第17回 アニメ、マンガ、ゲーム…二次元キャラとの恋愛・結婚

 

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まきむらよ。

世界のニュースから性を考える「まきむぅの虹色NEWSサテライト」、今回で第17回目となりました。

前回記事「dziewczynygames.com」で作成したまきむぅ好みの二次元美少女

アニメ、マンガ、ラノベ、ゲーム……

この世には、二次元のフィクション世界に登場するキャラクターたちへ向けた、本気の恋が存在します。

ルイズコピペが大流行。また、愛するキャラクターを二次元キャラとの結婚法制化を求める署名が行われました。その結果、1年半の間に集まった署名は、なんと3,550件。(※現在は署名募集終了)

また2009年には、二次元キャラクターとの結婚認定証を発行する私設協会も設立されました。(※こちらの記事で直接紹介はしませんが、ご興味のある方は検索してみてね)

そんな流れの中、愛する二次元キャラクターと、本当に結婚式を挙げる方々も。続いては世界のニュースから、二次元キャラとの結婚式2件をご紹介します。

★ ケース1:ゲームキャラと結婚した男

動画:ゲームキャラクター・姉ヶ崎寧々との誓いのキス

2009年11月、とある日本人男性が、愛するキャラクター(と呼ぶのは彼にとって正確でないのかもしれませんが)との結婚式を挙げました。

お相手は、コナミが発売したニンテンドーDS向けゲーム「ラブプラス」のキャラクター、姉ヶ崎寧々さん。素直で優しく面倒見のよい、「ラブプラス」内でも人気のキャラクターです。

なんと結婚式はグアムで、披露宴は日本で行われました。その様子はアメリカのテレグラフほか各国メディアで報道。参列者たちと、ニコニコ生放送の視聴者たちに見守られ、式はしめやかに行われたようです。

★ ケース2:アニメキャラの抱き枕と結婚した男

動画:抱き枕と結婚した男性

続いて、2010年3月。当時28歳の韓国人男性が、日本のアニメキャラクターが描かれた抱き枕と国際結婚の式を挙げました。

お相手はテレビアニメ「魔法少女リリカルなのは」に登場する主人公の一人、フェイト・テスタロッサさん。人気声優・水樹奈々さんが演じていることでも有名ですが、フェイト抱き枕と結婚した男性にとっては「中の人などいない」のかもしれませんね。

イギリスのメディアが報じたところによると、男性はフェイト抱き枕をどこにでも連れて行っていたのだとか。公園デート、イベント見物、乗り物にも同席。食事に出る際にはフェイト抱き枕のための席をとり、フェイト抱き枕のための食事も注文していたといいます。

★ なぜ世界では同性婚が認められ、二次元との結婚は認められないのか

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以上、「二次元キャラとの結婚」を2件ご紹介しましたが……

「どうやってセックスすんの?」
「子どもどうすんの?」
「異性にモテないからでしょ?」
「青少年に悪影響だ!」
「病気だ!」

彼ら二次元キャラと結婚した人々に浴びせられる揶揄は、驚くほど、ちょっと引くほど、すっかりばっちり、同性愛者に対する揶揄と同じです。

予想通りというかなんというか、彼らの結婚式を報じるニュース記事や動画には「同性結婚もこーゆーのと同じだよなwwww」「同性婚なんか認めたせいだ! 伝統的結婚制度を守れ!!」みたいなコメントがガンガンついています。

ちょっとここで「同性結婚が実現したら……」にまつわる揶揄をまとめてみますね。

「二次元との結婚も認めろよwwwww」

――2012年、とある2ちゃんねらー

「動物との結婚も認められるようになったりね」

――2012年、ビートたけし氏

「子ども達が性犯罪にさらされる」

――2013年、フランス反同性婚デモにて

「Oh! つまり俺は右手と結婚できるってこと? :D」

――2010年、とある英国のFBユーザー

「右手と結婚」の意味がわからない純粋なあなたは、背後に上司や家族がいないタイミングで「右手が恋人」と検索してみていただきたいと思いますが、とかく、とにかく、とりあえず、みんなほんと「男と女」「それ以外」で見てるのねぇ。わかりやすい世界観ですが、それは「わかった気になりやすい世界観」でもあるでしょう。同性婚と二次元との結婚を同列に語るには、決定的な相違点があります。

なぜ世界では同性婚が法的に認められ、二次元との結婚は法的に認められないのか。その理由は一点。「同性結婚ならば当事者の意思が客観的に確認できるが、二次元との結婚では当事者の意思が客観的に確認できないため強制結婚となるおそれがある」からです。

つまりエヴァンゲリオンで例えれば、「あなたが綾波レイと結婚したくて、また綾波レイもあなたと結婚したいと言ってくれているとしても、あなた以外の人間はその綾波レイの意思を確認することができない」ということですね。残念ながら。

また世界には、二次元キャラとの結婚だけでなく、
・動物との結婚
・エッフェル塔やベルリンの壁など「物」との結婚(“対物性愛”と呼ばれます)

などの事例が見られます。

そういった「結婚したい」気持ちそのものは尊重されるべきです。式を挙げることも、妄想することも自由です。しかし、二次元キャラ/動物/物/幼児や小児といった、「本人が結婚したいと思っているかどうか」を万人がはっきり確認することの難しい存在について、社会の側が「結婚」という形で関係を認めることはやはり難しいでしょう。

それは、二次元を愛する人や、動物を愛する人や、対物性愛者を迫害するためではありません。そういった方々が愛している対象の意思を尊重するためです。

将来、技術や学問の発達により、二次元キャラが客観的に確認できる自己意思を持ったり、動物や物とのコミュニケーションが可能になってくればまた話は変わってくるかもしれないわね。しかし、対象とのコミュニケーションが「私にはわかるんです」の域を出ない限りは、同性結婚と二次元/動物/物との結婚を同列に語ることはできません。

★ 「認められなくても、結婚する」ということ
まあ

とはいえ

なんといえ

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わけよね。(どどーん)

一度火が付けば燃え上がり、止まらないのが恋なのよ。あまりにも激しい恋は、いつか燃え尽きたとしても、愛という赤い痕になって消えないのよね。

だんだんポエムじみてきてしまいましたが、とにかく! 同性婚も二次元婚も、同列には語れないにしろ、現代日本の法律で認めてもらえないという点では共通しています。

法律が変わるように働きかけるのも、ひとつの手でしょう。しかしそんなの待っていられないという方には、「法律でダメでも、せめて周りの人に認めてもらうための結婚式」をお勧めします。

小さな人数だっていいんです。家族を呼べなくたっていいんです。とにかく、ふたりの関係を認めてくれる人に、「おめでとう」を言ってもらうだけで実感はかなり変わりますし、っていうか誰も呼ばなくたってお互いだけでやってもいいですよね。誰が認める・認めないに関わらず、自分の愛は自分で抱いてるんだから。

また、結婚情報誌ゼクシィが送った伝説の企画、

妄想用婚姻届

への記入もかなりおススメします。

私事ながら、わたしことまきむぅも先月フランスの法律で妻と結婚しまして。けれどもこの結婚、あくまでフランス国内での同性結婚ですから、日本では無効になります。在仏日本大使館から渡された「報告的婚姻届」も、日本の役所に届くまでもなくパリの日本大使館の窓口の時点で受け取り拒否になっちゃうんですね。んまぁ。

けれどもね……

受け取られようが受け取られまいが……

書くのは自由だってんですのよオコンチクショー

ええ書いてやりましたとも。ニヤニヤしながらね。かなり夢広がります。まあ法的に認められなければ、手術の同意書やら墓に入る時やら、現実的な場面でまったく役立ってくれない婚姻届になることは確かなんですけど。それにしても夢を見る為には役立ってくれるわけです。うわっほーい。ちなみに婚姻届って、役所で普通にもらえますよ。

なにはともあれ、愛は確かにそこにあるわけよね。法律で認められなくても、相手にフラれたとしても、まずはその愛する喜びのほうに目を向けたいものです。もちろん怒りや悲しみを抑える必要はないけれど、満ちみちる喜びの声で、少しずつ“常識”が変わっていくのだって素敵じゃない? 実在の相手に押し付けるのでなければ、妄想ラブレターや妄想婚姻届や法律関係ない結婚式、ガンガンやっちゃえばいいじゃないってわたしは思います。

ということで、読んでくださってありがとうございました。また来週月曜にね! まきむぅでした◎

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