第40回 エコセックスって何?パリの大学イベント「クィア・ウィーク」が激しい件

 

721_1

おフランスのおパリですのよ。

まきむらよ。

毎週月曜、こちらの連載「まきむぅの虹色ニュースサテライト」をお送りしております。

この春から新しい学校に通うのだという方も多いと思います。
ご入学、おめでとうございます!

学校という場でも、なんかおもしろいことできたらいいわよね。

ということで今回は、おフランスの名門・パリ政治学院で行われた、性のあり方を考える一週間のイベント「クィアウィーク」をご紹介いたします。

▼ もくじ
★ パリ政治学院ってどんな学校?
★ クィアウィークってどんなイベント?
★「レズパワー!」クィアウィークの挑戦的アート
★「エコセックス」って何だ? クィアウィークの講義たち

★ パリ政治学院ってどんな学校?

動画:クィアウィーク2011紹介ムービー

パリ政治学院とは、歴代フランス大統領などを輩出してきた社会科学系の学校。正確に言うと“大学”ではなく、選び抜かれた学生たちへ専門知識を教える “グランゼコール”なるものらしいです。

グランゼコール!

グランゼコール!! (←グランゼコール言いたいだけ)

そんなグランゼコール・パリ政治学院の有志学生たちが「クィアウィーク」を自主的に立ち上げたのは、2000年のことでした。

それから毎年1回、学生主体での開催を続けており、現在は非営利団体としても正式登録されています。5年目の開催となる今年は、有名ゲイ雑誌「テトゥ(TÊTU)」、ゲイ向け衛星放送「ピンクティーヴィー(PinkTV)」なども支援するほどの規模に成長しました。

さて、ここまでをお読みになって、「意識高い高~い」「かしこ~い」みたいなイメージを持たれるかもしれません。しかしながら実際に行ってみた感じ、イベントはお高くとまることもなく、とってもオープンで、なおかつ挑戦的な内容でしたよ。

★ クィアウィークってどんなイベント?

721_2
画像:クィアウィーク2014ポスター

3/24~28の間行われた今年のクィアウィーク、プログラムの一部はこんな感じです。

【講義】大人のおもちゃの歴史
【ワークショップ】マッサージと縛りプレイ
【上映会】クィアウィーク短編映画祭

学校で「大人のオモチャ」とか「SM」とか「縛りプレイ」といった言葉が大真面目に交わされていることに、まずはとっても感動しちゃったわ。また、理屈ばっかりじゃなくって、下記のような実践的内容もありました。

【ワークショップ】女性と性的関係を持つ女性のための、セックスの楽しみと性感染予防
【ワークショップ】トラウマ後、取り戻す悦楽
【ワークショップ】トランスが自分の身体をもう一度受け入れる、ということ

レズビアンという言葉を使わずに「女性と性的関係を持つ女性」って言っているところがいいわね。女性とセックスする女性は、レズビアンに限らずバイセクシュアルもパンセクシュアルもいるし、ヘテロセクシュアル(いわゆるノンケ)自認の人だっているわけだものね。レズビアンだとかなんだとか、自分の性のあり方に名前を付けない人だっているしね。

じっくり考えるのが好きな方には、こんなプログラムもありましたよ。

【トークショウ】解放者同盟:クィアを越えたその先は?
【ワークショップ】ノーマティヴな空間からパフォーマティヴな空間へ:ポスト・ポルノ
【講義】20世紀初期から現在に至る、レズビアンの歓楽の場――公共におけるレズビアンの不可視性

クィアウィークは、形式で言えば、講義・アート・ワークショップを交えて展開していきます。続いては、実際に展示されたアートをご紹介していきますね。

★ 「レズパワー!」クィアウィークの挑戦的アート

721_3
写真:パリ政治学院7区キャンパス内にて

学校を入ってすぐの玄関ホールで、クィアな写真の展覧会がなされていました。女の子の写真と一緒に、「レズパワー!」とか書いてあるの。写真は展示の一部で、他にもパネルがありました。

個人的に一番心に残ったのは、「愛のあと」という作品集(→Ecosex Manifesto(原文英語)より

要は「アートとか社会運動とか学問とか、レズビアンとかゲイとかバイセクシュアルとかトランスジェンダーとか、人工とか自然とか人間とか動物とか、ぼくたちいろいろ区別してきたけどみーんな自然の一部だよね、すべては自然に還るよね」というお話なのかな? 「それぞれ違う」と「みんな同じ」が統合した先の、「違ったまんま同じ星で生きる」あり方をまなざしているような、そんな気がしました。あくまでわたしの解釈ですけれど。

とはいっても、突然火星人がやってきたりしたら、じゃあ地球人だけつるんで火星人とは戦うのか? みたいな、火星人差別みたいな話がもちあがらないとも限らないわけで……人生の上で、歴史の上で、何がどうなるかは本当にわからない。そのわからなさを考え続けるために、こういうクィアウィークみたいなイベントはあるのかもしれないなって、そう思いました。

「不謹慎だ」とか「教育の場にふさわしくない」とか言って、性に関わることを閉め出しちゃう学校ってあるわよね。でも、自分が何を学ぶかということは、先生や学校や他者に決めつけられるものではないはずです。

また、学ぶ価値のないものだって、世の中には存在しないでしょう。「くだらない」「低俗だ」「学問の場にふさわしくない」と言われるものも、ただ誰かにそう決めつけられているにすぎないはず。

だから学生主体でこういうイベントが続いているということは、とっても喜ばしいことだと思いました。この春から新しい学校に行くみなさんも、今年は学校に行けないことになったみなさんも、学校ではない場で学んでいるみなさんも、ぜひ、いろんな締め付けに負けないでいてね。

ということで、読んでくださってありがとうございました! また来週月曜日にね。まきむぅでした◎

Top