第49回 東小雪のクィア・ムービーガイド『チョコレートドーナツ』

映画『チョコレートドーナツ』の試写会に、ひろこさんと行って参りました!

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『ふたりのママから、きみたちへ』(イースト・プレス社)をお読みください!

現在アメリカでは同性婚の法制化が進み、ゲイカップルが養子縁組することを認めている州も複数あります。実際にゲイファザーの会、レズビアンマザーの会などもあるようです。

しかし映画の舞台は1970年代のアメリカ…。
「性的にまっとうではない人に子どもを育てさせるのはいかがなものか?」
「ふたりの愛情が豊かなのはわかったが、親のセクシュアリティが子どもに悪影響である」
はては「マルコがお人形を大切にしているのはゲイカップルの影響によるものだ!」とまで言われてしまいます。

当時のゲイに対する偏見や、法律を盾にエゴをむき出す”正義の人”たちを見て、40年という時の流れを感じ、また現在の日本の状況と比べずにはいられませんでした。

「LGBTと子ども」はこの映画の主なテーマとなっていますが、もうひとつ大切なテーマがあります。

「母親がジャンキーなのも、あの子が他の子と違うのも、マルコのせいじゃないのよ! あの子はなにも悪くないのよ!」
劇中のルディの台詞です。
ダウン症の少年マルコは、母親からすさまじい虐待を受けて育ちます。ダウン症の子どもの発達には適切なケアと教育が欠かせないのに、マルコは劣悪な環境でネグレクトされてしまうのです。マルコの母は薬物依存症のシングルマザー。彼女だけが責められるべきではありませんが、それにしても母からの虐待やマルコの生育環境には、あまりのことに胸がつぶれる思いがします。

人は生まれてくる家庭も、障害の有無も、セクシュアリティも、選ぶことができません。それでも自分の人生を生きねばならない不条理…。

ルディのまっすぐなこの台詞が、被虐待児である私の中にいつまでも残りました。

ルディ役のアラン・カミングさんの名演技もみどころ! ちなみに彼はバイセクシュアルであることをカミングアウトして、LGBT支援活動にも積極的だそうです。
映画『チョコレートドーナツ』、東京では4月19日(土)からの公開で、順次全国各地で公開予定です。ぜひ劇場でご覧ください。

<インフォメーション>
4月3日(木)夜にRFCさん(レインボーフォスターケア)主催による「シンポジウム付き特別試写会」が開催されます。応募締め切りは3月28日(金)16:00です。詳しくはこちら

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