第50回 東小雪のクィア・ムービーガイド『アデル、ブルーは熱い色』

いつも「レズビアン的結婚生活」をお読みいただき、ありがとうございます。連載開始から1年。おかげさまで毎週たくさんの方にお読みいただき、本当に嬉しく思っています。お読みいただいているみなさま、発信の場所を与えてくださっている 2CHOPO のみなさま、あらためていつも本当にありがとうございます!

さてこちらの連載、4月からはタイトルを『東小雪とひろこのレズビアン的結婚生活』として、な・ん・とっ!パートナーのひろこさんと二人で連載することになりました!ひろこさんの登場は不定期で、初回は5月末頃を予定しています。私とはまたちょっとちがった視点からお届けできると思いますので、そちらもどうぞお楽しみに! 2年目もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、リニューアル第1回目は、こちらの映画のご紹介です。
カンヌ国際映画祭パルムドール最高賞を受賞した『アデル、ブルーは熱い色』です。

もう、この作品! 絶対に観て、観て、観て!!!
もちろんセクシュアリティに関わらず観てほしいですが、レズビアンにはぜひご覧いただきたい作品です。

今あらためてパンフレットや予告動画を拝見して、

「レズビアンっていいよね!」

と興奮しています。(だって、世の中には異性愛を扱った作品が多すぎなんだもん…)

主人公のアデルと画家のエマの恋。美しく、静かで、力強い。

「レズビアン」というとそれだけで過剰にエロいイメージで語られたり、見られたりすることが多いのが嫌で、私はあまり積極的にエロの話はしません。(性的なことを否定しているのではなくて、あまりにも「そこだけ」が一人歩きすることは違うんじゃないかと思うのです。)

でもね!
もうね! ラブシーン、すごいの。すっごく官能的なの!
「史上最高のラブシーン」とうたわれていますが、…目が釘付けです。

映画の中でアデルはたくさん食べて、たくさん泣いて、たくさん眠って、たくさんセックスしています。アデルはその息づかいのひとつひとつが本当に自然で、女優さんも監督もカメラをまわしている人も、その時間を生きている。そしてそれを鑑賞する私たちも一緒にその時間を生きる。…アデルの鑑賞はそんな体験でした。179分と大変長い作品ですが、まったく時間を感じさせません。

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私も試写を拝見し、フライヤーにコメントを書かせていただいています。

アデルが学校で、まあいわゆる”レズビアン疑惑”をかけられていじめられるシーンがあるのですが、そのときに言われる言葉が…..

「私のアソコは舐めないでよね!」

衝撃でした…。私はレズビアンであることをカミングアウトして生きています。すると非常に残念なことですが、不愉快な目に遭うことがないとは言いきれません。

なかでも多いのは

「どうやってセックスするの?(げへげへ)」

と言われたり、不躾な視線を浴びること。しかし私は、「私のアソコは舐めないでよね!」と女の子に言われたことは一度もないのです。
レズビアンに対するいじめを静かに描いたシーンなのですが、私は性に対する感覚の差に驚き、このシーンが非常に印象に残っています。

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CREAほか、多数の女性誌でも取り上げられています。『エル・ジャポン』5月号でもガールズ・ラブが特集されていて、レズビアンライフサポーターの牧村朝子さんも文章を寄せています。

パリのプライドパレードのシーンも、生活の中で少しずつすれ違っていってしまう哀しさも…。きっと肌感覚で共感できると思います。

『アデル、ブルーは熱い色』は、4月5日(土)より新宿バルト9 ほか全国ロードショーです。ぜひご覧ください。

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