第22回 マイノリティって誰のこと? イスラム圏女子教育の事例から

 

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月曜よ。
まきむらよ。

毎週月曜、世界のニュースから性を考える「まきむぅの虹色ニュースサテライト」をお届けしております。

前回記事「カンヌ最高賞映画に『本物のレズビアンSEXじゃない』の声」、コメントを添えてのツイートやいいね! などたくさんの反響を頂きまして嬉しく思います。

ニヤニヤしながら超見てるわよ!<●><●>

もしも、この連載があなたにとって、世界のニュースを知ることだけにとどまらず、世界のニュースから考えるきっかけになったならば、とても光栄に思います。

さて、今回お送りする記事のテーマは、広い意味での“セクシュアルマイノリティーズ”についてもう一度考えるということです。

具体的には、16歳のノーベル賞候補マララ・ユスフザイさんのニュースを特集。
★ 「女なのに学校に通った」ことを理由に撃たれた少女
★ イスラム圏で何が? 「タリバン=イスラム=女性蔑視」は早とちり
★ 欧米に頼り切らない、イスラムを変えるイスラムのヒロイン
★ 「セクシュアルマイノリティーズ」って誰のこと?

以上の流れでお届けします!

★ 「女なのに学校に通った」ことを理由に撃たれた少女


国連にて、堂々とスピーチする16歳の少女。

彼女の名はマララ・ユスフザイさん
パキスタンで生まれ学校に通う、ひとりの学生です。

16歳の少女が学校に通うことは、今の日本の感覚で考えれば“普通”のことに思えるかもしれません。

けれども、彼女を始めとしたパキスタンの人々にとって、学校に通うことは命がけのことであるといえます。

パキスタンという国の領地、特に北西部においては、イスラム過激派・タリバンとアメリカ軍との戦闘が今も繰り広げられています。タリバンはイスラム教の聖典・コーランを根拠として使い、こう主張しています。

「女性は勉強・仕事・外出をすべきでない。男性に管理されるべきだ」

学校に通う女性はタリバンに脅され、またそうでない人々もアメリカ軍のタリバンに対する無人機攻撃にさらされる。

人々の学校に行く権利はおろか、命までもを奪われかねない状況が、現代のパキスタンにはあるのです。

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そして2012年、彼女の不安は現実となってしまいました。
中学校から帰るスクールバスに、2人組の男が乱入し、マララさんを銃撃。頭と首に命中、意識不明の重傷。また一緒にいた友達ふたりも負傷しました。

この事件は狙われたマララさんたちのみならず、同じように学ぶ人々やその家族をも深く傷つけたことでしょう。

事件後には5人の容疑者が逮捕されましたが、それで解決したわけではありません。タリバンが女性を男性の管理下に置こうとする動きはとどめられず、女の子が学ぶ学校への攻撃などもやみませんでした。

しかし、マララさんは負けませんでした。意識が戻ると、すぐに父親の安全を心配しました。そして銃撃の恐怖と戦いながらも、引き続き勉強し、意見を発信することを続けていきました。

タリバンへは「女の子が勉強する権利を奪わないで」
アメリカへは「パキスタンの罪もない人々を巻き込んだ無人機攻撃をやめて」と。

勇気をもってタリバンを批判した父親のこと、学校で学ぶ権利を奪われた子どもたちのこと、家に閉じ込められた女性たちのこと、アメリカの無人機攻撃にさらされる町の人々のこと――マララさんは銃撃されてもなお、自分のまわりの人々への想いを忘れることがなかったのです。


そして2013年11月20日、マララさんは、思想の自由を訴える活動に対してEUが贈る「サハロフ賞」を受賞。

他にもノーベル平和賞候補に選ばれるなど、大きく評価されることになりました。

★ イスラム圏で何が? 「タリバン=イスラム=女性蔑視」は早とちり

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さて、この話を受けて、正直こんな感想をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。

「またタリバンか」

それもそのはずというか、なんというか。イスラム圏において、イスラム過激派・タリバンによる暴力というのは、マララさんに対するものだけにとどまりません。

ちょっと、軽くだけどまとめてみるわね。
暴力表現が苦手な方はお花画像のところまで読み飛ばして、リンク先の写真なども見ないようにしてね!

▼タリバン影響下の女性に対する暴力として報じられた事件
タリバン兵士である夫のDVから逃亡した女性、夫から逃げきれず耳と鼻を切り落とされる(AFP)
レイプ被害含め、婚外交渉を行うなどして「家族の恥」とされた女性をその父親や男兄弟が殺害する「名誉殺人」が横行(ロイター)

 

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そんなこんなでもう、なんていうか、

「タリバン=イスラム=女性蔑視=悪!!」みたいなイメージ

持たされちゃいそうな勢いですよね。

でもね、再三この記事でお伝えしている通り、カテゴリに基づいて誰を悪だとか正義だとか判断するのは危険をはらんだことです。

例えばタリバンの中にも非暴力を訴える人はいますし、イスラム教徒が全員女性蔑視だというわけでもありません。事実、マララさんだってイスラム教徒の一人です。イスラム教が女性蔑視だとか悪いとかそういう話じゃなくて、イスラム教をどういうふうに解釈するかの問題なんですね。

これは、「キリスト教=同性愛蔑視」とか「イスラム教=同性愛蔑視」といった誤解をしてはいけない、ということにも通じています。フランスにはNHKの特集記事がわかりやすくておすすめよ。

★ 欧米に頼り切らない、イスラムを変えるイスラムのヒーロー

さて、そんなパキスタンでは今年、「ブルカ・アベンジャーズ」というアニメが放映されました。

イスラム圏の伝統的衣装・ブルカを着用したイスラム教徒の女性教師が、教育の権利を守るため、本とペンを武器に、学校閉鎖をもくろむ悪い奴と戦う!!

なかなかすごい内容ね。

ここに描かれているのは「反イスラム」でも「親米」でもない、ということに注目しましょう。ただ「イスラム教徒の女性が教育を求めて、学校閉鎖を阻止するために戦う姿」です。

またアメリカにおいても、Yahoo!ニュースYahoo!ニュースYahoo!個人ほかより要約)

ということで、また来週月曜日にね! まきむぅでした◎

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