第33回 STAP細胞、ヒトで成功?同性妊娠・出産の可能性と課題

 

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うちの猫が、わたしの乳を一生懸命揉んでくるのよ。

なにも出ないわ。

まきむらよ。

毎週月曜、こちらの連載「まきむぅの虹色ニュースサテライト」をお送りしております。

今回のテーマは、

STAP細胞、ヒトで成功か 同性妊娠・出産の可能性と課題

です。

STAP細胞、つまり肌でも内臓でも骨でも精子でも体のどの部分にでもなれる細胞を作る方法の発見が、昨今ニュースを賑わせていますね。マウスではなくヒトでも成功した可能性があるそうで(出典:写真:PAKUTASO

今の日本において、同性カップルが子どもを育てていきたいということであれば、基本的に以下3つの選択肢のうち、どれかを選ぶことになりますよね。

★ 同性カップルで子育てするには?
・(条件は厳しいものの)法律上は独身者として、第三者の子どもと普通養子縁組をする。
・異性との間に生まれた子どもを、法律上はシングルマザー/シングルファザーとして、同性カップルの間で育てる。
・アメリカほか、同性カップルでも非配偶者間人工授精や代理母を依頼できる国のクリニックに行き、第三者であるドナーの精子/卵子の提供を受ける。

そして恐らく、これから選択肢は増えていくことでしょう。
こちらの記事で扱う、今後の選択肢は以下の通りです。

★ 二母性胚 ~卵子だけで生まれたかぐや姫
★ 多能性幹細胞 ~STAP細胞で何ができる? 何をすべき?
★ 人工授精・代理母 ~すでに“海外のこと”ではない

ということでノロケが長くなりましたが(すまんな)、この記事は医療技術による同性間の妊娠・出産を否定も肯定もしません。むしろ今回は、それぞれの選択肢への可能性についても問題についても両方、ひとつひとつ解説していきたいと思います。長い記事だけれど、ぜひ一緒に考えましょう。

★ 二母性胚 ~卵子だけで生まれたかぐや姫

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東京農業大学における研究により、「精子と卵子」ではなく、「卵子と卵子」からマウスの赤ちゃんが生まれました。

マウスはかぐや姫の伝説にちなんで、「Kaguya」と名付けられています。言われてみればかぐや姫って、パパとママからじゃなく竹から生まれてるし、あと求婚してきた男たちにさらっとムチャ振りかました上結局ひとりで優雅に月に帰ったりとかしてめっちゃ冷たいよね。かぐや姫、冷たい。

ともあれこの研究には当時、女性同士での妊娠・出産を望む人々から大きな期待が寄せられ、例えば東京農業大学公式サイトより)

オゥフ……先生冷たい……かぐや姫並みに冷たい……

ということで、「卵子と卵子から赤ちゃんを」という研究は、恐らく進まないでしょう。

仮に進められたとしても、「男なんて必要なの?」論者が増長し、研究が男性差別の正当化に使われそうな気がします。なんか、「同性愛は生産性が無い」とかいう批判みたい。
人間は、産むためだけに生まれてきたんじゃないのにね。
人間が生きるということは、必要だの不必要だので判断されるべきことじゃないのにね。

★ 多能性幹細胞 ~STAP細胞で何ができる? 何をすべき?

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たぶん、最後の「感情的な理由」が一番大きいのだと思うのよね。今後しばらく、「STAP細胞で同性どうしでも子どもが作れる」的研究は、薄い本やSF小説や素材提供:PAKUTASO

▼概要
2014年2月現在、日本国内では基本的に、
・同性カップル
・事実婚カップル
・独身者として子育てしていきたい人(選択的シングルマザー/ファザー)
といった人々が人工授精や代理母を依頼することは不可能です。

人工授精は法律的に結婚している夫婦間で、なおかつ不妊の場合のみに限られています(出典:ベビーM事件が起こっています。

・そもそも性交渉ではなく医学的操作で妊娠出産することに対する、倫理的、宗教的な問題。これはたぶんいくら話し合っても平行線なことで、一概に全人類的に何が正しいとは言えないのだと思います。なので、ゆくゆく「賛成派と反対派がどうやったらできるだけ攻撃し合わずに共存できるか」という話になりそうですね。

生まれた子どもが卵子または精子の提供者、および代理母に会いたいと言った場合はどうするか。子どもはやがて「血の繋がり」「おなかを痛めたお母さん」を知りたがるかもしれません。その場合にはどうするべきか。現状では、例えば「成人後の文通のみ認める」といったエージェンシーもあるそうです。

簡単には、結論が出ないことですが……すでに「海外のこと」ではないことです。

さて、ここまで、二母性胚・多能性幹細胞・人工授精・代理母と見てきましたけれども。特に多能性幹細胞のような新しい技術を、同性間での妊娠・出産に応用すべきか否かということについて、わたしは自分なりの結論がいまだに出せていません

上の動画は2年前、iPS細胞が話題だった時に、ニコ生の番組で同じテーマを取り上げたものです。投稿募集でたくさんのご意見をご紹介しましたが、それを踏まえて賛成/反対のどちらかを選ぶようなことは、わたしにはできませんでした。今もできないままです。

ただ言えることがあるとすれば、こういったことは既に「海外のこと」でも「未来のこと」でもない、現代日本での話題なのだということ。「海外のことだから」「未来のことだから」まして「専門家の人が考えることだから」とか言って切り離してしまわずに、ひとりひとりが調べ、知り、考え、話すことが求められているのだと、わたしは思います。また、この記事を通してあなたがお考えになったことを、ツイッターやブログなどでお伺いできるのを楽しみにしています。荒れそうな話題ではあるけれど……感情を大事にしつつも、感情的にならないように、また人の意見を感情論だと切り捨てないように、心がけたいものですね。

ということで、今回も読んでくださってありがとうございました! また来週月曜日にね。まきむぅでした◎

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