第51回 上野千鶴子先生と信田さよ子先生と対談しました

4月1日(火)青山ブックセンターにて、上野千鶴子先生信田さよ子先生と対談しました。

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『ふたりのママから、きみたちへ』ウェブ連載のときから両先生とお話しさせていただきたく、編集者の方にお願いしておりました。今回、念願叶ってこのような機会を与えていただき、本当に感謝しています。おかげさまで当日は満員御礼! 会場にお越しいただけなかった方にもお届けしたく、今回は対談を通して考えたことをお伝えしたいと思います。

上野千鶴子先生は、NPO法人WAN理事。女性学、ジェンダー研究、介護研究のパイオニアで、現在は東京大学名誉教授、立命館大学特別招聘教授。『スカートの下の劇場』『おひとりさまの老後』など、ベストセラーとなった作品が多数あります。

信田さよ子先生は、臨床心理士で、母娘問題、DV、虐待問題をはじめとする家族問題のオーソリティ。現在は原宿カウンセリングセンター長でいらっしゃいます。

両先生と「新しい家族のかたちを問う〜日本社会とLGBT」というタイトルのもと1時間30分、じっくりお話しさせていただきました。

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まず、私たちの本『レズビアン的結婚生活』『ふたりのママから、きみたちへ』の感想をうかがったところ…

上野先生からは「アンバンドリングだった。つまり結婚、結婚式、妊娠、出産というパッケージが、目の前でバラバラと解体されていくようだった」と、言っていただきました。これには対談の最初から驚いてしまいました! 私は自分たちの結婚式について、「レズビアンなのに異性愛規範をなぞって、強化してしまっているのではないか?」という思いがあり、またそのような批判を受けることもあったからです。しかし上野先生は、私たちの結婚式から子どもを持ちたいと考えている今までについて「結婚がばらばらに解体されていった」とおっしゃったのです。

信田先生に「お父さんとお母さんに子どもがいる家族が一般的。だからお母さんとお母さんに子どもがいる家族だと、子どもになにか影響はあるでしょうか?」と質問したところ「あなた、わかってて聞いてるでしょ!?」というツッコミが!上野先生からも「「父的な子育て」ってなに? 「母的な子育て」ってなに?」と…。(うーん…おっぱいをあげなくて、公園でキャッチボールすれば父的…そんなわけありません。)

私は信田先生のご著書を拝読したり、斎藤環先生と上野千鶴子先生の『母と娘はなぜこじれるのか』という本をベースにした対談をお聞きしたりする中で、「母と娘の身体性」というキーワードを知りました。身体性が同じだからこそ、母親は娘に嫉妬して、過度に干渉しコントロールしようとしたり、逆に激しく拒絶したりするのではないか。もしそうだとしたら、「血が繋がらないからこその【関係性としての親子】があり得るのではないか?」と考えるようになったのです。

私とひろこさんの間にもし娘が生まれたとしたら…ひろこさんが妊娠出産した娘と私は、血がつながりません。その娘と遺伝的に似ていないからこそ、私は娘をコントロールしたいという欲望を抑えて、「大切な預かり物」としてその子を育てることができるのではないだろうか?血が繋がらないから、身体的な特徴が似ていないことで、「母と娘であっても違う人どうしだ、一人ひとりの人間どうしだ」と思わざるを得ない。だからこそ、これまでとは違う母娘関係が作れるのではないか、という希望を感じています。

母娘問題にご興味がある方は、ぜひ信田先生のご著書をお読みください。次回のレズビアン的結婚生活でも、関連書籍をご紹介する予定です。どうぞお楽しみに!

対談では「現行の法制度では、養子縁組制度はどちらかが1日でも歳が上なら親子にはなれるのだから、またその親子は1対1の関係でなくてもいいのだから、現行の制度をゲイやレズビアンも利用しても良いのではないか?」というお話や、信田先生の「私は婚姻制度を利用してサバイブした」などというお話も出て、1時間30分はあっという間でした。会場からは「もっと聞きたかった!」との声を多くいただきました。

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今回は本当に貴重な経験をさせていただくことができました。ぜひまた上野千鶴子先生、信田さよ子先生とお話しさせていただくことができるように、これからもっともっと勉強していきたいと思います。

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表参道ゲイカルチャーカフェ「gossip」にて

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