第38回 ディズニー最新作「アナと雪の女王」は同性愛プロパガンダか?

 

714_1

百合咲く春よ!

まきむらよ。

毎週月曜、こちらの連載「まきむぅの虹色ニュースサテライト」をお送りしております。

今回のテーマは、

ディズニー最新作「アナと雪の女王」は同性愛プロパガンダか?

です。

2014年の春は、映画界が非常に百合百合しいことになっております(注※百合=おんなのことおんなのこのドキドキウフフで切ない関係。詳しくは第21回・「カンヌ最高賞映画に『本物のレズビアンSEXじゃない』の声」でご紹介した「アデル、ブルーは熱い色」もまもなく日本で公開ですし、またディズニー最新作「アナと雪の女王」も百合百合しいとの噂が満開です。

「純粋な家族映画に同性愛の烙印を押すなんて最低だわ!」
「同性愛を宣伝するディズニーは神に歯向かう悪魔の手下だ!」
「イルミナティの陰謀だ!」
「異星人の地球人口削減計画だ!!」

天下のディズニー映画に同性愛メタファーがあったということで、百合ヲタだけじゃなく陰謀論者の皆さんも大変盛り上がっていらっしゃるご様子です。

ということで今回は、

★ 「アナと雪の女王」主題歌の歌詞があるあるすぎる件
★ 世界各国で「アナ雪」百合妄想にわきあがる百合ヲタたち
★ 「アナ雪」は同性愛プロパガンダか?

以上の流れでお送りいたします!

★ 「アナと雪の女王」主題歌の歌詞があるあるすぎる件

714_2

さて、今回ご紹介するディズニー映画「アナと雪の女王」ですが、前述の通り、これなんか同性愛を暗示してるっぽくねということで各所で話題です。

ネタバレにならない範囲で、以下、設定の一部をご紹介します。

・主人公の少女エルサは、保守的な両親から、生まれ持った魔法の力を隠すように強いられる

・エルサは魔法の力を隠すために、極力人と触れ合わず、引きこもったまま成長していく

・エルサの魔法の力を知った妹のアナは、魔法のことを忘れさせられる

なんか……

あるあるすぎるわ

「レズビアン!? 気のせいに決まってるよ! いずれちゃんとした男性に出会えれば治るから!!^^」

「あなたが大っぴらにレズビアンだとか言ったらお父さんや兄弟の昇進にも関わるかもしれないでしょう、隠しなさい!」

「私、辛い……みんなに嘘をついて、好きでもない異性のアイドルにキャーキャーしたり、楽しくもない『好みの異性のタイプは?』トークに参加したり、『まだ彼氏いないの? 男紹介するよー』とか言って無理矢理合コン連れて行かれなきゃいけないくらいなら、引きこもっていたほうがマシ……」

「お姉ちゃんが自分をレズビアンだとか言っていたこと、あれは忘れなさい(笑)。お父さんがガツンと話をしておいたから、あの子も反省したはずだ」

主人公・エルサの置かれた状況が、まるで周囲に押さえつけられる思春期のレズビアンそのものなのです。

あったわー、わたしもそういうこと。「魔法の力」を「同性愛」に置き換えて考えると、もはやこれは完全にレズビアンあるあるです

(注※同性を好きになったからといって、レズビアンだとは限りません。バイセクシュアルとかパンセクシュアルとか「たまたま好きになった人が同性だっただけ」とかとかなどなどの可能性だってあるけどね。ともあれ)

主人公エルサの置かれた状況は、本映画の主題歌にも色濃く表れています。

隠し続けた魔法の力を解き放ちながら、エルサはこんなふうに歌うのです。

いつも、あるべき正しい女の子でいるように強いてきた
Be the good girl you always have to be

隠しなさい、感じてはいけない、人に知られてはいけないと
Conceal, don’t feel, don’t let them know

でも……もうみんな知ってるよね
Well, now they know

さあ、解き放とう 解き放ってしまおう
Let it go, let it go

もう押さえつけることなんてできない
Can’t hold it back anymore

(中略)

みんなが何と言おうが、私はかまわない
I don’t care what they’re going to say

嵐なんて、吹き荒れさせておけばいいんだ
Let the storm rage on,

その冷たさに私は、凍えたりなどしないのだから
The cold never bothered me anyway

主題歌「Let it go」英語版歌詞より引用、翻訳は筆者による

★ 世界各国で「アナ雪」百合妄想にわきあがる百合ヲタたち

(主題歌の日本語版公式動画)

そういう映画や主題歌の表現を「同性愛的」と受け取ったのか否かはわかりませんが、「アナと雪の女王」は、女の子と女の子のドキドキウフフが大好きな百合ヲタの皆さんにとって格好の妄想材料になっているようです。

大手イラスト投稿サイト・pixivでは、映画の女性キャラクター同士がドキドキウフフしている百合百合しい作品が既に1000件を超える勢いでモリモリ投稿されています。

以下は、作品を分類する各タグごとの件数です(2014/3/14時点)。
・主人公エルサと妹アナのドキドキウフフなワンシーンを描いた「エルアナ」タグ……666件
・その英語版「Elsanna」タグ……585件

714_3

またGoogle検索でも、「Elsanna yuri」とイメージ検索すると非常に百合百合しいことになります(画像:2014/3/14時点のGoogleイメージ検索結果スクリーンショット)。

百合は国境を越えた

エルサとアナの関係が姉妹愛なのか同性愛なのかどっちもなのかなんなのか、そんなことはつまらないレッテル貼りでしょう。

百合は百合ゆえに素晴らしい。

エルサとアナが仲良く幸せならそれでいい。ただそれだけのことです。それだけのことなんです。エルアナ画像もっとくれ。

★ 「アナ雪」は同性愛プロパガンダか?

714_4

 

The Sydney Morning Herald、翻訳は筆者による)

また、個人ブログや匿名掲示板ほかで、

「この映画は悪魔の行いである同性愛を広めるためのイルミナティの陰謀だ」
「少子化を促進させ、地球人類を弱体化させるための同性愛プロパガンダだ」
「呪われている……」

などと震え上がっていらっしゃる皆さんも見受けられます。

2ちゃんねるオカルト板を眺めるのが大好きなわたしとしては、これから陰謀論ネタが日本でも更に盛り上がって、

「サブリミナルで悪魔の顔が!!」
「主題歌をスロー逆再生すると『ソドム』『ゴモラ』と聞こえるぞ!」
「登場人物の名前を特定のフォントで打ち込むとドクロとダビデの星が浮かび上がる!」
「雪の女王のモデルになった異星人とのチャネリングに成功しました!!」

みたいな展開になってくれることをワクワクしながら願うばかりです。

すいません。ネタ扱いしてしまいました。しかし本気で同性愛プロパガンダを恐れていらっしゃる皆さんには、どうぞ安心していただきたいと思います

714_5

前述の記事によれば、本作のディレクターであるジェニファー・リー氏はこう語っています。

「私たちは、自分たちがどういう作品を作ったのか分かっています。同時に、作品が公開されて私たちの手を離れたならば、それは皆さんのものであるとも考えています。ですから、作品についてどうこう言いたくはありません。みなさんのお好きなように語っていただければと思っています」

本作が同性愛プロパガンダかどうかは、どうでもいいことだ。
それにそもそも、同性愛プロパガンダなんてもの自体が成立しない。
わたしは「アナと雪の女王」同性愛プロパガンダ説に対し、そういうふうに思っています。

ということで、読んでくださってありがとうございました! また来週月曜日にね。まきむぅでした◎

 

Top