第1回 年寄りと古本の言うことは素直に聞いとくもんだよ!!

アタシはバブリーナさんが嫌いなので(笑)、あまり会わないようにしていたんだけど、大阪の「倖田來未ナイト」やらなんやらで、このところたびたびご一緒させていただいておりました。

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そしたら、ツイッターのメッセージで、いきなり「2CHOPOの連載お願いします」だって。原稿依頼がツイッターかよ! そうね、そうね。最近の子は便利なツールがいっぱいでいいわね。そうやって、この世の中から“礼”とか“義”ってもんが失われていくのよ。アタシが編集者をやってた頃なら、菓子折のひとつでも提げて頭を下げに行くのが……。
もうね、これ、ババアの愚痴。ただの愚痴。その内、「近頃の若いもんは……」とか怒鳴りまくってやるんだ。だって、アタシ、そのぐらいのこと言っても良いお年頃だもん。だから、年寄りの言うことは素直に聞いとくもんだよっ!!

というわけで、初めての方には「はじめまして」。存じ上げている方には「ごきげんよう」。マーガレットでございます。今月から連載を仰せつかりました。

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アタシ、所謂、ドラァグクイーンってのをやっておりまして、女装してチャラチャラしては「やよい軒」の定食代ぐらいを稼がせてもらってます。そうです!「時代は絶対、中性ですよ」って、かの辻仁成も言ってるじゃないですか。テレビにだって、ミッツやらマツコやら、ミッツとかマツコとか、ミッツにマツコに……(あと誰だっけ?)……が跋扈しているわけで、アタシもその昔、「めちゃかっこいい中性的なおじいさんを目指します」って思ってたら、ホントに今はただの「女装したおじいさん」になっちゃってたワケよ。
そんなだから、誇れることなんて何もない人生でした。ただ、唯一、自慢できるとしたら、1万冊を超えるホモ本蔵書ぐらい……。


で、辻・中山離婚のニュースを見て思い出した。本棚をかき回したら……ほら、出てきた! 辻仁成の書いたホモ本!!

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辻仁成『ワイルドフラワー』(集英社文庫)
「自分はゲイなのかと悩む24歳の夢野。自らに潜む『奴隷性』におびえる28歳のカメラマン坊城。創作にも家庭にも行き詰まりを感じている中年の作家、久遠。巨大都市NYに暮らす3人の男が、ひとりの女を軸に、それぞれ真実の自分を探して葛藤し、抑圧された自己を開放していく。」(文庫版カバーのあらすじより)

さて、ことの起こりは、かのバブリーナ編集長が、アタシがツイッターでつぶやいている『今日のホモ本』なる文章を目に留めて下さって、今回の企画となったわけでございます。
そもそも、この『今日のホモ本』というのは、アタシがやっている(というか、やろうとしている)オカマとオカルト関連書籍だけを扱う古本屋「オカマルト」の蔵書管理データベース作成のために、気が向いたときに書き散らしていたもの。古今東西新旧硬軟玉石混淆とり混ぜて、その数1万冊超。集めに集めたホモ本の山でございます。ホモ本といっても、ホモ、レズ、バイから少年愛、女装、TG/TSまで範囲は広く取り扱っています。
その中から目にとまった本をつれづれにご紹介していくのが、この連載! たとえば、こんな本。

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『風俗科斈』昭和29年10月号(第三文庫 発行)
戦後のカストリ雑誌の流れを汲む風俗雑誌。ま、つまり、エロ本ね。その巻頭が、なんと「同性愛特集」! 『男色に関する十二章』『偽われる肢体(手記)』『あるソドミアの落書(告白)』『彷徨える出発(連載読切)』と4本の読み物が掲載。

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西條道夫の『男色に関する十二章』のタイトルまわりには、こんな文章が……。

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「そどみあ(=同性愛者)達よ、自信を持て!」「同性愛は近代文化人の特権だ。太鼓を鳴らせ 拍子を取れ、そして高らかに歌え!」

ちょっと感動的でしょ。というか、オカマってやってることは、今も昔も変わらないってことね(笑)。故きを温ね、新しきを知る。古本を通じてオカマの過去を振り返りつつ、笑ったり、感動したり、共感したり。泣いたり、怒ったりしながら、オカマのこれからについて思いを馳せましょう、って狙いなのよ。いいこと。年寄りと古本の言うことは素直に聞いとくもんだよ!!

 

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あ、これは、サービスカットね。
『風俗科斈』昭和29年10月号の、唯一の男性ヌードグラビア。奥ゆかしいというか……イマドキ、こんなんじゃ、抜けねぇ~よ!

【次号以降の予告】
なぜ、『男色に関する十二章』で「そどみあ(=同性愛者)は太鼓を叩け」と書かれているのか? オカマと太鼓の因果関係とは? そんなオカマにまつわる謎や蘊蓄、雑学、一般教養、専門知識などなどをご紹介しつつ、アタシがなぜ、老醜をさらしてまで女装を続けているのか?(笑)とか、なんでまたそんなにホモ本を集めたのか?とか、なぜオカマとオカルトなのか?といったことを、命ある限り、遺言代わりに書いて参ります。どうぞよろしくおつき合い下さいませ。
……あ、「オカマは差別用語です」といった類の抗議は、面倒臭いのでご遠慮下さいね。

 

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ワイルドフラワー [単行本]

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