第51回 日本では流されない、海外のゲイなCM5連発

まきむらよ。

毎週月曜、こちらの連載、「まきむぅの虹色ニュースサテライト」をお送りしております。

今回のテーマは、

日本では流されない、海外のゲイなCM5連発

です。

日本で有名なあの商品やこの企業も、日本向けCMとは別に、海外向けCMで同性愛表現を取り入れている場合があります。

もちろん「日本だけがダメで、海外は進んでる」という話ではないんだけどね。海外でも同性愛を笑いものにするようなCMが流れることはありますし、また、同性愛自体が違法扱いされるような厳しい状況の国だってあります。

そういう中でも今回は、「同性愛を笑いものにしてない海外CM」を選んでみました。

★ アルゼンチン、チンザノ「俺のこと好きなのか?」
★ フランス、マクドナルド「ありのままでご来店ください」
★ アメリカ、アマゾン「ダンナとお祝いしなくちゃね!」
★ イギリス、ペプシコーラ「気持ちよくなっちゃえよ」
★ イタリア、ルノー「時代は変わった。ルノー車も変わった」

YouTube動画と、その要約文を添えてご紹介していきます。日本で流れたらどうなるか、想像しながら読んでみてくださいね。

★ アルゼンチン、チンザノ「なんだよ、俺のこと好きなのか?」
日本でも、もちろん新宿二丁目でも飲まれているリキュールの製造会社「チンザノ」がアルゼンチンで放映したCMです。ゲイへの偏ったイメージが次々に登場し、まとめて笑い飛ばされます。

(男性ばかりの家飲み会場。主人公は飲み物を取りに席を立つ)

(席に残っている男性が、雑誌を見ながらこんなことを言う)

男性1「おい、アルゼンチン人のうち10人に1人が『ガイ』なんだってよ!」
男性2「『ガイ』じゃねえよ、『ゲイ』って読むんだよそれは」

(主人公、それを聞くと、一人離れたまま酒をあおる)

男性1「10人に1人……」

(ゲイゲイしい音楽が流れ始める)

男性3(1、2、3、4、5、6……この部屋、10人いる……)

(主人公以外の男性たち、無言のうちにゲイじゃないアピールを始める)

(こそこそとピンクの靴下を隠す男性)
(男友達の肩にまわしていた手をそっとひっこめる男性)
(足を組むのをやめ、がっぽり足を開いて男らしく座り直す男性)
(自分のつけているアクセサリーを隠したり、長めの髪を気にする者も)

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(こそこそしているみんなをよそに、主人公は氷を口に含んで堂々と席に戻る)

(一同、一斉に主人公に注目。主人公は堂々としたまま、氷をなめてみせる)

主人公「なんだよ」

(主人公を見つめる一同。その視線に対して、こともなげにこう答える)

主人公「(じろじろ見やがって、)俺のこと好きなのか?」

ちなみにアルゼンチンは2010年に、中南米で初めて同性婚を法制化した国。トランスジェンダーの非病理化も世界に先駆けて行われました。

★ フランス、マクドナルド「ありのままでご来店ください」
続いては、ちょっと切ないドラマ仕立てと、主人公の少年の美形っぷりで国際的に話題になったフランスのCMです。

(マクドナルド店内、テーブル席で電話する少年。やさしい音楽が流れている)

少年「もしもし?」
少年「僕も君のこと考えてるよ」

(微笑みながら見つめる先には、男子ばかりのクラス写真。きっと少年の彼氏も写っているのだろう)

少年「今、僕たちのクラスの写真を見てる」
少年「お父さんが戻ってくるから、電話切らなくちゃ」

(少年の父親が席に戻ってくる)

父親「お前のクラスは男の子ばかりで残念だな」
父親「俺に似てイケメンのお前なら、どんな女の子でも落とせるのに」

(少年、沈黙。それから、小さく笑う)

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「ありのままのあなたでお越しください」

――マクドナルド

あーあるあるこういうこと、って感じね。このCMはYouTube上でも、多くのパロディが作られています。

★ アメリカ、アマゾン「ダンナとお祝いしなくちゃね!」
続いては、アマゾンが電子書籍リーダー「キンドル」を宣伝するために作ったCMです。途中までは「ワァオ!」「クールね!」みたいな、なだぎ武と友近がモノマネしそうな感じのよくあるアメリカCMなんだけど……

(ビーチでくつろぐ男女。女性はアマゾンの電子書籍リーダー「キンドル」を持っている)

男性「それ、キンドルだよね?」
女性「ええ、そうよ、新しく出たキンドルのペーパーホワイト」

(女性、男性にキンドルの良さを説明する)

男性「僕もキンドルを買ったばかりなんだ」

(男性、自分のキンドルを取り出す)

男性「お祝いしなくちゃね!」
女性「今、うちのダンナがドリンクを持ってきてくれると思うわ」
男性「僕のダンナも」

(男性と女性、そろって振り向く。その先ではそれぞれの夫が手を振っている)

男女の組み合わせを見るとすぐに「カップルだ」って思ってしまいがちな、そんな物の見方のクセに気付かせてくれるCMです。

★ イギリス、ペプシコーラ「気持ちよくなっちゃえよ」
イギリスで放映された、1分以上の力作CMです。なんでバーで缶ペプシ飲んでんだよっていう突っ込みどころはあるけど、まさにコーラのような爽快感のある作品よ!

(バーで話し合う3人の男性。視線の先には、1人で来ている女性客)

男性A「なあ、早く声かけにいけよ」
主人公「俺が? ……そうだな」
男性B「今だ、早く」
主人公「でも……」
男性B「ほら、ペプシネックス飲んで」

(ためらう主人公にペプシコーラの缶が渡される。主人公、コーラをあおる)

主人公「よし……やってやる」

(音楽が激しくなる。キリッと歩いていく主人公)

(そして、セクシーな視線を送ってくる女性客……を、主人公はスルーする)

女性客「!?」

(主人公が女性客をスルーした先には、一人のイケメンが)

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(迷わずイケメンに声をかける主人公。そして、「やりやがった……」という表情の男性A&男性B)

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「気持ちよくなっちゃえよ」

――ペプシ

日本版のCMだと沢尻エリカ様がエロい声で「ペプシネェックス」っておっしゃってたイメージが強烈なんだけど、イギリス版でもセクシーなイメージなのね。

★ イタリア、ルノー「時代は変わった。ルノー車も変わった」
フランスの自動車会社・ルノーが、イタリアで放映したCM。自動車CMでは、日産も男性同士のひとめぼれを描いて「(動画:英語)

・助手席に男性を乗せて、ルノー車でドライブを楽しむ主人公。道沿いのクラブにドラァグクィーンを発見し、「父さん!」と声をかける。主人公の父親はドラァグ姿のまま、気まずそうに顔を伏せる。続いて主人公はこう言った――「俺たちも入っていい?」

(動画:フランス語)

商品が車であるためか、ゲイ含む「家族」をテーマにしたCMが多いのも特徴。日本でもいつか、ほっこりCMが流れてくれるといいわあ。

……ということで、世界各国のゲイCMを計5本紹介してまいりました。読んでくださってありがとうございました。あなたの一番好きなCMはどれかしら? 日本で放映されて、印象に残ってるCMはある? よかったら、記事の一番上(パソコンからご覧の方は、この文章のすぐ下)のツイートボタンやfacebookいいねボタンからコメントを聞かせてね!

それでは、また来週月曜日に。まきむぅでした◎

 

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