第48回 「LGBT市場に注目!」的な記事にありがちなことトップ3

 

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まきむらよ。

毎週月曜、こちらの連載「まきむぅの虹色ニュースサテライト」をお送りしております。

今回のテーマは、

「LGBT市場に注目!」的な記事にありがちなことトップ3

です。

最近、LGBTを「知られざるニッチ市場! ○兆円のビジネスチャンスが!!」みたいな路線で紹介する記事が一種定番化してますね。

いやー、2012年に東洋経済と週刊ダイヤモンドが同時にLGBT特集やったときはうれしかったですけど、でも最近は「とりあえず書いとけ~」みたいな、一種の流行になっちゃったがゆえにあんまり調べず考えずサクッと書いちゃった系の記事が散見されるように思います。

今日は、そんな「LGBT市場に注目!」的な、マンガ的に言えば目が¥マークになってる状態でLGBTのことを見てる系の記事にありがちなことトップ3をお送りしていきます。

★ 3位 なんかいろいろサラッと略されがち

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関連記事)。

そして、
「レズは差別用語」
「なぜバイセクシュアルだけ略したし」

みたいな抗議が来ると、必ずといっていいほど「文字数の問題で」「差別する意図はありませんでした」っていう返答が来るところまでが伝統芸能ですね。

そらアンタ、差別する意図があったら大変よ

っていうか

文字数の問題ってアンタ、それ例えば「ジャイアント馬場」を「ジャイアン」って略したら全くの別人になっちゃったレベルで背負う歴史もニュアンスも全然違う言葉よ

って思います。

(まあ、WEBメディアの記事タイトルって、厳しい文字制限の中で筆者じゃない人が確認なくつけてることも外部配信先の人が確認なくつけてることもよくあるので、たとえばタイトルに「レズ」って書いてあったからといって必ずしもその記事の筆者やその配信元のメディアが不勉強だとは限らないのですが)

あと、これはLGBT市場の記事に限らないことだけど、「トランスジェンダー(性同一性障害)」表記ね。あれは間違いですね。

言ってみれば、「トランスジェンダー」は個々人が自ら選び取るアイデンティティの言葉であり、「性同一性障害」は日本の制度の中でお医者さんが個人に診断名としてつける医療の言葉です。

だから「トランスジェンダー(性同一性障害)」と言ってしまうと、たとえば「自分は性同一性障害という病気なんじゃない。ただ、トランスジェンダーという生き方をしているだけだ」という自認の人を丸無視してしまいます。(同時に、「自分がトランスジェンダーであることは病気だ、障害だ」という認識の方もまたいらっしゃるわけなので、トランスジェンダー全員が性同一性障害という分類を拒むというわけではありませんが)

それから、そもそもLGBTとかトランスジェンダーという概念が生まれた本家本元の欧米では、多くの国でそれが「障害」でも「病気」でもなくなっています。ですから、読者さんが海外のトランスジェンダーについてのニュースを日本語で読んだときに混乱を招きかねないことからも、「トランスジェンダー(性同一性障害)」表記はよろしくないわけです。

「トランスジェンダー」をあえて日本語にするなら「性別越境者」という訳があてられていますし、説明するならたとえば「生まれた時に割り当てられた性と別の性を生きる人」など「そもそも私たちは性別を他人に決められちゃってるとこあるよね」ニュアンスが含まれる表現のほうがよりよいでしょうね。

★ 2位 なんか高学歴高収入だっていうことにされがち

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プルデンシャル・グループにより行われる
→アメリカのLGBTは総じて高学歴・高収入、だという結果に

・12万人のアメリカ国籍の成人を集め、彼らに対する質問のうちの一つに「あなたは個人的に自分のことをレズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーのいずれかだと思っていますか?」というものが含まれていた調査
→民間調査会社であるCNNマネー)。

そらそうやで奥さん

「LGBTコミュニティの一員である方、調査にご協力をお願いします」だなんて意識高い聞き方したんなら、そりゃその意識高い感じは結果にも反映されちゃうわよね。また仮に「レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーですか?」って聞き方をしたとしたって、そういう言葉を意識していない/知らない/受け入れられない/自分に合っていないと感じる当事者だっていっぱいいると思うのよ。身分証や戸籍に「バイセクシュアル」って書いてあるわけじゃないんだからさ、こういうことは。

なんていうかそもそも「LGBT」っていうカテゴリ自体にもはや客観的判断基準がない以上、「LGBTは高学歴高収入か否か」っていう調査だって、どうしてもふわっとしがちです。もう、成立しないって言ってもいいくらいじゃないかな。

っていうか、高学歴高収入だからなんなの? って思いますけどね。学歴とか収入とか全然関係なく、単に「わが社の顧客は全員、シスジェンダーの異性愛者です!!」って勘違いしてることがそもそもさまざまなスベりの元ですよって話だと思うんだけど。

わたしも銀行で妻のフランスでの口座に送金しようとして、「こちらはお客様の旦那様のお口座でしょうか? えっ、妻、ですか? えっ、あの、はあ、その、えっと……???(混乱)」みたいな対応されて、もう銀行変えちゃおっかなって思ったことあるもん(笑)。新しく「高学歴高収入だから狙え!」って話じゃなくて、そもそも今いるお客さんにちゃんと対応できてないんですけどって話だと思うわ。

★ 1位 読者がLGBTじゃないことにされがち

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写真:PAKUTASO

さて、堂々の1位です。「そもそも読者がLGBT当事者じゃない前提で話が進みがち」。

「私たちの隣にもいる!! LGBTを知り顧客ニーズをつかめ」

いや、私たちって誰。

「レズビアンというと○○なイメージがあるが、その実態は××な消費傾向にあり……」

いや、そんな珍獣扱いしなくても私がレズビアンなんですけど。

こういう細かい言葉遣いがすでに、「読者はLGBTじゃない」前提を感じさせるものになっており、結果として「あなたの顧客にも隠れたLGBTはいるのです!(ババーン)」的な〆の一言の説得力を台無しにしちゃうのよね。いや、ここにいますけど、みたいな。

てことで、
・略されがち
・高学歴高収入なことにされがち
・読者がLGBTじゃないことにされがち
以上、ありがちなことトップ3をお送りしてまいりました。

個人的には「LGBT市場!!(ギラギラ)」みたいな動向について、こんなふうに思ってます。


まぁ、これはたまたま「同性愛者向けビジネス」の話をされてきた日のツイートなので「同性愛者向け」って表現をしてますけれど、「LGBT向け」に置き換えても通じることだと思います。

「従業員やお客さんにはLGBTもいるってことを想定に入れよう」って話ならまだわかるわ。だけど、「LGBT市場!! LGBT向けの商品!!」とか言って世に出されたものを私は全然買おうと思わない。たとえば「LGBTにおすすめの旅行先!!」みたいな話をとったってね、そもそも性のあり方を理由に旅行できない場所があるってこと自体がオカシイのよ。

消費者が、従業員が、性別・性的指向を理由に不当な扱いを受けることのないようにするというのは、セールスポイントではなく当たり前のことになるべきではないでしょうか。その過渡期として今、先陣を切っているいくつかの企業が「LGBTフレンドリー」をうたっているわけです。そこを怒鳴りつける気は私にもありません。でもゆくゆくは、いちいち言われずにすむようになりたいわよね。「お客様はLGBTなんですね! なら、この商品がおすすめです!!」的なことを。(そんな勧め方してきても、そもそも買わねーわよって感じだし。)

てことで、今週も読んでくださってありがとうございました! また来週月曜日にね。まきむぅでした◎

>関連記事:「ニセLGBTフレンドリーを見抜くための3か条」

 

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