第18回 Nike Be True

9月10日(火)
いよいよ今日は、IVLP最後の訪問都市、オレゴン州ポートランドに向かって出発。朝6時半にHoliday Inn のロビーを出てタルサ空港に到着し、2週間強の旅でパンパンに膨れあがった荷物を何とか重量制限ギリギリで預けてチェックイン、8時47分発のユナイテッド航空594便に乗り込みます。席に座ってしばらくしても動き出す気配がないので、MacBook Airを開いて2CHOPOの原稿をカチカチ進めることにしたのですが、さすがに疲れが溜まっていたのか、いつの間にかウトウト。心地よい気分でゆったりしている中、ガサゴソと音がし始めたので、ハッと目が覚めて、そろそろドリンクサービス?と周りを見ると、荷物を取り出して席を立ち始める人たち。どういうこと?到着?そんなに寝てた?意味がわからず、思考ストップ。うっすらと流れるアナウンスを聞いてやっと理解。それは、エンジントラブルにて飛び立つことができないため、全員機体を降りてフライトの振替をしてください、という機長からのお願いアナウンスでした。責任感の強い通訳FredさんがUnited Airlinesのカウンターにて、あれやこれや交渉して、何とか6人分を確保してきてくださったのは、13時11分タルサ発、ヒューストンで乗り換えて、20時22分ポートランド着、本来の予定からすれば約8時間遅れという悲劇的なもの。Fredさんいわく、それでも、このフライトは良いほうで、その他の便は深夜着だったり、3回乗り継ぎだったり、と絶望的だったとのことでした。僕たちのポートランド滞在での唯一の自由行動デーは、一瞬にして空に消えてしまいました。無念。

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タルサ空港で朝日を浴びて。

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みんなで朝食。井戸ママと思いきや!?店員さんといっしょに。

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このあと、悲劇が起こりました。

それでも気持ちの切り替えが早いのが、4人の共通点。ヒューストンに到着してからポートランド行きに搭乗するまで、かなり長い待ち時間だったこともあり、飛行機を降りるやいなや、井戸ママは「ちょっと行ってくる!」と颯爽と大きなヒューストン空港のお土産ショップ街に消えて行ってしまいました。このIVLPにていろいろな街を巡る中で、日本で待つちびっ子たちのために、アメリカ各地の野球チームのユニフォームを調達していて、これだけ大きな空港なら、ヒューストンだけでなく全国のチームウェアを扱うお店があってもおかしくないと。残された3人は、United Airlinesのラウンジに向かうことに。僕の持っていたカードでは同行者は1人までOK。まずは、小野ちゃんと僕がいっしょにラウンジに入室。その後、すぐに僕だけ外に出て、大悟さんを迎えに行きます。「大悟さん、自分はラウンジにもともと入ってたんですけど。ちょっと外に行ってただけ。なにか?って顔で、堂々としててくださいね。」というオリエンテーションにうなずく大悟さん。「行きましょう!」と、自動ドアをあけ、そしらぬ顔でカウンターも通らず、さささっとラウンジへ。心なしか、ぎこちなく胸を張り過ぎて歩く大悟さん。ラウンジスタッフは、接客中で、こちらに気づかない様子。一応、元国会議員先生なのに、こんな庶民なことをさせてしまって。。。ソファ席に辿り着き、「作戦成功ですね」と、きゃっきゃっと騒ぐ二人を見ながら、深く反省。。。次のフライトまでは、僕は原稿仕上げ、二人は、フライトやホテルの検索。IVLPはポートランドで終了なのですが、せっかくなので、終了後にサンフランシスコに向かうことにしたとのこと。羨ましい!

オレゴン州ポートランドには定刻通り到着。荷物をピックアップし、バンで迎えに来てくれていたガイドのBillさんと合流し、ポートランドの中心地へ。ちょっとだけ暗くなりつつありましたが、オシャレなカフェやレストラン、ショップなどが並ぶポートランドの街の様子はバンからも良く見えます。グッドの中でも流行りもの、オシャレなもの、イケてるもの担当のマコト(本人がそうかどうかは別ですが。笑)が教えてくれた『KINFOLK』の世界、そのもの。2011年にNathan Williams という編集者が写真家、作家、イラストレーター、デザイナーの仲間たちと、ここポートランドにてはじめたというライフスタイル雑誌『KINFOLK』のテーマは、スモールギャザリング。家族や友人、仲間、隣人といった、身近で親しい人同士で小さく集まり、人生のスライスを肩肘張らずにシェアしようというもの。食、小さな旅、フラワーコーディネート、コーヒーなど、日々の暮らしにまつわる美しい情景が気持ちよく切りとられた、これまでにない新しいスタイルが話題で、第8号では日本特集も編纂されたり、日本版も創刊になったりしています。モノや情報だけでなく、いっしょに実践し、共有する仲間とのつながりや関係性に人生の豊かさを見つけてみない?というメッセージが、どこかLGBTの暮らし方のヒントとして投げかけられているようにも感じます。Nathanさんは奥様もいるストレートですが、過去のインタビューでもLGBTフレンドリーであることを公言し、顔の見える心地よい小さな仲間づくりがあちこちで広がることは、Stigmaを取り除くことにもつながるよね、と語っていたりします。

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ライフスタイル雑誌『KINFOLK』はこちら。

最後の宿泊は、ポートランドのオフィス街近くにあるThe Benson Hotel。ポートランドでの研修プログラムを組んでくださったWorld Affairs Council of Oregonのプログラム担当Mariko Gilmanさんとロビーにて合流し、3日間の訪問先について伺います。内容は、LGBTセンター、若者LGBT向けシェルター、役所の人権担当、議員オフィスから家庭裁判所まで、最後の都市にふさわしいかなりのテンコ盛り状態。「これは、体調を整えて、望まなきゃね。」ということで、真っ白なシーツのベッドにダークブルーのバスローブが置かれた、ちょっと大人エロい部屋に荷物を置いて、コンシェルジュがオススメするシーフードレストランを予約し、夕ご飯を食べに行くことに。テーブルいっぱいに料理を注文してシェアして、さっそくスモールギャザリング in ポートランドを実践。ほんと、食の趣味もいっしょで、食べることが大好きな3人で良かった。。。笑。

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こだわりのホテル、The Benson Hotelの部屋には、ダークブルーのバスローブ。エロい。

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トイレットペーパーも、このこだわり。

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大好きな牡蠣で、スモールギャザリングがスタート。

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そろそろ季節ですよね。日本産が一番、美味しかった!笑

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プリップリのロブスターが入ったクリームパスタ。

恒例の大悟さんとの夜のパトロールも、コンシェルジュのオススメの店「CC’s」に。レストランも当たりだったのでゲイバーにも期待しましたが、(そもそもコンシェルジュがゲイバーを教えてくれるというのも、凄いですね)、その予想ははずれ、平日の夜ということもあり、お客さんはまばら。ちょっぴり不満そうな大悟さんをカウンターに一人残し店内を探索する中で、ふと置いてあったLGBTフリーペーパーの中に、Nikeのレインボー広告を発見。実は、アメリカ大使館から今回のIVLPの訪問先の希望を事前に聞かれる中で、ぜひLGBTフレンドリーな企業、特に社内雇用制度の面だけでなく、よりコミュニティ全体への活動を推進している企業に訪問したいというリクエストしていて、ポートランドから10kmちょっとしか離れていないビーバートンという街に本社を置くNikeにも行けるかも?と、グッドの活動、普段の広告会社での仕事、両方の視点から期待していました。残念ながらプログラムには含まれていなかったのですが(涙)、偶然、広告という形で触れられたことに、ちょっぴり嬉しい気持ちに。

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コンシェルジュのオススメ「CC’s」にて。

この『#Be True』というのは、約15年間に渡りアメリカにおいてLGBTコミュニティと連携してきたNikeが、今年、立ち上げたキャンペーンのメインコンセプト。ブラジルにて次のオリンピックが開催される2016年までにスポーツ界におけるLGBTへの差別をなくそう、とアメリカ全土に呼びかけているもので、Be Trueラインナップという商品群も発売し、その売上はLGBTコミュニティの活動に寄付される仕組みになっています。さらに、この6月にポートランドにて開催された、今年で第二回目を数える「2013 LGBT Sports Summit」も冠スポンサーとしてバックアップしていて、Nike本店のディスプレイは6月のプライド月間ずっとレインボーだったそうです。同じくスポンサーをする「AIDS WALK PORTLAND 2013」も、僕たちの帰国後の9月22日ということで、これまた残念。日本に戻ったら、来年のカラフルランに向けて、Nike Japanにアプローチしてみようかな。

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Nikeのレインボー広告「# Be True」。

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Be True ラインナップ。こんな商品、いっしょに開発してみたいな。

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「LGBT Sports Summit 2013」にあわせて、Nike本店にはこんなフォトスペースができたそうです。

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今年6月のプライド月間の様子。

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9月22日に開催される「AIDS WALK PORTLAND」のポストカード。来年のカラフルラン、Nikeにアタックしてみようかな。

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