第4回 「第3の性」の選手が在籍!サモア・サッカー代表のドキュメンタリー『ネクスト・ゴール!』

ゲイの人気球技といえば、バレーボール(アタックNo.1?)、テニス(エースをねらえ?)、ラグビー(体目的?)あたりが定番よね。逆に不人気球技といえば、野球、バスケ、サッカー!これ、けっこう誰に聞いても同じ答え返ってくるんだけど、どうかしら??

そんな前振りしておいて申し訳ないんだけど、今回はサッカー映画。W杯前に乗じて! だなんて言わないで〜! これはセクマイの皆さんに響く作品なのよん。

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世界一弱小と言われるアメリカ領サモアのサッカー代表チーム。なんせ素人の寄せ集めのうえに、南国パラダイスなサモアのお国柄か練習といっても高校の部活以下のゆるさ。2010年のFIFAワールドカップ予選では、国際大会の得点差としては最大となった0対31の大敗を記録。そりゃアカンわ、ってレベルですな。でも、そこは一応アメリカ領。米国サッカー連盟は「14年のW杯予選までにてこ入れせにゃ!」とあせって、厳しいオランダ人監督を就任させるの。昔気質で口が悪いけど、妙にあったかな昭和のパパタイプの監督の熱意に共感して、サモアの選手達はちょっとずつ変わっていくのね。

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この映画でまずスゴイのは、ドキュメンタリーのカメラが入ったタイミング。サモアは09年に沖合の大地震の影響で大津波の被害にあったの。それによって、練習場を失ったり、大事な人を亡くしたりした人たちの苦悩もこの作品に収められているの。自然災害をドラマに使うなんてけしからん、と言わずに観て欲しいんだけど、たまたまとはいえそこにカメラがいることで、選手や国民の気持ちを深く掘り下げることにも成功しているのね。

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そしてさらにすごいのは、サモアの人たちの気質。実はこのチームには「ファファフィネ=第3の性」というジャイヤさんという選手がおりまして。女のコ走りをしながら練習する姿はほほえましいんだけど、よくこんなマッチョな業界に……と思ってしまうのは、日本人の浅はかな先入観。サモアではファファフィネはきちんとこの性は受け入れられているし、個々人の性やキャラクターがどうあっても批判の対象にはならないんだそうですわ。すごいよ、パラダイス・サモア! 感動的なのは、ジャイヤちゃんのことを他の選手に聞いたときのコメントね。

彼女は僕たちの妹のような存在。だからジャイヤに何かがあったとしたら、僕たちは全力で彼女を守るよ。

ううう……このシーンだけで十分ホロロときましたわ!

この映画、ちょっと変わった興行形態をとってまして、劇場では東京、大阪の2館のみ、しかも2週間限定公開。なんだけど、同時にオンデマンドでの配信をしているので、全国津々浦々どこにいても(契約さえあれば)観られるという親切設計になっております。なので、W杯に興味がないゲイ男子も是非観てね。

 

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<作品情報>
ネクスト・ゴール! 世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦
監督:マイク・ブレット、スティーブ・ジェイミソン
配給:アスミック・エース
公開:5月30日まで角川シネマ新宿などでロードショー。J:COMオン デマンドほか、オンデマンド配信中
(C) Next Goal Wins Limited.

FIFAランクで10年以上最下位だったアメリカ領サモアのサッカー代表チーム。2014年W杯ブラジル大会の予選での初勝利を目指す姿を追うドキュメンタリー。

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