼アイルランド/ダブリン
バイセクシュアルの権利活動団体、バイ・ヴィジブルが交流会を主催。

▼オーストラリア/ヴィクトリア
バイセクシュアルの権利活動団体、バイ・アライアンスがディナー会を主催。

▼イスラエル/テルアビブ
初のバイ・プライドを開催。

以上、各地でそれぞれのイベントが行われた模様です。このほか、同性愛を犯罪と定める国をはじめ、イベントをしたくてもできない国はまだまだありますから、きっと情報非公開ながら小さくお祝いしたところもあるのではないでしょうか。

英語のツイートは以下のハッシュタグで見られます。
#BiVisibilityDay

★ なぜ、バイの日が必要なのか……バイ・プライド・メッセージ

最後に、現時点で40,000再生を超えているバイ・プライドについての動画メッセージを日本語訳してご紹介します。

“幸せへの鍵”
ええ、自分はバイセクシュアルです
何か問題でも?

私達は混乱しているわけではありません
私達は“試しているだけ”ではありません
私達は目立ちたくてバイだと言っているのでもありません
カッコイイと思っているからでもありません

私達は、私達でいるだけなのです

(数十秒、さまざまなカップルの写真が続く)

あなたが信じること、考えることに関わらず

時々、つらいこともある
なぜなら私達は
ゲイとストレートに分かれた世界では
部外者扱いだから

だけれども、胸を張って立ちましょう!
私達は私達なのだから
誰も
私達を変えることはできない

あなたがあなたであることに
プライドを持って

……さて、ここで言う「私達」って、一体誰のことなのでしょうね。
「私達」として寄り添いあうためには、「私達」でないものを決める必要があります。そのために「私達」の共通点が判断材料となり、それはいつか「私達はこうあるべき」という圧力に変わっていきます。

「私達、同性愛者」として寄り添いあうために、あるいは「私達、異性愛者」として寄り添いあうために、バイセクシュアル(両性愛者)はとにかく「私達でないもの」として利用されてきました。

「男と付き合ったことあるなら本物のレズじゃない、お前はバイだ」
「女と結婚しているならお前はバイじゃない、異性愛者だ」

寄り添うための目印の旗だった言葉は、いつか人を区別して押し込める檻のような言葉になり、「私達いっしょ」という安心感と引き換えに「私達でないもの」を排除しています。

だからといってバイセクシュアルが絶対的な被害者であり弱者であるというわけではなく、別の属性や特徴によってお互い「私達」をまとめ「私達でないもの」を排除しながらみんな生きています。

そういう中でこれ以上、まとめるための排除をしないために、バイの日はバイでない人も含めて、バイと言うあり方をあくまで個人の一部として祝っていきたいものだわって思いました。

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「アオザイって要はチャイナドレスじゃん!」

人は必ずしも、自分の思うとおりに扱ってもらえるとは限らない。けれども何を言われたって、自分は自分であるというプライドを、寄りかからずに持っていたいわね。あなたの目にはチャイナドレスに見えても、わたしの着ているこれはアオザイなのよ! ただしこれは、わたしの一部であって全部じゃないけどね……って。

ということで、また来週月曜にね! 読んでくださってありがとう。まきむぅでした◎

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