第44回 どう考える? 子どもを持つこと PART1

ひろこさんと私は、子どもを育てたいと考えています。

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私が自分のセクシュアリティに気がついた、高校生の頃。真っ先に考え、自分を否定したことの中に「同性愛者だと、結婚もできないし、子どもも持てない。私はなんて親不孝なんだろう」というものがありました。保守的な環境で育った私は、東家のひとり娘でありながら「跡取りを産めない私」を否定したのです。

今考えると、子どもを産む/産まないの選択は「家」に影響されることではなく、女性自身の大切な選択であることがわかります。しかし16歳だった無知な私は、そんなことを整理して考えることはとてもできませんでした。

今回から数回に渡って「レズビアンである私が、今、子どもを持つこと」について考えていきたいと思います。

まずお伝えしたいのは、レズビアンはみんな子どもを持ちたいと考えるわけではない、という当たり前の事実です。これは、男性でも女性でも、レズビアンでも他のセクシュアリティでも関係なく、子どもを持ちたい人も入れば、そうでない人もいます。ひろこさんと話し合う中で、私たちは子どもを育てたいと考えるようになった、というとても個人的なことです。

それから「結婚してから子ども、という順番が大切」とか、「子どもはペアで育てるのがいい」とか、そんなふうにも考えていないことも、このコラムをお読みいただいている方には伝わっているのではないかと思います。たまたま私の人生の流れ、タイミングの中で、結婚式を挙げて、起業して、自分の精神的な成長の過程にある今、子育てと向き合っていきたいと考えているのです。言うまでもなく、ひとりで育てる、3人で育てる、婚姻関係の中で育てる、婚姻関係によらずに育てる、子どもを持たない選択をする、いろんな方がいます。そして、何よりも大切なことは、カタチではなく、愛を持って子どもと向き合うことだと思っています。

少し前置きが長くなってしまいました。
レズビアンカップルが子どもを持つには、現状、どのような方法があるのでしょうか?

・精子バンクを利用して、病院で人工授精を受ける
・知り合いから精子提供を受ける
・”シングル”として養子を迎える
・その他

日本で同性愛者がシングルとして養子を迎えるのは、非常に高い壁があるように思います。行政は養子を迎える人を、原則的には婚姻している男女と想定しているからです。日本の同性カップルは、まだまだ制度の想定外なのですね…..。非常に残念なことです。
アメリカでは子どもを持つLGBTの会なども数多くあり、ゲイファザーに育てられている子ども、レズビアンマザーに育てられている子どももすでにたくさんいるようです。


【レズビアンのカップルに育てられたザック・ウォルスのスピーチ「家族」】

ちなみに日本にも「RFC(RainbowFosterCare)」もあります。興味がある方はぜひこちらのリンクをご覧ください。

精子提供を受けて妊娠・出産する方法もあります。ドラマ『ハッシュ!』(橋口亮輔監督)という作品もあります。私は、これらの映像作品に大きな影響を受けています。ぜひぜひご覧になってください!

さて、精子提供を受けるには大きく分けて2つの方法があります。
ひとつは精子バンクの利用、もうひとつは知り合いからの精子提供です。

第三者からの精子提供を受けて妊娠することを、AID(非配偶者間人工受精)といいます。現状、日本では「レズビアンカップルです」と産婦人科を訪れて、このAIDを受けることは原則できません。これは法律で決められていることではなく、産婦人科学会のガイドラインによるものです。先日、体外受精を婚姻した男女に限定していた規定が、事実婚の男女も利用できるように改正される方針が発表になりました。同性カップルについては触れられなかったので、おそらく改正後もレズビアンカップルが日本の産婦人科でカミングアウトをして人工授精及び体外受精を受けることは難しいと考えられます。

そして、このAIDにはさまざまな社会的な問題があり、日本でも少しずつ議論がはじまっています。次回は、AID(非配偶者間人工受精)と「出自を知る権利」について考えていきたいと思います。

※人工授精:採取した精液を、カテーテルという細い管を使って子宮に直接注入するもので、精子を卵子が受精しやすいところに入れる治療法。
※体外受精:女性の卵巣から卵子を体外に取り出して、男性の精子と受精させ、数日の培養後、細胞分裂(分割)が始まれば、女性の体内(主に子宮内)に戻す治療法。

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写真は、表参道ゲイカルチャーカフェ「gossip」さんが、出版記念パーティのために作ってくださった「2 MUM(ふたりのママ)」クッキーです♡

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