第41回 DVについて考えたこと、ありますか?

港区男女平等参画センター(リーブラ)で開催された、http://www.asahi.com/national/update/0626/TKY201306260566.html
少しずつではありますが、DVという言葉が一般の人にも知られるようになり、支援も拡がってきています。

しかし、DVは同性間にも起こりうるということは、まだまだ充分には認識されていません。まずは、「同性カップルが異性カップルと同じように暮らしているのだ」という認識が広がらなければ、そこから先の様々な問題は取り上げられにくいのです。

日本では同性カップルは婚姻制度を利用することができませんから、法律上の「配偶者」の定義には当てはまりません。しかし、DVは親密な関係の中で起こりうる、支配と暴力です。ですからこれは、残念ながらジェンダー/セクシュアリティを問わず起きます。つまり、同性カップルにも起きる場合があるということです。

私は、自分がレズビアンであるということに気がついた高校生の頃、親友とこんな話をしたことがあります。

「異性愛は、結婚とか子どもとかお金とか、いろんなしがらみがあって一緒にいる。けど、同性愛はそういうのなしに、本当に一緒にいたいから一緒にいる。だから純粋なんだ!」と。

なんとツッコミどころ満載な…..。
しかし、LGBTの若者への情報が全くなく、保守的な価値観からのプレッシャーを強く感じていた悩める10代だったので、なんとかして自分たちのアイデンティティを肯定しようとしていたのだろうと思います。生きていれば、お金や性の問題から離れてはいられません。それは異性カップルも同性カップルも同じこと。同性カップルには、法制度が使えないなどの困難はたしかにまだありますが、同性カップルと異性カップルの生活に、さほど大きな違いはないと思うのです。今でもときどき、「同性愛=ピュア」というような言説を耳にすることがありますが…..、残念ながらそんなことはありません。

高校生だった頃の私のように、マイノリティを美化したい気持ちは、なんとなくわかります。ですが、ジェンダーやセクシュアリティで分けて考えるナンセンスさに気付いていくためには、ネガティブな面も含めて考えなければなりません。同性カップルの生活は、「純粋」とか「なんかピュアっぽい」とか、そんな観念的なことではないのです。

ちなみに、「そうは言っても、レズビアンカップルの場合は、男と違って、腕力がないから暴力もさほどではないんじゃない?」というのは、よくある誤解です。「暴力」と言うと、殴る、蹴る、などの身体的な暴力を想像しがちですが、「暴力」とは、それだけではないからです。

シンポジウムの最後に臨床心理士の信田さよ子さんが、「同性で子育てする人たちがいてもいい、異性で子育てする人たちがいてもいい、いろんな人を受け入れる多様な価値観を持つことが、今後ネグレクト社会を変えていく鍵になっていくのでは」という内容のお話をしてくださったことが、本当に嬉しかったです。

なかなか相談できずに悩んでいることがある方、もしかしてDV…? と不安な気持ちがある方は、「よりそいホットライン」に電話してみてはいかがでしょうか?専門の職員が相談にのってくれます。性別や同性愛に関する相談は4番、性暴力やDVに関する相談は3番です。

支援の場で、セクシュアル・マイノリティへのサポートも充実していくこと。そして当事者自身が、自分も被害者にも加害者にもなりうるのだという想像力を持てればと思います。

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