第27回 2013年★世界の虹色ニュースより、心に残る言葉5選

 

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あっという間の年の瀬ね。

まきむらよ。

毎週月曜、こちらの連載、世界のニュースから性を考える「まきむぅの虹色ニュースサテライト」をお送りしております。

今回はついに、2013年最後の記事となります。

テーマは、

2013年★世界の虹色ニュースより、心に残る言葉5選

です。

ニュースのことって、新聞やテレビやパソコンの画面の向こうのことだと思いがちよね。

だけれどもそこには関わっている人間がいて、それぞれの生活があって、それぞれから発せられる、生きた言葉がある。

そしてその人もあなたもわたしも、まさに同じ地球という星の上で生きているわけです。

ということで、単に「2013年こういうことがありましたー」という事実だけをまとめるのではなく、そこに関わっている人ひとりひとりの「言葉」を軸にしてみたいなあ、ニュースっていうのはあなたやわたしと同じ星に生きてる人間のことなんだって画面越しにでも感じていただけたらいいなあ、と思い立ったのでした。

ご紹介するのは、以下の5か国5名の言葉です。

★ 南アフリカ―先住民の伝統的形式で同性婚を挙げた男性の言葉
★ フランス―同性愛者への敬意を忘れぬまま、同性婚に反対する活動家の言葉
★ アメリカ―「ゲイ・アイコンというレッテル」あるポップスターの言葉
★ サウジアラビア―女には自転車に乗る自由すらない、同国初の女性映画監督の言葉
★ 日本―簡単だけどわすれがちな、大事なことを思い出させてくれる言葉

それでは、早速お送りします!

★ 南アフリカ―先住民の伝統的形式で同性婚を挙げた男性の言葉

「ゲイであるということは、黒人であるということと同じくらいアフリカンなことだ」
Being gay is as African as being black.

mambaonline.comで見ることができます。

冒頭の言葉は、新郎となった27歳の男性のものです。「同性愛はアフリカの伝統ではなく、欧米からの悪影響によるものだ」とされている同国の偏見に対して、「いやいやアフリカにだって昔から同性愛はあるから、別に欧米のモノじゃないから」という意図で発せられた言葉でした。

南アフリカや日本を含む、欧米以外の国々では、「同性愛は欧米から来たものだ」という誤解がまだまだ根強いですね。

例えばロシアでは同性愛を指して「非伝統的な関係」と言われていますし(関連記事)。

確かに欧米では、ガンガン虹の旗を振ってゲイパレードやったりとか、同性愛者の存在が目立ちやすいかもしれません。だけれども、人間のあり方って何事もそうですが、見えないからといって居ないというわけではなく、言えないだけかもしれないわけで

だから別に同性愛って欧米のモノじゃないんだ、自分はアフリカンでゲイなんだ、別に欧米の影響じゃないんだよーって、男性は自分のアイデンティティを言葉にしたのでした。

彼らはまた出典:lePoint.com

こちらはフランスで反同性婚デモを主導したタレント、フリジッド・バルジョー氏の言葉です。

同国では2013年、同性婚法制化を巡り、賛成派と反対派で国民を二分する熱い議論やデモ活動が繰り広げられました。出典:NewNowNext.com

「ゲイ・サポーター」とかおじいちゃんの膝サポーターみたいなほっこり感でいいね!って思いますが、世界的ポップスターであるレディ・ガガ氏の言葉です。

ゲイ・アイコンとは、ゲイに愛され祭り上げられるスターのことを指します。レディ・ガガもその一人に数えられますが、しかし彼女はそれを自らレッテルであるとして否定しました。

人間を「ゲイ(※注:英語ではレズビアンも含む同性愛者全般を指す)」っていうふうにざくっと一群れ切り出してきて、そこの頂点に「自分が代表でーす!」みたいな顔で座ることに対して、ガガたんは違和感を表明したわけですね。

この発言、個人的には、将来的に「ゲイ/ノンケ」みたいな区別が薄くなり徐々に消滅していくという時代の流れを、アーティストの感性で敏感に感じ取ったものではないかしらと思っています。

アメリカを例に出すと、1950~60年代まで、同性愛者というのは社会制度の上で明確に区別されていました。出典:NHKワールドWaveMorning

※本項目は性暴力についての記述を含みます。読みたくない場合は、お手数をおかけしますが次の動画までを目印に読み飛ばしてくださいね。

ところ変わって、中東、サウジアラビア。
ちょっと、動画を見られる環境でしたら、まずは上記の映画予告編を見て頂きたいと思います。2分くらいですから。

……

見ました?

見ました?

じゃあ、ツッコミます。

「女だから自転車に乗っちゃだめ」ってどーゆーことやねん

中東イスラム圏では、イスラム教を異性愛男性中心的に解釈する人々によって、

・女は自転車乗っちゃダメ
・女は車の運転もダメ
・女は出かける時に髪や肌や顔を隠さなきゃダメ
・女は学校に行っちゃダメ(Wikipedia:名誉殺人」)
【元記事】

・イランで、治安部隊がとある男性に「お前悪いことしたから罰として女装で街を歩け」と命じた。すると市民から「罰として女装? 女はいつも女の格好させられてるんですけど! そんなの女に対する侮辱じゃないの!?」という抗議の声が上がった。Facebook上では抗議のためにクルド人男性らが女装写真を投稿詳細はこちらですよ! わたしは別に宣伝のおカネとかもらってませんからね!!(太字)

★ 日本―簡単だけどわすれがちな、大事なことを思い出させてくれる言葉

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ていうことで、すんごーい長い記事ですけれど、こちらの言葉をご紹介して終わりたいと思います。
LGBT支援宣言を表明した、大阪市淀川区の榊正史区長が、2CHOPOでのインタビュー(元記事)に応えておっしゃったことです。

「(LGBT支援宣言について)LGBT当事者・賛同者の方からの応援や感謝のメッセージを全国から頂戴しました。区役所職員は基本クレーム対応が多いので、たくさんの『ありがとう』という声をいただいて、職員のモチベーションが大変上がっています。」

うん

なんか

めっちゃ胸に来るんですけど

うん、そうだよね……社会生活上、どうしても相手のことを「区役所職員」とか「医者」とか「学校の先生」とかなんだとか区別しながら接していくわけだけど、みんな人間なんだよね、生きてるんだよね、そうなんだよね。

この記事でご紹介した5つの言葉、まとめると、全部、そういうことなんだと思います。「それぞれ生きてる人間」ってことです。

「自分がゲイであることは欧米の影響じゃない」と言ったあの人も、

「(自分は同性婚反対だけど)同性婚式に招待されたら行くよ」と言ったあの人も、

「自分はゲイアイコンじゃなくてゲイサポーターだ」と言ったあの人も、

「(自分たち女性の自由が)制限されているからこそ、立ち向かうのだ」と言ったあの人も、

それぞれの性別・セクシュアリティ・社会的立場・職業・人種・年齢・国籍などなどで生きながら、みんな、ひとりひとり、人間なんですよね。

批判されたらつい自分を守りたくなっちゃうし、
ありがとうって言われたらつい頑張りたくなっちゃうし、
殴られたら痛いし、
殴った方も手が痛いし、
おなかもへるし、
ねむくもなるし、
まじ、生きてる。
ってことなんだと思います。

ともかくわたしたち人間は、言葉なんかをしゃべるもので、男だとか女だとか、言葉を使っていろいろ区別をしてしまいがちです。だけれども、だからこそ。そうやって区分けされていく前の色々を、ちゃんと忘れずに感じていたいなあとわたしは思うのです。

たとえば遠いサウジアラビアで、「お前女のくせに自転車とか乗るなよ」って言われて、少女がぽたりと流した涙の熱を。
フランスの反同性婚の活動家が、「それでも私は同性婚式を祝います」と言ったその時に胸に思い浮かべた誰かの顔を。
そして、ふだんのくらしの中での、たとえば日本の区役所での、受付に座った職員さんが職員さんである前にひとりの人間であるということを。「ありがとう」って言われるのがうれしいんだっていうことを。

ちゃんと感じていたいなあって、わたしは思います。来年の目標って言ってもいいかな。
そうやって、読んでくださる方おひとりおひとりの顔を思い浮かべていたからこそ、こうやって今年「まきむぅの虹色ニュースサテライト」を書き続けることができたのだと、そう思っています。27回目を迎えたこちらの連載の、しかもこんな長い記事のこの部分まで読んでくださったあなたに、心からの感謝を申し上げます。どうぞよいお年をお迎えください。

よっし

キレイにまとめたぞ!!!!!

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それでは2014年も、どうぞ楽しんで過ごしてくださいね。引き続きこちらでは、我が妻・森ガ(※4歳年上でジャーナリズムの勉強してて日本のヤ●ザまで取材したことがあるガチあたまのいい子)に記事を読まれてびしびししごかれながら、こちらの連載「まきむぅの虹色ニュースサテライト」にて、世界のニュースから性を考える機会をご提供してまいりたいと思います。

また来週の……来年の月曜日にね!

まきむぅでした◎

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