社民党党首選立候補!オープンリーゲイ議員 石川大我さんインタビュー

 Comment  インタビュー   石川大我              

バブリーナ編集長(以下、バブ) この度の社民党党首選へのご出馬、おめでとうございます。石川大我さんはゲイであることをカミングアウトされ、現在、豊島区議会議員として活動されていらっしゃいますが、ご自身のセクシュアリティを公言されようと思ったきっかけからお伺いできますか。

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石川大我さん(以下、石川) 僕は1999年にいわゆるゲイデビューして、翌2000年には「すこたん企画」(現・すこたんソーシャルサービス)に参加し、セクシュアルマイノリティに関する講演や執筆活動などを始めました。2005年からは、LGBTの若者を支援するNPO「ピアフレンズ」の代表になり、その後、前・社民党党首の福島瑞穂参議院議員の秘書を務めました。これまで様々な活動を通して感じた事は、少数派の人々は必ず存在しているのに、政治の中では“いないもの”にされてしまうという事です。そんな社会を変えたい、変えるためには、政治の世界に飛び込んでみるのが一番早いのではないかと思い、2011年、ゲイである事を公表し豊島区議選に立候補しました。

バブ 1996年の党名変更後、社民党としては初の党首選で、また石川さんがセクシュアリティを公言した議員として出馬されたことが話題となっています。セクシュアリティを公言した議員として党首選を闘ってみて、実際の周囲の反応はいかがですか?

石川 社民党の党首選に立候補するには、国会議員3分の1以上の推薦または党員200名の推薦と所属都道府県連合の推薦が必要というハードルがあります。今回、自治体議員19名、一般推薦人207名の方が、石川大我と共に党首選を戦いたいと言って下さいました。また9月26日には東京都連合からの推薦も頂き、立候補する事が出来ました。ゲイをカミングアウトをして議員活動を行い、その中でも事あるごとにセクシュアルマイノリティの人権の大切さを訴えてきました。こうした活動をしている人間を多くの方々が支持して下さっている事が、何よりも嬉しいです。

社民党は弱い立場の人に寄り添う政治をしていると思うんです。「社民党」というとどうしても古臭いイメージがありますが、ちょっと取っ付きにくそうなオジサンでも、話してみると何か問題意識を持って活動している人が多いんです。例えば今回、全国を駆け回っている中で出会った、視覚障害を持っている「その検査を小学校で一律やるのはおかしい」と差別と闘った方は、僕のLGBTに関する取組みをとても評価してくれていました。

バブ これまでオープンリーゲイ議員として活動されて、メリットやデメリットはありましたか?

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石川 やはり当事者ですので、セクシュアルマイノリティに関する政策は取り組み易かったです。これまで若年層と性的マイノリティの自殺対策について取り組み、豊島区自殺予防対応マニュアルの作成に関わりました。デメリット…ではないかもしれませんが、他の議員の先生方の中には、僕のことをゲイだと知らずに「まだ結婚しないの?」「子供は何人いるの?」と聞いて来られる方もいらっしゃいます。敢えて否定するのも失礼なので、そのままのらりくらりと交わしています(笑)。親御さんに結婚を迫られる皆さんと同じ様な悩みです(笑)。

バブ 所信表明では、党の再生「社民党のリニューアル・オープン」を掲げていらっしゃいますが、社民党の支持が低迷した理由をどのようにお考えでしょうか。また具体的な再建案や理想とする社民党の方向性、ビジョンなどをお聞かせ下さい。

石川 社民党は善かれ悪しかれ、社会党時代からの伝統のある政党です。なので、党内には昔からの「当たり前」が多いんですよね。「選挙になると、いつもの人たちがいつものように集まり、いつものように選挙を闘い、いつものように負ける」という(笑)負の連鎖なんです。これを今の時代にあったやり方、ポスターもそうですし、見直しを行います。今回、僕を支持してくれている社民党ユースと呼ばれる改革若手議員が約20人いますが、若い党員・議員を育成することも急務だと考えています。また社民党はこれまで少数者の声を政治に届けてきました。今後もマイノリティの側に立つ党として、そして国民の皆さんの身近な政党として在りたいと思っています。

バブ 前回の参院選では、2CHOPOから各政党への「セクシュアルマイノリティ」についてのアンケートにご協力いただき、社民党からはセクシュアルマイノリティについて大変理解のあるご回答をいただきました。これまで石川さんがセクシュアルマイノリティについて取り組まれた施策や、また石川さんが党首になられた際、今後セクシュアルマイノリティに対して、社民党としてどのような施策をお考えでしょうか?

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石川 同性婚、パートナーシップ法案に関しては取り組んでいきたいですね。そして、法律以外でも、僕らの社会をより良くする方法はあります。例えば、数年前に取り組んだものとして、「婚姻要件具備証明書」の問題がありました。これは例えば、日本人が外国で同性婚をする場合、日本の法律で結婚できる条件を備えている事を、日本政府が証明した公的文書なのですが、2002年に相手の性別の記載欄が設けられ、相手方の性別が同性の場合は「婚姻要件具備証明書」が交付されない事になってしまいました。これは役所レベルでの嫌がらせだと思っていますが、これを解決したい、と福島みずほ参議院議員や前参議院議員の松浦大悟さんらと取り組みました。具体的には外務省の官僚を相手に、これを改善してほしい、とする話し合いの場を設けるのです。これには僕はNPOの代表として取り組みました。そして、「婚姻要件具備証明書」自体は変えることができませんでしたが、「独身証明書」という新しい書類を発行することで、これを解決することができたんです。なので、法律をつくるだけじゃなくても、色々と政治がやれることはあります。

バブ ひとりの「セクシュアルマイノリティ」としては、どのような社会を望まれますか?

石川 友人のホームパーティーに行ってみると、そこには男女のカップル、人種の異なるカップル、年齢の離れたカップル、同性のカップル…様々なカップルがいて、でもそれが当たり前で、何の疑問もなく楽しく過ごせる様な…そんな社会が理想ですね。

バブ 最後に、2CHOPO読者の皆様にメッセージをお願い致します。

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石川 政治は暗いとか、カッコ悪いとか、そんなイメージを持たれている方が多くいらっしゃるかと思います。ですが、その政治で皆さんの望む社会へと変える事が出来ます。社民党の先の参院選での支持率は、0.4%でした。今回の党首選報道後には1.2%に上昇しました。今、社会は「ゲイの区議が党首選に出る」とうことをキチンと評価してくれるまでに変化しました。これは、諸先輩方の、ほんとうに、血のにじむような努力や、今の若い世代のみんなの取組みがあったからこそ、だと感謝しています。僕達セクシュアルマイノリティは、日本国民の5%いるという調査結果もあります。例えばもし、日本中のセクシュアルマイノリティの皆さんが社民党を支持して下されば、セクシュアルマイノリティの皆さんの意思をそのまま反映できる政党にもなり得ます。社民党に限らずですが、ぜひ政治にもっと関心を持って頂けたらと思います。政治で、セクシュアルマイノリティへの偏見や差別のない社会を作ることができます。皆で社会を変えていきましょう!

バブ 石川さん、ありがとうございました!

取材協力:akta http://www.akta.jp/
写真:服部敦

 2013/10/13 06:00    Comment  インタビュー   石川大我              
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