第31回 プーチンが実演★ありがちゲイフレンドリーアピール

 

683_1

おしごとで

日本に来たわ

まきむらよ。

毎週月曜、こちらの連載、世界のニュースから性を考える「まきむぅの虹色ニュースサテライト」をお送りしております。

今回のテーマは、

プーチンが実演★ありがちゲイフレンドリーアピール

です。

683_2

プーチン。

とってもキュートでキャッチーなお名前ですが、言わずもがな、ロシアを統べる現大統領です。

その彼が最近、「自分はゲイ差別してないよ!」アピールにご熱心でいらっしゃいます。

プーチンは、ソチ五輪を前に、同性愛の宣伝行為を禁じると建前上言っておきながらも、適用範囲が不透明なため同性愛者への人権侵害や迫害助長になりかねないと批判されている「反同性愛プロパガンダ法」を正当化するために必死なのです。

最近のプーチンの発言を見ていくと

★ 「自分にはゲイの友達がいるよ!」アピール
★ 「自分はゲイである○○のファンだよ!」アピール
★ 「これはゲイ差別のつもりじゃないからね!」アピール

と、まるでゲイを珍獣扱いして面白がりながらも「理解あるアタシ」をアピってはばからない系の人にありがちな発言が目白押し状態です。

日本だったらこれに「ニチョとかよく行くし~wwwwwあ、ニチョって新宿二丁目のことね、ごめんごめんwwwwwwえー全然普通の人でも入れるからああいうとこーwwwwwよかったらゲイ友紹介するよーwwwww」が加わればもう完璧って感じ?

ゲイフレンドリーアピールにも善し悪しがあります。ひとつは、率先してゲイフレンドリーをアピることで、社会の空気をも変えていこうという、「他人のためのゲイフレンドリーアピール」

そしてもうひとつは、ゲイフレンドリーアピールの下で、よい人と思われたいがためのもの、そして自らが行う差別や都合の悪いことを覆い隠そうとするもの、「自分のためのゲイフレンドリーアピール」です――今回のプーチンの一連の発言のように。

それでは、「ゲイフレンドリーだよ!」の一言に騙されないために、ありがちなゲイフレンドリーアピール、プーチンの発言と共に見てまいりましょう。

★ 「自分にはゲイの友達がいるよ!」アピール

683_3

「私自身にもゲイの知人がいますが、友好的な関係にあります。差別なんてしたことがありませんよ」

――プーチン、フレンド・アーギュメントと言うようです。あまりにもありがちな詭弁であり、一国の大統領が発するには恥ずべき発言だったと言っていいでしょう。

「私にはゲイの知人がいますが、友好的な関係にあります……」

プーチンの「ゲイの友達いるし」アピールを批判した歌手のエルトン・ジョン氏の発言を、NBCニュースはこんな見出しで報じています。「素材提供:PAKUTASO

「(同性愛者であることを公表しているエルトン・ジョン氏は)人としても音楽家としても傑出した人物だ。わが国の何百万という国民が、彼の性的指向にかかわらず、心から彼を慕っている」

――プーチン、外国報道陣のインタビューに応えて、AFP報じる
(カッコ内筆者追記、太字は筆者による)

「自分にはゲイの友達がいる」の発展形ですね。

「ゲイであるにもかかわらず好きな芸能人がいる、だからゲイ差別してないよ!」

言わずもがな、ゲイの芸能人を好きであることはゲイ差別をしていないことに結びつきません。

女性の賃金を不当に下げている人にも、好きな女優はいるでしょう。海外ドラマ好きの大家さんも、「外国人お断り」物件を運営しているかもしれません。それとこれとは別なのです。

ていうか、わたし思うんだけど、たかが同性を好きになることぐらい、「同性愛者であることを公表して活動する勇気」だのなんだの美談化されるようなことなのかしら、こんな状況がいつまで続くのかしら。ありふれてるじゃないの、同性愛くらい。当たり前じゃないの、性のあり方が一人一人違うんだってことくらい。

エルトン・ジョンらがいちいち「同性愛を公表して活動する」という枕詞で呼ばれ、わざわざ「性的指向に関わらず、彼を慕っている」などと言われる、この状況こそ、変に意識しちゃってる態度の表れよね。

★ 「これはゲイ差別のつもりじゃないからね!」アピール

683_5

プーチン大統領をはじめ、ロシアの反同性愛プロパガンダ法を推進する人たちの言い分はこうです。

・同法は同性愛自体を禁じるのではなくて、同性愛の宣伝行為を禁じている

・同性愛はロシアにとって“非伝統的な関係”であり、諸外国はロシアの伝統を尊重すべき(=反同性愛プロパガンダ法に文句を言うな)

・同性愛はロシアにとって“未成年に悪影響”なものと考えられ、同法もあくまで同性愛から子どもを守るためのものである

・子どもを守るために、ロシアの伝統を守るために、同性愛の宣伝行為のみを禁じているのだから、反同性愛プロパガンダ法は同性愛者差別ではない

うーんと……。どこからつっこもっかなーって感じですが、わたしは日本人なので、「ロシアの伝統を尊重」するために黙っておかなければいけないのかもしれませんね^^

それにしても、同性同士の恋愛・性愛関係について、明治維新を機に、わざわざ同性間性交を禁じる法律(鶏姦条例)まで作って一生懸命なかったことにしようとした日本で育ったわたしとしては、「同性愛はロシアの伝統にない」とか言われても、「ないことにしたいだけなんちゃう」と思ってしまうの。

ロシアの同性愛者に対し、「お前らうちの国の伝統に反する存在だから」と言ってのけ、また同性に惹かれて悩む子どもがいることもスルーするように「お前ら同性愛者は子どもに悪影響な存在だから」と断言するような反同性愛プロパガンダ法が、差別でなくてなんだというのかしら。

そして過去記事ウォールストリートジャーナル日本版)。

つまり、わたしがもしロシアに滞在して、この記事を発表し、それがロシアの警察の目にふれることになったら、捕まってもおかしくないということですね。

「ゲイの友達がいるよ」
「ゲイの芸能人が好きだよ」
「これは差別のつもりじゃないからね」

そんな言い訳をされたとしたって、問題なことは問題です。この件に関してプーチンが使った上記のような言い訳は、これからも色々な場面で使われてゆくことでしょう。しかし騙されることなく、おかしいことはおかしいと、きちんと言えるようにありたいですね。

ということで、読んでくださってありがとうございました! また来週月曜日にね。まきむぅでした◎

Top