第62回 AID(非配偶者間人工授精)を3冊の本を通して考える

こゆき:新刊の取材が一段落して、久しぶりにひろこさんとお料理できたことが私の最近の嬉しかったこと♡ 自分で作って食べるということは、メンタルにもいいような気がしています。地に足をつける! いつか自分で育てた野菜でお料理してみたいね!

ひろこ:茄子やトマト、東京の庭でも育てられるらしいよ〜。テラスでバジルとか紫蘇なんかもいいね。

こゆき:いいねぇ♡

ひろこ:さて今回は、 AID(非配偶者間人工授精)に関する本を紹介したいと思います。

こゆき:はい。では、まずはこちらから。

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『AIDで生まれるということ』

こゆき:こちらは、AIDで生まれた当事者の方々の手記です。AIDは、日本ですでに60年以上も行われてきて、この技術によって生まれた人はすでに1万人〜2万人いると言われているのに、当事者の声のはこれまでほとんど聞くことができませんでした。ここ数年、新聞や雑誌などのメディアにも取り上げられるようになってきてはいましたが、今回、書籍という形で当事者の声が世に出たことは大きなことだと思う。

ひろこ1万人〜2万人って、ずいぶん開きがあるね?

こゆき:AIDでの妊娠が成立してから、人工授精を行ったクリニックでないところで、「フツー」の妊婦として出産するケースも多いため、正確な記録がないんだって。私たちもなんらかの方法で妊娠が成立したら、一般的な産婦人科などで出産できると思うよ。病院で「誰の子ですか?」とか「セックスで妊娠したんですか?」とか、聞かれないと思う。仮に聞かれたとしても答えたくないよね。ヘテロセクシュアルの人も、妊娠に至った経緯って様々だし、プライベートな問題だよね。一般的な不妊治療の本にも、病院で聞かれること、聞かれないことが書いてあるよ。

ひろこ:そうなんだね。

こゆき:この本では、今を生きている当事者の、貴重な声を聞くことができます。ここからは私のとても個人的な感想なのだけど…AIDで生まれた人も様々なのね。母親が第三者から精子提供を受けて自分を妊娠したという事実は共通なんだけど、そのお母さんはいろんな人がいる。もちろん遺伝子上の繋がりが無いお父さんにもね。

私は、この本から当事者の人たちの「親との葛藤」をとても強く感じたの。もちろんその「親との葛藤」はAIDという技術が大きな要因になっているのだけれど、親と子の難しさっていうのは他にもあるじゃない? 子育て中の親に愛する力がなかったり、離別などで子の環境が大きく変化したり…。「家族の問題」と「AIDという技術」が合わさって、当事者の人の生き難さになっていると。私自身アダルトチルドレンなんだけど、本を読んでいてアダルトチルドレンの人の葛藤とも似ているなと感じたよ。

 

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『精子提供 父親を知らない子どもたち』

ひろこ:続いては、以前にも連載で紹介していたこちらの本です。

こゆき:当事者が語ることと、第三者が書くことって、本当にどちらも重要。だからぜひ併せて読んでいただきたいと思ったので改めてご紹介。非常に考えさせられる内容です。

 

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『ひそやかな花園』

ひろこ:最後にご紹介する本は、小説ですね。

こゆき:角田光代さんの小説です。ネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが、先程お話ししたように、当事者が語ること、第三者が書くこと、そして「物語」。「物語の力」ってこういうことなのか!? と震えた作品だったのでご紹介。

少し話はそれますが、レズビアンの女性の「物語」って圧倒的に少ないよね。当事者が語る言葉もまだまだ少ない。私はレズビアンの女性たちの中から、もっともっと作品が生まれてきたら素敵だなって思っているよ!

ひろこ:この小説は、本当におもしろいです!私ももうすぐ読み終わるところなんだけど、物語にぐいぐい引き込まれていって、夢中になって読んでいます。AIDの入門編として、まずこの本から読むのもいいかもしれません。

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TBSテレビ『私の何がイケないの?』にひろこさんと出演します。私にとって初のバラエティ番組出演です。放送は6月30日(月)夜7時〜!どうぞご覧ください。

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